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ドバイチョコブーム──なぜ世界は「ザクザク食感」に夢中になったのか
ビジョナリー編集部 2026/04/12
中東・ドバイ発の新感覚スイーツ「ドバイチョコ」が、今世界中で話題を集めています。伝統菓子クナーファをアレンジしたこのチョコレートは、パリッとした食感と濃厚なピスタチオペースト、そして美しい断面が特徴です。SNSを中心にブームが拡大し、韓国や日本などアジア各国にも急速に広がっています。
なぜここまで注目されるようになったのでしょうか。その背景には、時代の流れや人々の嗜好の変化があります。
ドバイで生まれたスイーツの正体
ドバイチョコの発祥は、アラブ首長国連邦のドバイにある小さなショコラティエで製造された一品でした。「Can't Get Knafeh of It(クナーファの虜になって抜け出せない)」という一風変わった名前を持つバータイプのチョコレートが2021年に登場すると、まずは中東圏でブームが起こりました。ベースとなったのは、同地の伝統菓子「クナーファ」。これは、細い麺状の生地「カダイフ」にチーズを挟み、香ばしく焼き上げ、ピスタチオや甘いシロップをたっぷりかけて食べる、長く愛されてきたデザートです。
その伝統的な構造をヒントに、カダイフのクリスピーな食感とピスタチオの濃厚なペースト、そしてチョコレートという、新しい組み合わせが誕生し、その斬新さが多くの人の関心を引きつけることになりました。
SNSが火をつけた“食感エンタメ”の爆発力
転機となったのは、SNS・特にTikTokやInstagramを中心に拡散された動画でした。ドバイのインフルエンサーが2023年末、自身のアカウントでこのチョコを割って食べる様子を投稿。すると、瞬く間に780万もの「いいね」が集まり、世界中のユーザーが同じような動画を次々にアップする現象へと発展しました。
なぜここまで人々の心を掴んだのでしょうか。まず、カダイフのパリパリザクザクとした音が、聴覚を刺激するASMR動画と相性抜群だったこと。さらに、チョコの断面から現れるピスタチオのグリーンカラーや層の美しさが、視覚的にも新鮮な驚きを与えました。「食感エンタメ」と「映えるビジュアル」、この2つの要素がSNS時代の消費者心理と合致したのです。
世界へ広がった「ドバイチョコ旋風」
SNSで爆発的に拡散されたドバイチョコは、韓国で一大ムーブメントとなります。韓国はもともと新しいスイーツトレンドに敏感な国として知られており、現地ではオリジナルを超える多彩なアレンジ商品が誕生しました。たとえば、ピスタチオの風味をさらに強調したクリーム入り、カダイフの食感を生かしたアイスクリームやパンへの応用など、独自の進化を遂げていきます。
このアレンジが、日本やアジア、さらには欧米諸国へと波及する原動力となりました。日本の若者たちも、韓国のインフルエンサーが紹介する動画をきっかけに虜となり、ついには国内の大手ブランドまでが新商品を展開するまでに至っています。
高級感と希少性
本場のショコラティエが作るドバイチョコレートは、現地の専門店や空港、限られたデリバリーサービスでしか手に入らない特別感があります。この“希少性”が、消費者心理をさらに刺激しています。
また、高級ブランドが手掛けるドバイチョコは、価格もプレミアム感のある設定となっており、「ご褒美スイーツ」としての需要も高まっています。たとえば、スイスのリンツやベルギーのゴディバでは、限定品として数千円台のチョコを発売。発売直後に完売することも珍しくありません。こうした「限定」「高級」「希少」というキーワードが、さらなる話題性を生んでいます。
日本発“新・ドバイチョコ”の可能性
日本の食文化に目を向けると、海外発のお菓子を独自にアレンジし、新たな市場を切り開いてきた歴史があります。既に国内の各ブランドでは、抹茶や黒ごま、あずきといった和の素材を掛け合わせた“ジャパニーズドバイチョコ”の開発が進んでいます。
また、パリパリ食感のアレンジとして、米粉や玄米パフを使うなど、日本人の味覚や食感の好みに寄り添った新商品も続々と登場。今後は、伝統的な和菓子との融合や、地元食材を活かした地域限定バージョンなど、さらなる進化が期待できます。
まとめ
ドバイチョコがここまで人気になっている理由は、実際に食べてみれば納得できるかもしれません。ぜひ一度手に取って、そのザクザク食感とピスタチオの味わいを体験してみてはいかがでしょうか。


