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2026

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    物流統括管理者(CLO)設置義務化への対応を支援。ヤマト運輸、都心近郊に戦略的ロジスティクス拠点を開設

    物流統括管理者(CLO)設置義務化への対応を支援。ヤマト運輸、都心近郊に戦略的ロジスティクス拠点を開設

    物流の輸送力不足と「CLO義務化」が迫る、荷主企業の変革

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     物流は国民生活と経済活動を支える不可欠な社会インフラだが、現在、深刻な輸送力不足に直面している。トラックドライバーの高齢化や担い手不足に加え、労働時間の上限規制適用が開始されたことで、有効な対策を講じなければ「運びたくても運べない」事態が迫っている。こうした危機を背景に、政府は2026年4月、一定規模以上の荷主企業に対し、物流適正化の責任を負う「物流統括管理者(CLO)」の設置を義務化した。これにより、物流の効率化は物流事業者だけの問題ではなく、荷主企業側にも主体的な取り組みが求められる経営課題となっている。

     企業は法規制への対応に加え、災害や地政学リスクといった外部環境の激変に耐えうる強靭な体制を整えなければならない。無駄な在庫を削ぎ落としつつ、販売機会を逃さない最適なサプライチェーンの再構築が、今や持続的な成長を左右する鍵となっている。

    「運ぶ」だけでない、経営を支える「コントラクト・ロジスティクス」の強化

     このような状況に対し、ヤマト運輸は、企業向けの物流支援に力を入れている。全国に約260カ所あるロジスティクス拠点と、全国に約80カ所ある宅急便の全国輸配送ネットワークを融合させることで、在庫の適正配置と輸配送の効率化を同時に実現することができるのだ。同社は店舗や個人宅への小口配送だけではなく、工場からの原材料の調達や店舗へのロット納品といった、企業間輸送の実績も豊富であり、企業のサプライチェーンの上流から下流まで一元的な支援に取り組んでいる。荷主企業と共に物流の効率化を実現することで、荷物を「運ぶ」存在から企業の事業戦略や経営課題を解決する「戦略的パートナー」へと変化し、持続可能な社会の実現と企業のビジネス成長を牽引する存在となることを目指している。

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    羽田クロノゲートに次ぐ都内第2のマンモス拠点、都心への「即日納品」も可能に

     「戦略的パートナー」への具体的なステップの1つとして、ヤマト運輸は4月7日、東京都江東区東雲に企業向けの大型物流施設を開設した。延べ床面積は119,606.90㎡(約3.6万坪)に及び、ヤマト運輸の羽田クロノゲート(東京都大田区)に次ぐ2番目の規模となる。

     東京都内には、都心アクセスの良さと広さを両立した大型施設(約3,000〜5,000坪超)と、配送利便性を優先した中・小規模(100坪〜)の施設が点在しており、他社と比べても大きな施設だ。

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     ヤマト運輸と言えば小口配送の「宅急便」のイメージが強いが、本拠点は企業向けにロジスティクスサービスを提供するエリアが延べ床面積全体の約半分(約18,000坪)を占めている。東京港や東京国際空港(羽田空港)へのアクセスも良く、海外輸送とのスムーズな連携に対応したヤマト運輸の中心的な拠点となる。施設内に輸配送機能を併設しているため、保管や流通加工を終えた荷物をダイレクトに宅急便で全国へ発送できることはもちろん、都内への「即日納品」も可能だ。

     EC事業者は、このようなロジスティクスと輸配送ネットワークが一体となった物流施設を活用することで、ECサイトの受注締切時間を注文が集中する深夜まで延長し、「翌日配送」のキャパシティを最大化することが可能となる。さらに、拠点内でのヤマト運輸従業員による家電修理といった高度な流通加工を組み合わせることで、故障品の回収から修理、配送までのリードタイムを最短化することもできる。こうした一気通貫の機能提供により、企業はワンストップでの購入体験の向上と売上の最大化を同時に享受できる。また、ロジスティクス拠点間で需要に応じた在庫の補充・移動をスピーディーに行うことができるため、無駄な在庫を持つことなく資金効率や利益率向上を図ることができる。

     さらに、拠点間輸送がなくなるため、温室効果ガス排出抑制や荷物破損のリスクを低減させ、サステナブルな物流の確立を可能にする。

    顧客の経営基盤を戦略的に支え、アセットライトな物流実現へ

     企業が物流効率化に取り組むメリットは、経営リソースの最適化から顧客体験の向上まで広範に及ぶ。ヤマト運輸が物流パートナーとなることでサプライチェーンの最適化を図りながら、より一層コアビジネスへの経営資源の注力が可能になるのだ。

     こうした戦略をより強固にするべくヤマト運輸は、すでに同様の施設を複数開設しており、さらに2026年度中に、滋賀県、岡山県、福島県にも展開する予定だ。全国約10カ所に同様の拠点を設けることで、高度な物流ソリューションを全国に提供していく。お客さまの荷物を「運ぶ」存在から、顧客の事業戦略や経営課題を共に解決する「戦略的パートナー」として、持続可能な社会の実現と企業のビジネス成長を牽引する構えだ。

    ヤマト運輸 コントラクト・ロジスティクス https://business.kuronekoyamato.co.jp/third_party_logistics/index.html

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