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マンション価格はなぜ高騰?実需・海外マネー・供給制約の真相
ビジョナリー編集部 2026/04/27
都心のマンション価格は、今まさに上昇傾向にあります。
「今はバブル?」「いつか値下がりするのでは?」
そんな疑問や不安を抱える方も多いでしょう。
本記事では、最新のデータや具体例を交えながら、なぜ今これほど価格が上がり人気が衰えないのか、その実態に迫ります。
※ 記事内の情報は2026年4月時点のものです。
東京のマンションの価格
東京都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)で、70㎡の中古マンションの平均売出価格は1億7,000万円台に到達しています。
10年前に新築で5,000万円台だった物件が、いまや1億5,000万円を超えて売買されているケースも珍しくありません。さらに、新築マンションとなると、2億円、3億円の物件も次々と登場しています。
なぜここまで高騰したのか?
実需の強さと人口集中
まず、根本的な要因は“都心への人口流入”です。コロナ禍で一時的に郊外転出の動きが見られましたが、経済回復とともに再び都心回帰が進行。特にダブルインカム世帯や高収入カップル、国内外の富裕層が、利便性や資産性を求めて都心部のマンションに殺到しています。
「今の仕事に通いやすい」「子育て環境が整っている」「資産価値が落ちにくい」
こうした理由で、都心部のファミリー向けマンションは依然として極めて高い需要を維持しています。
海外マネー流入と円安の追い風
さらに、円安が進むなかで海外投資家の購買意欲が一段と強まっています。資産の分散や将来的な値上がりを狙い、ニューヨークやロンドン、香港と比較しても割安と映る東京の不動産がターゲットになっています。東京のマンションはグローバルな投資商品になったといっても過言ではありません。
供給制約と建設コストの上昇
一方で、供給側にも大きな制約があります。都心部の土地は希少で、オフィスビルやホテルとの競争も激化。さらに、建設資材や人件費の高騰が重なり、新築マンションの供給は前月比で28%減少している月もあります。
「欲しい人は多いのに、供給が追いつかない」
その結果として、需給ギャップが価格を押し上げているのです。
マンション高騰から起きるアパートの再評価
東京23区内を中心に、立地が良ければマンションではなくアパートでも良いという考え方が広がりつつあります。
アパートはマンションに比べて、家賃が平均で3割ほど安いこともあり、家賃を抑えながら良い場所に住みたいというニーズが高まっています。
また、近年のアパートは「古い」や「狭い」などの従来のイメージを塗り替え、築浅・デザイン重視・防音性能の高いアパートも増えてきています。マンションに比べて手頃な家賃で、設備面でも満足できる物件の増加は、マンション高騰の裏でアパートの人気も後押ししています。
マンション高騰の裏側で起きていること
近年、富裕層や海外投資家の中には、「価格がさらに上がったらすぐ売りたい」と考え、あえて賃貸に出さず、空室のまま保有するケースが増えています。また、相続対策や税制の影響で高齢者が空き家を手放さずに持ち続ける傾向もあります。
東京都心では、賃貸・売却用を含む空き家が約90万戸存在し、そのうち20万戸以上が“遊休資産”として市場に出ていません。このように、「住みたい人は多い」が「空いている部屋も多い」という、ミスマッチな現象が起きているのです。
手の届く価格の住宅が減少し、特にエッセンシャルワーカーや若年世帯が都心に住めなくなる問題が深刻化しています。
千代田区や神戸市では、
- 投機目的の購入制限
- 空室税(アンダーユースドタックス)の導入
といった新たな政策も検討されています。
さらに、相続税制や中古住宅市場の流動性向上、借家人保護のバランス見直しなど、「遊休資産の市場回帰」に向けた改革も求められつつあります。
「バブル」なのか「新たな常識」なのか
ここまで価格が上がると、「これはバブルなのか?」と不安になる方が多いはずです。 しかし、専門家の間では「現状は1990年代のようなバブルとは性質が異なる」という見方が主流です。
バブル期との違い
80年代末のバブルは、将来的な価値や賃料を無視した“土地神話”による高騰でした。一方、現在のマンション価格は
- 実際の賃料収入
- インフレ率や物価上昇
- 需要と供給のバランス
といった、合理的な要素で裏打ちされています。
たとえば、2012年と比較して、都心のマンション価格は2倍以上に上昇していますが、これは賃料の期待上昇やインフレ率の底上げが主な要因です。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法と呼ばれる合理的な価格評価手法の普及も、価格形成の透明性を高めています。
超高額物件のリスク
1区分で数億円を超える超高額物件については、投機的な側面や価格変動リスクが無視できません。たとえば、4億円の物件が3億円になることも想定されます。しかし、購入層の多くが超富裕層であり、数億円の投資に失敗した場合にすぐに破綻するわけではなく、バブル崩壊時のような“連鎖的な投げ売り”は起こりにくいという特徴があります。
東京の不動産の利回りの高さ
ニューヨークやロンドン、シンガポール、香港など世界の大都市と比べても、たとえば東京の中古マンションの利回りは3.5%以上と高水準をキープしています。「世界的に見れば割安」と考える海外投資家も少なくありません。
「待てば安くなる」は幻想か
「今は高すぎるから、もっと下がるまで待とう」
こんな声もよく耳にします。しかし、ここ10年以上、都心マンション価格はほぼ一本調子で上昇を続けてきました。インフレの進行や実質低金利が続く限り、「買わないリスク」のほうが「買うリスク」を上回る時代に突入しています。
もちろん、短期的には下落する局面もありえます。しかし、
- 人口集中による需要
- 供給制約(特に土地・建設コスト・人手不足)
- インフレや円安による資産効果
これらの要素が重なる限り、「劇的な下落」は起きにくい状況です。
まとめ
- 供給制約やインフレ、円安が続く限り、大きな値崩れは期待しにくい
- 高所得層・海外マネーが価格を押し上げる一方、空き家問題も顕在化
- 「待つ」ことのリスク、正しい知識と戦略が求められる時代
今こそ、「都市の住まい」の本質を問い直すタイミングです。正しい情報と冷静な視点を持てば、これからのマンション市場でもきっと納得のいく選択肢が見つかるはずです。


