オランダ代表──グループF、日本代表の最大の壁
SHARE
2026年ワールドカップ・グループB:予測不能なサバイバル
サッカーW杯2026特集 | 受け継がれる歓喜、世界最高峰の戦いビジョナリー編集部 2026/06/13
グループBには、それぞれの異なる背景と強烈なモチベーションを持った4つの代表が名を連ねました。地元開催の利を活かして歴史的な勝ち点を狙うカナダ、圧倒的な安定感を武器に盤石な戦いを見せるスイス、中東の王者として2022年大会の悔しさを晴らす覚悟のカタール、そして壮絶な欧州予選を乗り越え再び世界の舞台に帰ってきたボスニア・ヘルツェゴビナ。
実力が拮抗し、絶対的な大本命が不在だからこそ、初戦から一瞬も目が離せない激闘が繰り広げられます。
グループBの全体像
グループBに集った4カ国は、まさに実力が拮抗した「横一線」の顔ぶれです。どの国も確実な決勝トーナメント進出を約束されていないからこそ、初戦からバチバチの心理戦と勝ち点3を巡る激しい攻防が予想されます。
さらに、今大会から採用された「各組3位の上位8カ国も勝ち抜ける」という新ルールも、このグループの混沌に拍車をかけます。1点の重みが劇的に増した今、一度のドローや僅かな失点が全体の流れを大きく変えてしまう、一瞬の隙も許されない緊迫したサバイバルレースが幕を開けます。
【カナダ】開催国の野望と新時代の波
北米の大地で初めてワールドカップを迎えるカナダ。86年に初出場を果たして以来、長らく世界の舞台では結果を残せずにいました。2022年カタール大会も全敗という厳しい現実。しかし、今回は違います。ジェシー・マーシュ新監督のもと、チームは攻撃的なハイプレス戦術に大きく舵を切りました。
国内のサッカーファンは、これまでにない熱気で代表を後押ししています。特にコパ・アメリカでの好成績が、若い選手たちに自信をもたらしました。ピッチの外でも、カナダという国がサッカー文化の新たなステージへと上り詰める期待感が広がっています。
注目は、左サイドを支配するアルフォンソ・デイヴィスです。世界屈指のスピードでサイドを切り裂き、攻撃の起点となる彼の存在は、カナダの攻撃パターンを大きく変えています。万全のコンディションで大会を迎えれば、これまでの「勝ち点ゼロ」の歴史に終止符を打つ原動力となるでしょう。
【スイス】安定感と経験値の象徴
スイス代表には、国際大会で常に安定した戦いを見せてきた歴史があります。近年のワールドカップでもノックアウトステージ進出が続き、今大会でもグループBの筆頭格と目されています。
ムラト・ヤキン監督のもと、チームは堅実な守備ブロックと隙のない試合運びで知られています。派手なスター選手は少ないものの、全員が役割を理解し、無駄なミスを最小限に抑えるサッカーを展開します。
中盤でチームの心臓を担うグラニト・ジャカは、その冷静なゲームコントロール力で攻守のバランスを保ちます。彼が中心となってリズムを作れば、スイスはどんな強豪にも引けを取らない粘り強さを発揮します。スイスの「崩れない」強さは、混戦を制する最大の武器となるでしょう。
【カタール】中東の誇りと2022年大会の雪辱
2022年に地元開催でワールドカップデビューを果たしたカタール。残念ながら全敗という苦い経験を味わいましたが、その雪辱を胸に今大会へと挑みます。アジアカップ連覇という実績が、彼らの成長ぶりを如実に物語っています。
フレン・ロペテギ監督は、長年培ってきた組織力を武器に、アウェイの地でどこまで主導権を握れるかに挑戦します。カタールが目指すのは、単なる参加ではなく、アジア王者として世界に実力を証明することです。
攻撃のキーマンは、アクラム・アフィフ。彼の驚異的なドリブルと創造力は、アジアのみならず世界でもトップクラスです。相手ディフェンスを一瞬で切り裂くプレーは、試合展開に大きなインパクトを与える可能性を秘めています。
【ボスニア・ヘルツェゴビナ】再起の物語、挑戦者の覚悟
かつてユーゴスラビアの一部だったこの国が、独立後に自力で世界の舞台に戻るまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。2014年以来2度目のワールドカップ出場となった今回は、欧州予選で劇的な逆転勝ちを重ね、国民の心に新たな希望を灯しました。
セルゲイ・バルバレズ監督率いるチームは、「失うものは何もない」という覚悟で大会に臨みます。下馬評を覆すサプライズを狙う勢いと、ワンチャンスを逃さない勝負強さが最大の武器です。
フォワードのエディン・ジェコは、40歳を迎えてもなお決定力を誇り、チームの精神的支柱として君臨しています。その存在感は、若手の成長とベテランの経験が融合したボスニア・ヘルツェゴビナの象徴です。
まとめ
グループBは、4カ国すべてにチャンスが開かれています。開催国の新たな歴史か、欧州の安定感か、中東王者の飛躍か、あるいはベテラン率いる挑戦者の下克上か。一瞬のひらめきや偶発的なゴールが命運を分ける、予測不能なドラマがここから始まります。


