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苦境から一気に覚醒!ベルギー代表の逆転首位通過の真価、“レッドデビルズ”が見据える新たな頂【2026W杯グループG首位通過】
サッカーW杯2026特集 | 受け継がれる歓喜、世界最高峰の戦いビジョナリー編集部 2026/06/30
決勝トーナメントが始まり、さらなる盛り上がりを見せる2026年ワールドカップ。その中で、ベルギー代表、通称“レッドデビルズ”は、グループGの序盤で最大のピンチを迎えていた。だが、グループ最終節で見せたのは圧倒的な攻撃力。見事に首位でトーナメント進出を決めてみせた。
伝統と進化が融合する“赤い悪魔”――ベルギー代表の正体
ベルギーはなぜ“赤い悪魔(Red Devils)”と呼ばれるのか。それは、100年以上前に躍動感あふれる赤いユニフォームで欧州の強豪相手に勇猛果敢な試合を繰り広げたことがその由来だ。さらに2010年代以降、世界に名を轟かせる“黄金世代”が台頭した。
ケヴィン・デ・ブライネやロメル・ルカクらがその中核だ。彼らの存在感は変わらないが、今大会は世代交代の色も濃い。熟練の選手が土台を作り、中堅・若手がアクセントを加える。まさに、経験と新しさの絶妙なブレンドだ。
そのプレースタイルを紐解くと、ミドルサード(ピッチ中央部)から正確なパスを繰り出し、崩しを図るのが基本。ボール保持時は繊細な連携で敵陣を切り裂く。一方で、ピンチから一瞬で攻撃に転じるカウンターも強烈。これはフィジカルに優れたFW陣の存在が大きい。数的優位をつくりながら、いかに個の力で“局面を壊せるか”にベルギーの強みが宿る。
また、近年の課題だった守備の不安定さも、今大会は若手DFやベテランMFが連携強化でカバー。ガルシア監督が掲げる「チームスピリット重視」の方針が、選手層の厚みとまとまりを生み出している。
崖っぷちからドラマを紡いだグループGの戦い
初戦と2戦目は、どちらも拮抗した内容だった。エジプト戦では“らしさ”を見せながらも詰めが甘く、イラン戦はチャンスを量産しながら無得点。SNSでは「このまま終わるのか」と不安の声も広がった。
しかし、最終節で一変。ニュージーランド戦は再三の波状攻撃を仕掛ける。28分、CK(コーナーキック)からのこぼれ球を押し込み、ついに均衡が崩れる。後半も勢いは止まらず、2点目を奪い主導権を完全に掌握した。
その後もデ・ブライネが冷静に追加点。終盤にはルカクが途中出場からわずか54秒でヘッド弾を叩きこみ、圧巻の5得点。前半戦でのもどかしさを一気に解消する“爆発力”が、グループの流れを根底から変えた。
この大逆転劇の裏には、ベンチメンバーの奮起や選手同士のコミュニケーション強化もあった。勝ち抜き条件が複雑に絡む中、点差を意識しながら攻撃のギアを緩めなかった点も勝因といえる。
運命を変えた3人のキーマン――躍動するスター達
グループ突破の立役者として、まず名前が挙がるのがレアンドロ・トロサールだ。今季アーセナルでの活躍を経て、代表でもようやく主役の座をつかんだ。28分にはこぼれ球を逃さずゴールに流し込み、後半もリバウンドに反応し、冷静に押し込んだ。トロサールは「全員がキーマン」と語るが、彼自身の“勝負強さ”がチームに勇気を与えたことは間違いない。停滞していた空気を一変させる存在感だった。
続いて、絶対的司令塔ケヴィン・デ・ブライネ。クラブ、代表ともに長年主役を張り続けた男だ。今大会も一時は筋肉系のトラブルで調整に苦しんだが、復帰後はキレのあるパス、空間認知能力、そしてゴール前での冷静さが際立つ。最終節でも、余裕を持ったダメ押しゴールで試合を締めた。元アシスタントコーチのティエリ・アンリも「サッカー頭脳は歴代最高級」と評価する。ピッチ上での“静かなリーダーシップ”は、若手の成長にも好影響を与えている。
そして、FWロメル・ルカク。ナポリでの負傷を経て代表復帰となった今大会。グループリーグ2試合はベンチスタートが続いたが、最終戦で投入直後に“怪物”の異名通りの破壊力を見せつけた。85分、ファーサイドからのクロスに合わせて高打点から叩きつけるヘディング。投入からわずか54秒でネットを揺らした。このゴールは代表通算91得点目。まさに“決定力”という言葉を体現する一撃だった。ルカクのような“スーパーサブ”の存在が、ノックアウトステージでも大きな武器になるはずだ。
ノックアウトラウンドで見せる“挑戦者”の意地
グループ首位通過によって、ラウンド32の初戦はグループIを3位で通過したセネガルとの対戦に決まった。最大のアドバンテージは、移動距離の少なさ。シアトルのトレーニングベースに近いスタジアムで戦えるため、コンディション調整も有利に働く。
ノックアウトステージは、まさに“トーナメント仕様”の戦い方が求められる。2018年ロシア大会の3位という歴史を超えるには、守備の安定と攻撃時の決定力維持が不可欠だ。今大会は、控え選手の活躍やベンチワークも際立っている。特に、途中出場の選手たちが流れを変える場面が多い。
また、ガルシア監督は「我々は優勝候補ではないが、挑戦者であることがむしろ好ましい」と語る。目標と野心を分けて考える姿勢が、チーム全体のメンタルを健全に保っている。この“チャレンジャー精神”が、勝ち上がりの原動力となりそうだ。
まとめ
ベルギー代表のグループステージは決して順風満帆ではなかった。しかし、連続ドローで苦しみ、崖っぷちに立たされたからこそ、最終節での大爆発につながった。経験豊富なベテランと勢いある中堅・若手が絡み合い、チームの結束力も高まった。
これから始まる決勝トーナメントで、彼らの“覚醒”はさらに加速する可能性が高い。悲願の初優勝に向けて、攻守にわたる柔軟な戦術と、個の爆発力を活かせるかがカギだ。


