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母の日の歴史とカーネーションに託された感謝の気持ち
ビジョナリー編集部 2026/03/25
5月第2日曜日は「母の日」です。カーネーションを贈ったり、感謝の気持ちを伝えたりする日として、今ではすっかりおなじみになっています。しかし、その起源をじっくり考えたことがある人は意外と少ないかもしれません。今回は、母の日が日本でどのように広まり、現代の形になったのかを振り返ります。
なぜ“母”に感謝する日が生まれたのか
母の日のベースとなったのは、20世紀初頭のアメリカの出来事です。一人の女性が母親の命日に、彼女が好きだった白い花を教会の祭壇に捧げたことがきっかけでした。「生きているうちにこそ感謝を伝えたい」という思いが多くの共感を呼び、やがて国中へと広がります。1914年、アメリカ全土で5月の第2日曜日が「母に感謝する日」として公式に定められたのです。
時代をさかのぼると、古代ローマにも「神々の母」を讃える春の祭典が存在していました。また、ヨーロッパでは17世紀ごろから、子どもたちが奉公先から実家へ戻り母と再会する特別な日があったことが記録に残っています。どの国、どの時代でも「母へ感謝を表す機会」が大切にされてきたことが伺えます。
日本に母の日が根付いた背景
日本では、明治の終わりごろからキリスト教会で母親を讃える行事が行われていました。昭和初期には皇后の誕生日が「母を労う日」とされたものの、広く根付くことはありませんでした。
大きな転機となったのは、1930年代。「母の日大会」と題したイベントが開催されたことで、認知度が一気に高まります。その後、5月第2日曜日が記念日として定着し、戦後には国民的な行事となりました。時代の流れとともに、感謝の表現や祝い方も少しずつ変化してきたのです。
カーネーションに込められた想い
「母の日」といえば、やはりカーネーションです。この花が象徴となった理由は、アメリカで白い花を祭壇に飾ったエピソードに遡ります。やがて、「存命なら赤」「他界していれば白」という分け方が生まれました。日本では、「母親を失くした子供が傷ついてしまうのでは」との配慮から、赤いカーネーションを贈るようになります。
最近では、ピンクの花や、ガーベラ、紫陽花など、選択肢も増えています。長い歴史や物語を知ったうえで選ぶと、より特別な贈り物になるはずです。
それぞれの国の祝い方
「母の日」は世界各地で色々な形で祝われています。北欧では5月の最終日曜日、スペインでは5月の最初の日曜日、タイでは王妃の誕生日である8月12日がそれにあたります。国ごとに慣習やプレゼントが異なり、イギリスではラッパスイセンや手作りケーキ、オーストラリアでは菊の花が贈られます。
韓国では「父母の日」として両親を一緒に祝い、カーネーションとともに心のこもった贈り物や感謝の言葉を伝えるのが一般的です。イタリアやフランスでは、花に限らず母親の趣味や好みに合わせた品が贈られることも多く、普段から愛情や感謝をストレートに表現する国柄ゆえ、特別なイベントとしない家庭も珍しくありません。
こうした各地の風習を見渡すと、「母への思い」を表現するためのきっかけとして、その土地ならではの文化や価値観が色濃く反映された行事であることがわかります。
ギフト市場の変化と“心を伝える”原点
最近のギフト市場は、多様化が進んでいます。定番の花束だけでなく、手間いらずで長く楽しめるプリザーブドフラワーやハーバリウムが人気を集めています。さらに、スイーツやグルメ、日用品、ファッション小物や旅行券など、選択肢の幅も拡がりました。少し贅沢なスイーツや有名ブランドのコスメなど、普段は手にしないような品を選ぶ人も増えています。
予算についても、20代や30代では5,000円前後、時には1万円近くをかけることも。特に新社会人が初任給で贈り物を準備するのは“親孝行の第一歩”という話もよく聞かれます。
とはいえ、どんなに高価な品であっても、そこに感謝の気持ちが込められていなければ、本当の意味で母の日の贈り物にはなりません。手紙やメッセージを添えたり、一緒に食事や旅行を楽しんだりと、モノよりも「心」を重視する人が増えているのも現代ならではの傾向です。
まとめ
母の日は、世界中でかたちを変えながら受け継がれてきた「感謝の文化」です。時代とともに贈り物のスタイルは変わっても、「母への敬意と感謝」という気持ちは、いつの時代も変わりません。
この記念日が、単なるイベントや商戦の一部ではなく、本当に大切な人と心を通わせるきっかけとして続いていくこと。それこそが本来の意義だと言えるのではないでしょうか。
今年は、少しだけ早めにカレンダーを眺めながら、「どんなふうに感謝を伝えよう?」と考えてみてはいかがでしょう。母の日を通して、新しい家族の形や自分自身の成長に気づくことができるかもしれません。


