石を迂回して伸びる木のように——諦めない思いとご...
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#11若手の可能性を引き出す——「青い炎」の情熱と謙虚な信念
岩田 彰一郎 2026/10/11
大企業において、権限や役職が与えられるのは一般的に40代になってからです。しかし、私は「役職がついてからでは、本当の意味での変革やイノベーションを起こすことはできない」と確信しています。
社会を見渡せば、ベンチャーの世界では25歳ほどの若さで、一介の経営者として活躍している方々が山ほどいます。一方で、伝統的な企業組織の中にいると、20代半ばの若手は入社3年目の「下っ端」として扱われがちです。
しかし、20代の感性やエネルギーには、素晴らしい可能性が秘められています。その大事な時期に挑戦の機会を与えず、指示に従うだけの「社畜」にしてしまい、自由な発想や野性をすべて削ぎ落としておきながら、40代になってから「革新を起こせ」と命じても不可能な話です。若い時期から意志を持ち、リスクを取って組織を動かす経験を積むことこそが、真のリーダーを育てるのです。
当時の自分を振り返ると、会社からは「生意気な若手」と映っていたかもしれません。既存のやり方に異を唱え、新しい流通やブランドの構想を次々とぶつけていたからです。
けれど、決して牙を剥いて尖っていたわけでも、「俺についてこい!」と成果を大声でアピールしていたわけでもありません。もしそんな態度だったら、誰もまだ若造だった私を助けてはくれなかったでしょう。
見た目の物腰は、むしろとても穏やかだったと思います。でも、心の中では「一度決めた信念は絶対に曲げない」と誓っていました。自分を誇示するのではなく、淡々と、そしてしつこく意志を貫く。まるで目に見えない「青い炎」のように、静かでありながら最も高い温度で情熱を燃やし続けていたのです。
この姿勢の根底にあったのも、幼い頃から父から教え込まれた「謙虚であれ」という言葉でした。
世の中には、強烈な自己主張やカリスマ性で実績を上げ、組織を牽引する素晴らしい経営者もたくさんいらっしゃいます。しかし、私が共感し、目指してきたのは、どこまでも平常心を保ち、周囲に対して謙虚でありながら、目指す目的地へ絶対にたどり着くという静かなリーダーシップです。
真に成功されている経営者の方々とお会いしても、共通して感じるのは驚くほどの「謙虚さ」と、学び続ける姿勢です。自慢話など一切せず、他者の本を何冊も読み込み、付箋を貼って書き込みをしながら泥臭く学ばれている。自分を誇示する「俺が、俺が」という目立ちたがり屋の異端児ではなく、真摯に人と向き合い、ただただ愚直にしつこく信念を貫く。それこそが、人を動かし、大きな変革を成し遂げるための本質的な力なのだと感じます。
若さゆえの強い意志と、父から学んだ謙虚な姿勢。一見すると矛盾するようなこの二つを自分の中で調和させながら、私は「青い炎」を絶やすことなく、ライオンという巨大な組織の中で、そしてその後に待つさらなる大きな挑戦へと向かって、静かに情熱を燃やし続けていったのです。


