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2025

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    2025年インフルエンザ最新動向:「サブクレードK」変異株の脅威と対策

    2025年インフルエンザ最新動向:「サブクレードK」変異株の脅威と対策

    ここ数年、コロナ禍の影響もあって感染症への関心が高まる中、2025年のインフルエンザは例年と異なる動きを見せています。

    この記事では、インフルエンザの症状、そして有効な対策まで、最新情報を交えて解説いたします。

    2025年のインフルエンザ流行

    冬になると「今年もインフルエンザが流行り始めた」とニュースで耳にするのが通例ですが、2025年はその始まりが早く、多くの医療機関が例年より1カ月前倒しで患者の急増を報告しています。

    厚生労働省の発表によれば、11月中旬時点で全国の患者報告数は14万人を超え、2024年同時期の約9,000人と比べて約15倍の勢いです。

    その原因は、インフルエンザA型H3N2の新たな変異株「サブクレードK」です。従来株と比べて、免疫を持つ人が少なく、感染しやすいという特徴があります。

    専門家によるウイルス解析では、今シーズンのA型検体のほとんどが「サブクレードK」に該当し、特に若年層や子どもたちを中心に急速に感染拡大しています。

    英国の公的機関による調査でも、18歳未満の95%、18~64歳の成人の84%、65歳以上の高齢者でも65%が「サブクレードK」による感染と報告されており、その広がりの速さが際立っています。

    この変異株の特徴は、ウイルス表面のタンパク質(ヘマグルチニン)に新たな“糖鎖の盾”(免疫から逃れやすくなる構造)をまとい、過去に感染やワクチンで獲得した免疫から身を隠しやすくなっていることです。そのため、私たちの体内の抗体がウイルスを見つけにくくなり、感染力が強まっています。

    症状の特徴

    インフルエンザといえば「突然の高熱と強い関節痛」というイメージが強いかもしれません。ところが、2025年の「サブクレードK」流行では、症状にも変化が見られます。

    実際に医療機関で診断されたケースの統計によると、38度以上の発熱(85%超)に加え、鼻水(80%)、咳(77%)、喉の痛み(60%)、頭痛(57%)が主な症状として報告されています。

    子どもでは腹痛や下痢、嘔吐など消化器症状が現れやすく、乳幼児の場合、体調が急変することもありますので、いつも以上に注意深い観察が欠かせません。

    潜伏期間と感染経路

    インフルエンザウイルスの潜伏期間は通常1~4日、平均すると約2日と考えられています。この期間は症状が全くなく、感染に気づかないまま周囲にウイルスを広げてしまう危険性があります。

    特に「隠れインフル」と呼ばれる、症状が軽かったり自覚が乏しいまま感染を広げてしまうケースも多発しており、知らず知らずのうちに家庭や職場、学校で感染の連鎖を生む要因となります。

    感染経路としては、飛沫感染(咳やくしゃみ)、接触感染(ウイルスが付着した手や物を介して)、エアロゾル感染(微細な粒子による空気感染)などがあり、特に密閉空間や人が多い場所でのリスクが高くなります。

    インフルエンザにかかりやすい人の特徴

    最新の疫学調査から、インフルエンザにかかりやすい人のパターンが明らかになりました。

    それは「花粉症などのアレルギー性鼻炎」「栄養不良」「多忙や睡眠不足」「血糖値が高め」「過去に肺炎を経験したことがある」といった特徴が挙げられます。

    特に「多忙・睡眠不足」「血糖値が高い」「肺炎歴」がすべて当てはまる場合、インフルエンザ罹患リスクは約3.6倍に跳ね上がるという調査結果も発表されています。 血糖値が高いと免疫細胞の働きが低下しやすく、睡眠不足は免疫力を下げると言われています。

    ご自身やご家族に該当する点がないか、ぜひこの機会に生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

    意外な感染リスク

    「うがいや手洗いはしっかりしているのに、なぜか毎年かかってしまう」

    そんな方に知ってほしいのが、「口腔ケア」とインフルエンザ感染リスクの関係です。

    日本大学歯学部の研究によれば、歯周病菌はインフルエンザウイルスの感染力を飛躍的に高めてしまうことが分かっています。

    歯周病菌が出す酵素が細胞表面に作用し、ウイルスの侵入を手助けするだけでなく、ウイルスを体内奥深くまで運びやすくします。その結果、「インフルエンザに感染しやすくなる」「重症化しやすい」というリスクを抱えることになります。

    実際に高齢者施設で専門家による口腔ケアを実施したところ、インフルエンザの発症率が10分の1に減少したというデータも報告されています。

    普段の歯磨きだけでなく、フロスや舌ブラシによるクリーニング、定期的な歯科医院でのケアが、インフルエンザ予防の“新常識”と言えるでしょう。

    ワクチンの現状と新たな展開

    「ワクチンは今年の変異株に効くの?」と不安に感じている方も多いかもしれません。

    確かに「サブクレードK」は現行ワクチンと少し“型ずれ”が生じており、特に成人では感染予防効果がやや低下する傾向が指摘されています。一方で、重症化予防効果に関しては、従来通り十分な効果が確認されています。

    特に2歳~17歳の子どもに対しては、ワクチン接種による発症予防効果が70%以上と非常に高い数値が報告されています。大人でも重症化や入院のリスクを下げるため、ワクチン接種は依然として強く推奨されています。

    2026年からは、75歳以上の高齢者を対象に有効成分が従来の4倍となる「高用量インフルエンザワクチン」の定期接種が始まる予定です。臨床試験では、75歳以上で発症予防効果が約25%向上するという結果も出ており、高齢者の命を守る新たな切り札として期待されています。

    うがい・マスク・のどケアの新常識

    「帰宅したらすぐガラガラうがい」「外出中はマスクをつけっぱなし」

    こうした習慣も、少し工夫するだけで予防効果がぐっと高まります。

    予防3つのポイント

    ①うがいの方法
    「帰宅後すぐのガラガラうがい」は、実は逆効果になることもあります。口の中に付着したウイルスを、ガラガラうがいで奥に押し込んでしまうリスクがあるため、まずは口の中を“ブクブクうがい”で洗い流し、その後にガラガラうがいを2~3回繰り返すのが効果的です。また、緑茶に含まれるカテキンはウイルス増殖の抑制が期待できるため、うがいに活用するのも良いでしょう。

    ②マスクの付け方
    マスクについても「一日中つけっぱなし」では内部に湿気がこもり、かえって感染リスクが高まります。人の多い場所では着用し、人がいない場所では外す、長時間着用時は1日1回は交換するのが理想的です。

    ③のどの潤い
    さらに、のど飴の過剰摂取は脱水や粘膜の弱化につながることもあるため、こまめな水分補給でのどの潤いを保ちましょう。

    万一のときの“危険サイン”

    インフルエンザは適切な対処をすれば多くの場合1週間ほどで回復しますが、重症化すると命に関わることもあります。

    特に注意が必要なのは、呼吸が苦しい、顔色が悪い、意識がもうろうとする、けいれんが止まらない、水分が取れないほどぐったりしている、嘔吐が続いているといった症状が現れた場合です。

    こうした“危険サイン”が見られたときは、夜間や休日でも迷わず救急受診をしてください。高齢者や子ども、基礎疾患を持つ方は特に重症化しやすいため、周囲の方も含めて早めの対応が重要です。

    家庭・職場・学校で感染を広げないために

    インフルエンザが疑われた場合は、発症後しばらくは外出を控え、学校や職場への連絡も早めに行ってください。

    解熱後も2日間は自宅療養が推奨されています。

    家庭内では療養用の部屋を分ける、タオルの共用を避ける、こまめな換気や手洗い・マスク着用を徹底しましょう。

    大切なのは「自分だけでなく周囲の人を守る」意識です。

    まとめ

    2025年シーズンのインフルエンザは、新たな変異株「サブクレードK」も出現し、流行時期や症状、感染力、そして予防法まで、従来とは違った特徴が目立っています。

    ぜひ今日から正しい予防と生活習慣の見直しを実践してみてください。

    正しい知識と早めの対策が、2025年のインフルエンザから身を守り、ご家族や大切な人の健康を守る最大の力になります。

    #インフルエンザ#インフルエンザ対策#感染症対策#健康管理#予防#ワクチン#変異株#サブクレードK#感染拡大#口腔ケア#歯周病と感染症#手洗い#うがい#マスク着用

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