心を揺さぶる日本の絶景・秘境
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国内旅行トレンド2026 ――「物語」を歩き、自分をアップデートする旅
GWお勧めスポット&レジャー特集ビジョナリー編集部 2026/04/21
新緑の香りが立ち込め、どこまでも続く青空に誘われるゴールデンウィーク。2026年の国内旅行は、「観光地巡り」を超えた、より深い体験へと進化しています。新しい土地を訪れるだけでなく、その場所が持つ歴史や、そこでしか出会えないストーリーに自らを投じる。そんな「自分自身の物語」を書き換えるような旅が、今年の大きなトレンドとなっています。
祝祭の熱狂と、再生を刻む歴史の節目
2026年は、日本を代表するエンターテインメントの聖地が揃って四半世紀の節目を迎える、類まれな祝祭の年です。東京ディズニーシーとユニバーサル・スタジオ・ジャパン。この二大パークが共に25周年を迎え、かつてないほどの高揚感に包まれています。周年を祝う華やかなショーや歴代の名シーンを再現したアトラクションは、訪れる人々に「今、この瞬間」しかない感動を約束してくれるでしょう。
一方で、瀬戸内の風に包まれる広島では、原爆ドームと厳島神社の世界遺産登録30周年という節目を迎えています。歴史の重みと復興の歩みを感じる旅は、華やかな喧騒とはまた異なる、深い心の充足を与えてくれるはずです。

「泊まれる名建築」が誘う知的な逃避行
宿泊先を選ぶ基準も、身体を休めるための場から、思考を深める空間へとシフトしています。今春、大きな注目を集めているのが、4月に開館した「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」です。明治の名建築である旧奈良監獄の美しさと、かつての暮らしを伝える展示は、6月のホテル開業を前にして既に多くの旅人の知的好奇心を刺激しています。
奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート
【住所】奈良県奈良市般若寺町18番地
こうした建築を旅の主役にする動きは全国に広がっています。長野県の軽井沢では、建築家・坂茂氏が設計したショールームを兼ねたブティックホテル「ししいわハウス」のように、伝統と現代建築が溶け合う新たな滞在の形が提案され、淡路島では、坂茂氏設計の「禅坊 靖寧(ぜんぼう せいねい)」や安藤忠雄氏の設計による「TOTOシーウィンド淡路」など、自然と一体になれる独創的な建築が人気を博しています。空間そのものが持つ美学に身を置くことで、日常で凝り固まった感性が解きほぐされていく。そんなアート体験としての滞在が、今年の主流となっています。
ししいわハウス
【住所】長野県軽井沢町長倉2147-646
禅坊 靖寧
【住所】兵庫県淡路市楠本字場中2594-5
TOTOシーウィンド淡路
【住所】兵庫県淡路市里573-14
世界が認めた「地方」の新しい価値
こうした「空間の美学」への関心は、建物の中だけに留まらず、その背景にある土地の歴史や風土へとさらに深く広がっています。いま、日本のローカルエリアが持つ「本物の価値」が、世界中から熱い視線を浴びています。ナショナルジオグラフィック誌が「Best of the World 2026」に選出した山形県は、その象徴と言えるでしょう。
特に今年は、山形県が誇る修験道の聖地、出羽三山(でわさんざん)が12年に一度の「午歳御縁年(うまどしごえんねん)」という特別な年を迎えています。この時期だけの神秘的な神事や、羽黒山の斎館などで供される精進料理に触れる旅は、現代人が忘れがちな「自然への畏敬」を思い出させてくれます。
また、ニューヨーク・タイムズが注目した富山県の職人文化や、震災を経て力強く歩みを進める能登半島の美食など、地方都市には豊かな時間が流れています。混雑を避け、地元の食や伝統に深く触れることで、地域と自分が繋がる実感を得る。これこそが、大人の旅人が行き着く最先端のトレンドと言えるかもしれません。
文化の境界線を越える旅
アートやサブカルチャーが旅の動機となるケースも急増しています。北海道では映画『ゴールデンカムイ』の重厚な世界観を追体験するロケ地巡りが活況を呈し、網走やアイヌ文化への理解を深める旅が幅広い層に支持されています。また、松本市が「東アジア文化都市2026」に選出されたことで、街全体が巨大な美術館のような賑わいを見せています。
京都においても、任天堂の旧本社を活用したホテル「丸福樓」やミュージアムが話題となり、伝統的な古都の風景に現代カルチャーが鮮やかに溶け込んでいます。映画のスクリーンやゲームの画面越しに見ていた世界が、リアルの風景と重なる瞬間。その場所でしか味わえない没入感は、旅の思い出をより鮮烈なものにしてくれるでしょう。
丸福樓
【住所】京都市下京区正面通加茂川西入鍵屋町342番地

まとめ
2026年の国内旅行トレンドは、「旅が自分ごとになる」時代の到来です。話題のイベントや名所、伝統文化の体験、地元の食と音、アートや歴史との出会いなど、どれもが訪れる人それぞれの“物語”を生み出します。
「どこに行くか」だけではなく、「なぜその場所を選ぶのか」。この問いに応えてくれる旅先が、これからますます人気を集めていくでしょう。この瞬間にしか味わえない”あなただけの旅を見つけてみてはいかがでしょうか。


