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苦境からの大逆転劇──「新黄金世代」へ進化するドイツ代表、その“強さの本質”を解剖する【FIFAワールドカップ2026】
サッカーW杯2026特集 | 受け継がれる歓喜、世界最高峰の戦いビジョナリー編集部 2026/06/29
世界中の熱狂が渦巻くワールドカップで、グループEを駆け抜けた“あるチーム”の復活劇が今、大きな注目を集めている。それが、かつての王者・ドイツだ。
二大会連続でグループリーグ敗退という信じがたい低迷期。そこから一転、今大会では鮮やかな復活を遂げてみせた。なぜドイツはここまで変われたのか。
目覚めの狼煙──グループEで見せた爆発力
初戦の相手はキュラソー。多くのサッカーファンが「順当な勝利になるだろう」と予想していたが、蓋を開けてみれば7-1という驚愕のスコアがピッチ上に刻まれた。まるで2014年ブラジル大会での7-1を彷彿とさせる攻撃の嵐。ドイツサッカーの新時代の幕開けを告げるには十分すぎるインパクトだった。
続く第2戦はアフリカ勢・コートジボワール。序盤から手に汗握る展開が続いたが、最後は接戦をものにして2-1で勝利。早々に決勝トーナメント進出を確定させる勝負強さが際立った。
第3戦の相手はエクアドル。1-2で敗れる苦い結果となったが、グループ内で唯一二桁得点(合計10点)をたたき出し、得失点差+6で堂々の首位通過。この事実が、新しいドイツの強さを物語っている。
10ゴールの衝撃──爆発力の裏側
今大会のドイツ代表は、グループリーグだけで10得点を記録。これは大会屈指の破壊力だ。試合ごとに違う選手がゴールを奪い、攻撃のバリエーションも豊富。中央突破だけでなく、サイド攻撃やセットプレーからも得点を重ねている。
さらに注目すべきは、得点力の源泉が特定の選手に依存していない点だ。試合ごとに主役が入れ替わり、どこからでも点が取れる。対戦相手にとっては“誰を抑えればいいのか分からない”厄介な存在だ。
ここまで多彩な攻撃を実現できた背景には、ナーゲルスマン監督の柔軟な戦術と選手たちの高い戦術理解度がある。ベンチからの指示を即座に共有し、ピッチ上で臨機応変にフォーメーションを切り替える。まさに“現代サッカーの進化形”といえるだろう。
若手とベテラン、化学反応が生んだ「黄金比」
ドイツ代表は、近年「世代交代の失敗」が叫ばれていた。だが今大会では、そのイメージを覆す“理想的な融合”が実現した。
40歳のノイアーは、守護神としてだけでなく、若手へのアドバイスやメンタルサポートも担当。とくに、初出場のGKやDF陣にとって彼の存在は計り知れない安心感だ。
中盤には、バイエルンのキミッヒや、リバプールで活躍するフロリアン・ヴィルツが並ぶ。経験豊富な選手たちが、試合の流れをコントロールしつつ、若手の大胆なプレーを引き出している。
そして、最前線にはムシアラやウンダヴといった新戦力。彼らのスピードと創造力が、これまでのドイツ代表にはなかった“破壊力”をもたらしている。
キーマンたちの躍動──3人のヒーローに注目
今大会のドイツを語る上で欠かせないのが、攻撃を牽引する3人のキーマンだ。
まずはカイ・ハフェルツ。キュラソー戦で2ゴールを奪い、チームの大勝に大きく貢献。単なる“点取り屋”ではなく、攻撃全体をオーガナイズする姿が印象的だ。
次に、背番号10のジャマル・ムシアラ。圧倒的なドリブルテクニックと視野の広さで、相手ディフェンスを翻弄。創造性あふれるプレーで「ドイツに新しい10番が誕生した」と話題を呼んでいる。
そして、コートジボワール戦で2得点をマークしたデニズ・ウンダヴ。決勝点を挙げた勝負強さに加え、相手DFを引き付けながらスペースを作る動きも秀逸。現在、ノリに乗っているストライカーだ。
ノックアウトステージ展望──12年ぶり“世界一”への道筋
グループ1位でノックアウトステージ進出を決めたドイツ。次なる相手は、グループDの3位・パラグアイだ。過去のワールドカップ(2002年日韓大会)では1-0の接戦を制しているが、油断は禁物。パラグアイは、グループステージ最終戦で10人になりながらもトルコを撃破するなど、粘り強い守備力とカウンターが武器だ。
ドイツにとって気がかりなのが、エクアドル戦で露呈したディフェンスの乱れ。とくに後半の守備ブロックには課題が残る。DFのニコ・シュロッターベックが負傷離脱している点も含め、ここをどう修正するかが勝負の分かれ目となる。
一方で、攻撃力はすでに大会屈指。ベンチワークを含めた選手層の厚さも抜群だ。2014年以来となる「4度目の世界制覇」へ、現実味を帯びた期待が高まる。
まとめ
かつてないほど攻撃的で柔軟なチームへと進化した“新生ドイツ代表”。初戦の大勝、組織の刷新、新旧スター選手の共演。どれをとっても「これまでのドイツ」とは一線を画す。
ノックアウトステージの初戦は、日本時間6月30日5時30分(ボストン・スタジアム)。これまでの勢いを維持できれば、12年ぶりの頂点も夢ではない。古豪復活のドラマは、まだ始まったばかりだ。


