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【2026年最新】なぜ情報漏洩は急増しているのか?最新事例・背景と企業・個人が取るべき対策とは
ビジョナリー編集部 2026/10/09
2026年に入ってから、企業やWebサービスを狙ったサイバー攻撃は激しさを増しており、数百万件から数千万件の規模に及ぶ大規模な個人情報漏洩が立て続けに発覚しています。
本記事では、10月時点で確認されている事例をもとに、急増している構造的な要因、顕在化する懸念点、そして企業と個人が講じるべき具体的な防衛策をわかりやすく解説します。
直近で確認された重大な事例
公表された事例では、普段から利用しているインフラやクラウドサービスも標的となりました。
9月下旬、カーシェアリング大手において、第三者による不正アクセスが判明しました。約660万アカウントの情報が影響を受けた可能性があり、氏名や住所に加え、運転免許証などの本人確認書類画像が含まれている点が社会的にも大きな衝撃を与えています。
画像共有プラットフォームでは、2026年9月に2,000万件を超えるユーザー関連データの流出が確認されました。さらにその後の精査において、過去にユーザーが削除したはずの画像に関するメタデータ(約1.74億件)まで漏洩していたことが公表され、サービス側での「データの完全消去・管理態勢」に対する疑問の声が高まりました。
個別の企業だけでなく、ECや予約管理システムといった「プラットフォーム」が狙われる事例も相次いでいます。EC構築サービスへの攻撃では、利用している多数のネットショップ経由で大規模な顧客情報流出が発生しました。また、宿泊予約ツールへの不正アクセスでは、閲覧された予約者情報を悪用して「予約手続きの確認」を装った不審なフィッシングメッセージが宿泊客に届くといった事例も見られています。
その他にも様々な事例があり、2026年10月7日時点で506件に達しています。これは過去最高だった年の数をすでに超えているレベルです。
急増している背景
セキュリティの意識が高まった現代において、なぜ漏洩が増え続けているのでしょうか。その背景には、デジタル化に伴う構造的変化が存在します。
まず、「攻撃対象領域(アタックサーフェス)の拡大」があります。企業が多くのSaaSや外部APIを活用するようになった結果、自社のセキュリティが強固であっても、委託先や連携ツールの脆弱な部分を突いて侵入されるケースが増えていると考えられます。
また、「生成AIの急速な普及と悪用」が挙げられます。社内において従業員がルールをも守らず生成AIツールに顧客データを入力してしまう「シャドーAI」による漏洩が増加しているほか、攻撃者側もAIを用いてシステムの弱いところを探索している可能性が指摘されています。
「解約者や過去のデータの抱え込み(過剰保持)」も影響しているとみられています。サービスを退会したユーザーの個人情報や、数年前にアップロードされた本人確認画像などを「いつか使うかもしれない」「削除処理の手間がかかる」といった理由で保持し続けた結果、攻撃を受けた際の被害件数が跳ね上がる原因となっています。
深刻な懸念点と二次被害
漏洩事故が一度発生すると、その波紋は企業だけでなく、社会全体へ多大な悪影響を及ぼします。
個人における懸念は、「なりすまし」です。特に運転免許証やマイナンバーカードといった本人確認書類の画像データが流出した場合、知らないうちに消費者金融で口座が開設されたり、携帯電話の契約を結ばれたりする危険性があります。また、旅行の予約履歴や購入履歴などの行動データが流出することで、それに合わせてメッセージが送られることで、クレジットカード情報などを騙し取られる懸念もあります。
企業にとっては、「法的なペナルティと事業継続の危機」が重くのしかかります。個人情報保護法に基づく是正勧告や過料はもちろんのこと、被害者への損害賠償、システム調査費用などで多額のコストが発生します。ブランドのイメージが傷つくことで、解約や取引停止が発生し、事業の存続そのものが危ぶまれる事態も考えられます。
企業と個人が講じるべき防衛策
急増するセキュリティリスクに対抗するためには、具体的なアクションが必要です。
企業(組織)が取り組むべき対策
- データライフサイクルの徹底(データ最小化)
保有する必要のない個人情報や、保存期間を過ぎた解約者のデータ、過去の本人確認書類画像はルールに基づいて速やかに消去します。「持たないこと」が防衛策になります。 - サプライチェーンおよび外部ツールの安全点検
利用しているSaaSや委託先のセキュリティ水準を定期的に監査し、どこにどのようなリスクがあるかを可視化します。 - パスキー・多要素認証(MFA)の義務化とガイドライン策定
IDとパスワードだけによる認証ではなく、生体認証などを利用したパスキーや多要素認証を導入します。併せて、社内での生成AI利用ガイドラインを定め、無断でのデータ入力を禁止します。
個人(ユーザー)が取り組むべき対策
- パスワードの使い回しをやめる
同一のパスワードを複数サービスで使い回していると、1箇所から漏洩した際に他のアカウントへ不正ログインされる「アカウントハッキング」の連鎖を引き起こします。パスワード管理アプリなどを活用し、サービスごとに異なる複雑なパスワードを設定してください。 - 身に覚えのないメッセージ内のリンクを開かない
「カードの決済が失敗した」「予約情報の確認が必要」といった緊急を煽るSMSやメールが届いた場合、本文中のURLを直接タップせず、事前にブックマークした公式サイトや公式アプリからログインして状況を確認する習慣を徹底しましょう。
万が一、情報が漏洩してしまった時の対処法
どれほど強固な対策を講じていても、漏洩リスクをゼロにすることはできません。発覚した場合は、被害を最小限に抑えるための迅速な初動対応が不可欠です。
企業(組織)が取るべき対処
- 事態の把握と被害拡大の防止(一次対応)
不正アクセスや情報漏洩を検知したら、対象システムの隔離やネットワークの切断などを行い、被害の拡大を食い止めます。併せて、「どのデータが・いつ・どの範囲で」漏洩したか事実確認を進めます。 - 個人情報保護委員会および関係機関への報告
個人情報保護法に基づき、漏洩のおそれがある段階であっても速やかに個人情報保護委員会へ速報(概ね3日以内)および確報(概ね30日または60日以内)を行います。併せて警察などへの相談・届出も検討します。 - 被害対象者(ユーザー)への通知と公表
影響を受ける顧客やユーザーに対し、漏洩したデータ項目、原因、今後の対応、問い合わせ窓口等を明確にした上で通知・公表します。二次被害を防ぐための注意喚起も併せて行うことが求められます。 - 原因究明と再発防止策の策定・公表
外部の専門機関も活用して侵入経路や脆弱性を特定し、根本的な再発防止策を講じます。調査結果や今後の対策を透明性をもって公表することが、失われた信頼を回復するための第一歩となります。
個人(ユーザー)が取るべき対処
- 同一・類似パスワードを使っている他サービスのパスワード変更
漏洩が発生したサービスのパスワード変更はもちろんですが、重要なのは「使い回している他のサービス」のパスワードを変更することです。攻撃者は流出したリストを使って他の主要サービスへの不正ログイン(アカウントハッキング)を試みます。 - クレジットカード・金融機関の利用明細の確認と利用停止手続き
クレジットカード情報や口座情報が流出した可能性(または身に覚えのない決済)がある場合は、カード会社や銀行の専用窓口へ連絡し、カードの利用停止・再発行手続きを行ってください。 - 信用情報機関への本人申告
JICCやCICなどの信用情報機関に「本人申告(紛失・盗難・漏洩等の登録)」を行うことで、第三者による不正なローン契約やクレジットカード発行を防ぐ効果があります。 - 警察への相談
不正利用の兆候や被害が確認された場合は、警察の相談専用電話(#9110)や都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口へ相談してください。 - 不審な連絡(フィッシング詐欺)への警戒強化
連絡先(メールアドレス・電話番号・住所)が流出している場合、漏洩した情報を悪用して「漏洩に関するお詫びや確認」を装った詐欺メッセージが届くことがあります。公式発表以外の案内や非公式なリンクは絶対に開かないよう注意しましょう。
終わりに
かつてない規模と頻度で発生している情報漏洩は、その手口も巧妙になっています。企業も個人も、そのリスクを正確に把握して、対策が必要な時代になっています。今すぐできる対策から着手して、大きな被害につながらないように備えていきましょう。


