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秋分の日とは?日付が変わる理由と文化や風習に隠された知恵
ビジョナリー編集部 2026/09/18
毎年9月に訪れる「秋分の日」。「お墓参りに行く日」「おはぎを食べる時期」といったイメージはあっても、年によって日付が変わる仕組みや、風習に隠された生活の知恵まではあまり知られていません。
この記事では、この日の意味や祝日として定められた背景、お彼岸の風習やおはぎの意味、この時期に鮮やかに咲く彼岸花の役割まで解説します。
天文学で読み解く「日付が変わる理由」
秋分の日とは、天文学において「太陽が秋分点を通過する日」を指します。「秋分点」とは、「黄道(天球上の太陽の通り道)」と「天の赤道(赤道を天球にまで延長した時に交わってできる大円)」が交わる2つの点のうち、黄道が北から南へ交わる点のことです(南から北に交わるもう片方が”春分点”です)。
この日は太陽が真東から昇って真西に沈むため、昼と夜の長さがほぼ等しくなるのが特徴です。厳しい夏が過ぎ去り、本格的な秋へと季節が移り変わる節目の日でもあります。
実は、秋分の日は特定の日付が定められているわけではありません。地球が太陽の周りを回る公転周期は、正確には365日ではありません。毎年ずれが生じるため、秋分点を通過するタイミングも少しずつ変化します。このズレを解消するために設定されているのが「うるう年」であり、その影響で9月22日か23日で前後する仕組みになっています。
そのため、何日になるかは国立天文台が前年の2月に発行する「官報(暦要項)」によって公式に確定されます。2026年の秋分の日は9月23日(水)に定められています。
祝日としての由来と「秋季皇霊祭」の歴史
法律(国民の祝日に関する法律)によると、「祖先をうやまい、亡くなった人々をしのぶ」日と定義されています。季節の変わり目を祝うだけでなく、先祖への感謝を捧げる大切な日として位置づけられています。
このルーツは、明治時代から行われていた皇室の宮中祭祀「秋季皇霊祭(しゅうきこうれいさい)」にあります。もともとは歴代の天皇や皇族の霊を祀る国の儀式であり、国家的な休日として定められていました。
戦後の1948年に「国民の祝日に関する法律」が施行された際、宗教的な色彩を抑えつつ伝統を継承する形で、現在の「秋分の日」として再出発したという歴史的背景があります。
なお、春にある「春分の日」は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日と定められています。春は芽吹く命と自然の恵みに感謝し、秋は収穫とともに先祖に感謝を伝えるという、対になる美しい意味合いが込められているのです。
なぜこの日にお墓参りをするのか
秋分の日を中心に、前後3日を合わせた7日間を「秋のお彼岸」と呼びます。2026年は9月20日(日)から9月26日(土)までです。
仏教では、私たちが生きる迷いに満ちた現世を「此岸(しがん)」、煩悩を脱した悟りの世界や故人のいるあの世を「彼岸(ひがん)」と呼びます。彼岸は西に、此岸は東にあると考えられており、太陽が真東から昇って真西に沈む日は、あの世とこの世が最も通じやすくなる特別な日とされてきました。
この時期にご先祖様への思いが最も届きやすいと考えられたことから、お墓参りや仏壇の掃除を行い、感謝を伝える風習が定着したのです。
行事食「おはぎ」の由来
秋のお彼岸に欠かせない食べ物といえば「おはぎ」です。お餅を小豆餡で包んだシンプルな和菓子ですが、これをお供えして食べる文化にも理由が存在します。
古くから、小豆の赤い色には魔除けや邪気払いの力があると信じられていました。そのため、貴重な赤小豆とお米を使ったお菓子を先祖に捧げ、一族の無病息災を願う風習が生まれたのです。
秋の風物詩「彼岸花(ヒガンバナ)」に隠された先人の知恵
この時期に鮮やかな赤い花を咲かせるのが「彼岸花(ヒガンバナ)」です。別名「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」とも呼ばれ、サンスクリット語で「天上に咲くめでたい花」という意味を持ちます。葉もない状態で突如として茎が伸び、お彼岸の時期に合わせて開花する神秘的な姿が強い印象を残します。しかし、なぜあぜ道や墓地周辺に集中して咲いているのでしょうか。それには先人たちの生活の知恵が深く関わっています。
球根には「リコリン」という強い毒性が含まれています。かつて土葬が主流だった時代、モグラやネズミなどの害獣が墓地を荒らさないよう、毒のある彼岸花を周囲に植えて遺体を守っていました。また、田んぼのあぜ道に植えることで、ネズミが穴を掘って用水路の水を漏らしてしまうのを防ぐ役割も果たしていたのです。
秋の訪れを知らせてくれるこの花は、お墓や生活の基盤を守るための知恵として日本全国に広まった花なのです。
終わりに
太陽の運行に基づく天文学的な節目だけでなく、先祖を敬い亡き人を偲ぶ伝統的な意味を持つ大切な一日。昼と夜の長さが等しくなり、この世とあの世がもっとも近く通じ合うこの時期に、お墓参りへ出かけたり、おはぎを味わったりしてみてはいかがでしょうか。美しく咲く彼岸花を眺めながら、今ある暮らしとご先祖様への感謝に思いを巡らせてみてください。


