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【令和のお盆】なぜキュウリを馬にする?歴史から読み解く「お盆」の本当の意味と現代のトレンド
ビジョナリー編集部 2026/08/04
夏が近づくと、毎年当たり前のようにやってくる「お盆」。
「実家に帰省する時期」「お墓参りに行く日」としておなじみですが、そもそもお盆とは何のためにあるのでしょうか?
実は、お盆の歴史を紐解くと、仏教のドラマチックなストーリーと日本古来の温かい信仰がミックスされた、非常に興味深い背景が見えてきます。さらに、少子高齢化やライフスタイルの変化に伴い、「令和のお盆」の過ごし方も今、大きな転換期を迎えています。
今回は、知っているようで知らないお盆の歴史と、現代の新しい傾向についてご紹介します。
お盆の歴史:仏教の「母を救う物語」と日本の「祖霊信仰」の融合
私たちが「お盆」と呼んでいる行事の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言います。この言葉のルーツと、日本に定着した歴史を見てみましょう。
ルーツはインドの「親孝行の物語」?
お盆の起源は、お釈迦さまの弟子である「目連尊者(もくれんそんじゃ)」の伝説に由来します。
ある時、目連が神通力を使って亡くなった母親の居場所を探すと、母親は生前の罪によって「餓鬼道(がきどう)」という世界に落ち、痩せ細り苦しんでいました。
慌てた目連がお釈迦さまに教えを乞うと、「夏の修業を終えた僧侶たちにたくさんのご馳走を振る舞い、供養しなさい」と言われます。その通りにしたところ、母親は無事に極楽浄土へ救われました。
この「先祖や亡くなった人を心を込めて供養する」という教えが、お盆の行事のベースとなっています。
日本古来の「祖霊信仰」と合体
仏教が日本に伝わるはるか昔から、日本には「お正月と夏に、ご先祖様の霊が家に戻ってきて一緒に過ごす」という独自の祖霊信仰(神道的な考え方)がありました。
これが仏教の「盂蘭盆会」と結びつき、江戸時代頃になると、庶民の間でも先祖を供養する大切な行事として定着していきました。かつては、多忙な丁稚奉公人たちが実家に帰ることができる貴重な休み(藪入り)の時期でもありました。
実は理にかなっている?お盆のユニークな風習の意味
お盆の定番の風習には、それぞれご先祖様を想う温かい願いが込められています。
- 迎え火・送り火(13日・16日頃)
ご先祖様が迷わず家に帰ってこられるように、また無事にあの世へ戻れるようにと目印の火を焚きます。 - 精霊馬(しょうりょうま:キュウリとナス)
キュウリの馬は「少しでも早く家へ帰ってこられるように」、ナスの牛は「景色を楽しみながらゆっくりあの世へ帰ってほしい」という、残された家族の優しいジョークと祈りが込められています。 - お線香や仏花の「香り」
仏教には「香食(こうじき)」という考え方があり、ご先祖様は物質ではなく「良い香り」を食事として召し上がるとされています。お線香や花を供えるのは、おもてなしの意味があるのです。
【令和のトレンド】お盆の過ごし方が変わりつつある?
ライフスタイルや価値観が多様化する中、現代人のお盆に対する意識や行動には大きな変化が起きています。
① 「形式にとらわれず、自由に」が約半数
葬祭業界などの調査によると、今後の盆行事について「もっと自由な形式にしたほうがよい」と考える人が全世代の約半数(50%以上)にのぼっています。
特に若い世代ほど、伝統的なしきたりをそのまま踏襲するのではなく、現代の生活環境に合わせた無理のない形を模索しています。例えば、大掛かりな祭壇や伝統的な飾りの代わりに、コンパクトな「ミニ飾りセット」を選ぶ家庭が増えています。
② 帰省のタイミングを「あえてずらす」人が増加
お盆期間中は交通機関が激しく混雑し、宿泊費も高騰するため、「お盆のピークを避けて帰省・旅行をする」という人が年々増えています。必ずしも8月13日〜16日にこだわるのではなく、「自分が動きやすい、都合の良いタイミングで家族を想う」というスタイルが定着しつつあります。
③ 「近場レジャー」や「避暑」としての過ごし方
猛暑が続く近年の夏休み。遠出を避けて、日帰りで楽しめるショッピングモールや、暑さをしのげる屋内施設、家族で「楽しさ」を体験できる外食(回転寿司や焼き肉など)でリフレッシュするなど、無理をしないお盆の過ごし方が選ばれています。
まとめ:形は変わっても、大切な人を想う気持ちは同じ
インドの説話から始まり、日本独自の文化と混ざり合って形作られた「お盆」。時代に合わせて、ミニマルな飾り付けになったり、帰省の仕方が柔軟になったりと変化はしていますが、「故人やご先祖様を大切に想う」「家族の絆を確かめ合う」という本質の部分は、いつの時代も変わりません。
今年の夏は、カレンダーやしきたりだけに縛られず、自分らしいスタイルで大切な人に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?


