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信じる心を狙う「国際ロマンス詐欺」──甘い言葉に潜む罠とその見抜き方
ビジョナリー編集部 2026/03/05
マッチングアプリやSNSは、私たちの出会い方の常識を変えました。しかし、その利便性の広がりとともに、相手を“信じる気持ち”を狙う詐欺も急増しています。「国際ロマンス詐欺」と呼ばれる手口は、会ったことのない相手からの“愛”を装われ、気付いたときには大切なお金や心まで奪われてしまう、現代ならではの犯罪です。
なぜ「国際ロマンス詐欺」が増えているのか
出会いの場がオンラインに広がったことで、距離に関係なく、国を超えて人と人がつながる時代になりました。SNSやマッチングアプリで知り合い、メッセージを重ねるうちに、「もしかしたら、この人が運命の相手かもしれない」と思うこともあるかもしれません。しかし、そのような“恋愛感情”や“親密さ”が生まれることを狙い、巧みにお金を騙し取ろうとする詐欺が潜んでいるのです。
従来の結婚詐欺は、実際に会って相手を騙す必要がありました。ところが今は、写真や文章、さらにはAIや翻訳アプリまで駆使して、まったく別人になりすますことが可能です。複数人で同じ一人の人物を演じ、どんな時間帯でも返信できる“体制”が作られていることも珍しくありません。
“信じたい”気持ちにつけ込む手法
「最初から信用したわけじゃないのに、気付いたときには相手を信じていた」
こうした声は、被害に遭った方からよく聞かれます。ロマンス詐欺の本質は、相手の“好意”や“信頼”を時間をかけて育て、その感情を利用する点にあります。
「おはよう」「今何してる?」といった何気ないメッセージや、こちらの悩みや愚痴を真剣に聞いてくれるやり取りが日々続くと、「この人は本当に私を大切に思ってくれている」と思い始めてしまいます。そうなると「なかなか会えない」ということでさえ、逆に相手への気持ちを強めていくのです。
また、詐欺師は“特別感”を強調する言葉を惜しみなく使います。「あなたは唯一無二の存在」「君がいなければ生きていけない」といった言葉は、警戒心を解き、疑うことへの罪悪感さえ芽生えさせます。さらに、SNSやプロフィールに書かれた趣味や家族構成に合わせて話題を作ることで、「価値観が似ている」「運命を感じる」という錯覚を生み出します。
どんな手口が多いのか
詐欺の手口は、時代とともに巧妙さを増しています。たとえば、「医師」や「国連職員」など、社会的な信用が高い職業を名乗り、信頼を得ようとする事例が目立ちます。紛争地に派遣されているという設定だった事例もあり、その場合「今は会えないけれど、必ず会いに行く。そのために渡航費が必要」といった“もっともらしい理由”が用意されます。
また、「結婚を前提にした資金が必要」「家族が重い病気で治療費がいる」「日本に行くための航空券代を立て替えてほしい」「仕事の契約を解除するために違約金が必要」など、さまざまな“切実な事情”を持ち出されることもあります。
このように、被害者の善意や同情心につけこむ手口が主流となっていますが、特に注意したいのは“投資詐欺”との組み合わせです。「二人の将来のために資産を増やそう」「特別な投資案件がある」と誘い、暗号資産や仮想通貨の購入を促したり、架空の投資サイトに誘導したりする事例も増えています。最初は「利益が出た」と見せかけ、さらに手数料や保証金を理由に追加の送金を要求されるケースが多いのが特徴です。
写真やプロフィールの「違和感」を見抜くには
プロフィール写真が芸能人のように整いすぎている、あるいは高級車やホテルを背景にしたものばかり──そんな相手からメッセージが来たら、一度立ち止まるべきです。詐欺師は、ネット上から盗用した写真やAIで生成した画像を使い、理想的な人物像を作り上げています。
メッセージの日本語がどこか不自然だったり、過剰な敬語や詩的な愛情表現が頻繁に使われていたりする場合も要注意です。ビデオ通話を要求しても「カメラが壊れている」「規則で使えない」などと断られる場合は、なりすましの可能性が極めて高いと考えられます。
また、SNSの投稿履歴が極端に短かったり、フォロワーが外国人ばかりで生活感のある写真や友人との交流が見られない場合は、詐欺用に作られた偽アカウントである可能性が大きいと言えるでしょう。
「お金」の話が出たら、そこでストップ──見分けるためのシンプルな基準
「少しだけ貸してほしい」「立て替えてほしい」「一緒に投資しよう」──どんなに自然な流れでも、やり取りの中にお金の話が出たら、そこで必ず立ち止まってください。金額の多寡や、「すぐ返すから」という約束に惑わされてはいけません。一度でも送金してしまうと、「自分の判断が間違いだった」と認めたくない心理や、相手への情が働いて、なかなか関係を断つことができなくなります。
また、詐欺師は「誰にも相談しないで」「2人だけの秘密」といった言葉で、被害者を孤立させようとします。これは、冷静な第三者の指摘を避けるための典型的な手口です。「もしかしておかしい?」と思ったら、迷わず家族や友人、あるいは警察や消費生活センターに相談することが、被害拡大を防ぐ第一歩となります。
被害に遭いやすい人の特徴と、騙される心理のワナ
詐欺師がターゲットにするのは、寂しさや孤独感を抱えている人、あるいは真面目で優しい性格の人が多いと言われています。さらに、外見が良いと中身も良いと思い込む「ハロー効果」、これまで費やした時間や感情を無駄にしたくないという「サンクコスト効果」、自分だけは大丈夫だと過信してしまう「正常性バイアス」──こうした心理が複合的に働きます。
恋愛感情が動くと、どうしても冷静な判断が鈍りがちです。詐欺師はその心理の変化に非常に敏感で、“信じたい気持ち”を巧みに利用してきます。「この人は違う」「自分だけは特別だ」と思ったときこそ、一度立ち止まって冷静に状況を見直すことが大切です。
もし被害に遭ったら──泣き寝入りしないために、すぐできること
騙されたと気づいたとき、ショックや恥ずかしさで誰にも相談できないと感じるかもしれません。しかし、被害に遭ったことは決して“失敗”や“恥”ではありません。大切なのは、冷静に事実を整理し、早めに行動することです。
送金してしまった場合は、振込記録やメッセージのやり取り、送られてきた写真など、あらゆる証拠を保存してください。そして、すぐに警察や消費生活センター、弁護士に相談しましょう。海外からの詐欺の場合でも、現地の日本大使館や領事館が相談に乗ってくれる体制が整っています。早期の対応が、被害回復の可能性を高めます。
まとめ
国際ロマンス詐欺は、信じたいという感情そのものを標的にする犯罪です。「お金」の話が出たら立ち止まる──その単純なルールが、被害を防ぐ境界線になります。
もし違和感を覚えたら、迷わず誰かに相談してください。冷静な視点こそが、あなた自身と大切な資産を守る力になります。


