新たな防災気象情報――「分かりにくさ」からの脱却...
SHARE
2026年7月、パスポート発行手数料が「最大7,000円」も値下げに——改定の真相と新しい申請方法
ビジョナリー編集部 2026/06/01
2026年7月1日から、日本のパスポート発行手数料が最大7,000円も安くなることが決まりました。この記事では、制度変更の背景から申請方法、そして注意すべきポイントまで、最新情報を解説します。
手数料が値下げされる理由と国の狙い
今回の改定には、国の政策転換が色濃く反映されています。
2026年7月1日から、日本を出国する際に支払う「国際観光旅客税」、いわゆる出国税が1,000円から3,000円へと引き上げられます。これまではパスポートの発行手数料の一部が、海外でトラブルに遭遇した日本人の救助費用(邦人保護経費)に充てられていました。しかし今後は、その財源を出国税で賄うことになり、発行手数料を引き下げることになりました。
さらに、国が掲げる行政デジタル化の推進も、今回の改革を後押ししています。オンラインによる申請を普及させるため、窓口業務のペーパーレス化や人件費の抑制をねらい、電子申請を積極的に利用してほしいという意図があります。
もうひとつ注目したいのが、日本人の保有率です。2024年時点で日本の保有率は約17%台と、先進国の中でも際立って低い水準にあります。近年は若年層の海外志向の低下やコロナ禍による渡航機会の減少も影響し、取得者が伸び悩んでいました。今回の値下げには、こうした現状を打開し、留学や海外旅行にチャレンジしやすい環境を整えるという狙いも込められています。
どれほど安くなるのか?具体的な変更点
実際にどれほど手数料が安くなるのか具体的に見ていきましょう。
まず、18歳以上が取得できる10年有効のパスポートは、電子申請の場合これまで15,900円でしたが、2026年7月からは8,900円に引き下げられます。これは7,000円もの値下げです。窓口申請の場合も16,300円から9,300円へと、同じく7,000円の減額となります。
出国税ベースで考えると、10年で4回以上海外に行く人なら、トータルの出費(値下げの7,000円 vs 出国税の2,000円×回数)はむしろ増える計算になります。ただ、最初の取得ハードルが下がるのは間違いなくメリットです 。
一方、18歳未満が申請できる5年有効のパスポートは、これまで12歳以上なら10,900円、12歳未満なら5,900円と年齢で区分されていました。新制度では年齢問わず一律4,400円(電子申請の場合)となり、特に12歳以上の子どもは6,500円の値下げとなります。
また、重要な点として、18歳以上の5年有効パスポートは廃止されます。これまでは成人でも5年有効の選択肢がありましたが、今後は10年用に一本化。選択肢が狭まるものの、手数料が大幅に安くなるため、長期的に見ればメリットが大きいといえるでしょう。
なお、オンライン申請は窓口申請より400円安くなっています。スマートフォンでの操作に抵抗がない場合は、電子申請を選ぶだけで手軽に費用を抑えることができます。
マイナポータル活用で時短ーー新しい申請方法
2025年春から、マイナポータル経由のオンライン申請が利用できるようになっています。申請の流れは非常にシンプルです。マイナンバーカードを使ってマイナポータル・アプリにログインし、顔写真や本人情報を入力。戸籍謄本が必要な場合もありますが、オンライン連携が順次進んでおり、紙の書類を役所に取りに行く手間も減ってきています。
従来は「窓口で申請」「窓口で受取」と、2回役所に足を運ぶ必要がありました。しかし電子申請なら受け取り時の1回の来庁で済みます。
手数料の支払いも、オンライン決済に対応。クレジットカードや電子マネーで支払うことができます。
さらに、18歳未満についても、オンライン申請が可能です。15歳未満は保護者が代理で手続きでき、15歳から18歳未満であれば本人申請も選択できます。親権者の同意が求められますが、家族で効率よく手続きを進められます。
すぐに準備すべき人、7月以降に動くべき人
7月や8月に海外渡航を計画している人は、値下げを待たず早めに申請・受取を済ませることをおすすめします。外務省も公式に注意喚起している通り、7月1日以降は値下げを待つ申請者が殺到し、通常2週間ほどだった交付期間が「最長1カ月」に延びる可能性が高いからです。出発直前で間に合わない、という事態は避けたいものです。
一方、急ぎ使う予定がない場合は、7月1日を待って申請すると安くなります。マイナンバーカードとマイナポータルの利用準備を進めておくとスムーズです。
手数料の基準日は「受取日」ではなく「申請日」で決まる点は注意が必要です。6月に申請し7月以降に受け取っても新料金は適用されませんので、タイミングには十分注意してください。
申請後6カ月以内に受け取らなかった場合、旅券法の規定により、発行したパスポートは失効し受け取ることができなくなります。改めて申請する際には手数料が割高になるので、忘れずに受け取りましょう。
まとめ
2026年7月からの改定は、日本人の海外チャレンジを後押しする大きな変化です。出国税の増額や窓口の混雑など、注意すべき点もありますが、事前に制度の全体像を把握し、自分や家族のスケジュールに合わせて最適なタイミング・方法で手続きを進めることが、賢い選択と言えるでしょう。


