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2025

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    倍率2,000倍超!宇宙飛行士になるには?試験・資質・仕事のすべて

    倍率2,000倍超!宇宙飛行士になるには?試験・資質・仕事のすべて

    「宇宙飛行士になってみたい」と思ったことはありませんか?

    青い地球を見下ろし、無重力空間を舞う。そんな非日常の世界は、子どもも大人も心を揺さぶる憧れの的です。しかし現実には、宇宙飛行士になるには狭き門を突破する必要があり、直近の選抜試験では倍率2,000倍以上という難関ぶりが話題を呼びました。

    今回は、宇宙飛行士への道のりや選抜試験、求められる資質、そして宇宙飛行士の仕事とやりがいまで解説します。

    ※ 記事内の情報は2025年12月時点のものです。

    宇宙飛行士になるための入口

    宇宙飛行士選抜試験の現実

    宇宙飛行士になるための第一歩は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が不定期で実施する「宇宙飛行士候補者選抜試験」の突破です。試験は毎年あるわけではなく、10年以上の空白期間も珍しくありません。最後に行われた2021年の募集は、13年ぶりの開催となり、応募者は4,000人を超えました。

    合格者はたった2名。選抜倍率は2,000倍以上であり、とてつもない難関であるというのが実態です。

    必要な応募条件

    2021年のJAXAの宇宙飛行士選抜では、応募条件が大きく緩和されました。

    2021年選抜の主な応募条件

    • 日本国籍を持つこと
    • 3年以上の実務経験(分野不問。修士号取得者は1年、博士号取得者は3年分としてカウント)
    • 身長149.5cm~190.5cm、矯正視力1.0以上、色覚・聴力の正常
    • 年齢制限なし、学歴不問
       

    「水泳ができること」や「普通自動車免許」など過去にあった条件も、訓練中に取得すれば良いという形に変更されました。より多様な人材を集めるための門戸開放が進んでいるのは、まさに時代の変化を象徴しています。

    どんな試験が待ち受けているのか?

    書類選考から始まる「長い選抜の道」

    選抜試験は、書類審査から始まり、段階的にふるいにかけられます。

    主な選抜フロー

    1. 書類選抜(健康診断データ・履歴書・志望動機など)
    2. 第0次選抜(英語・一般教養・STEM分野・小論文・適性検査)
    3. 第一次選抜(医学検査・プレゼン・資質特性・運用技能試験)
    4. 第二次選抜(医学・面接・英語・資質検査)
    5. 第三次選抜(長期適応能力検査・総合面接など)
       

    この間、1年以上かかることも珍しくありません。とくに後半は、海外でのグループワークや極限環境下での行動観察など、宇宙飛行士ならではの過酷なテストが続きます。

    宇宙飛行士に求められる「資質」とは

    JAXAが掲げているのは、知識やスキルだけでなく「人間力」です。宇宙は多国籍メンバーとの共同作業も多く、次のような資質が求められます。

    • 国際的なチームで協調し、リーダーシップを発揮できること
    • 予測不能な環境で、柔軟かつ冷静な判断ができること
    • 極限状態でも自律し、精神的なタフさを持つこと
    • 得た経験を社会や次世代に発信できる表現力
       

    これらは、ビジネスの現場や社会生活でも活きる力です。実際、前職が医師、エンジニア、研究者、国際開発専門家など多種多様であるというのも、近年の宇宙飛行士の特徴です。

    合格しても、すぐ宇宙に行けるわけではない

    候補者から「宇宙飛行士」までの道のり

    選抜試験に合格しても、まずは「宇宙飛行士候補者」となり、約2年間の基礎訓練が待っています。

    基礎訓練の内容(一例)

    • 航空宇宙工学、宇宙開発史、ISSのシステムなどの座学
    • ロボットアーム操作や宇宙服着用などの実習
    • サバイバル訓練、健康管理、体力トレーニング
    • 英語・ロシア語などの語学訓練(全体の1/4近くを占める)
       

    この訓練を修了し、正式な宇宙飛行士として認定されてはじめて、任務への待機に入ります。

    宇宙へのフライトは数年待つことも

    宇宙飛行士として認定された後も、実際に宇宙へ行くまで数年から10年以上待機することもあります。たとえば、山崎直子さんの場合は、候補者に選ばれてから宇宙へ行くまでに11年かかりました。

    任務決定から宇宙へ

    • 任務が決まると、さらに1~2年かけて専門訓練(アサインド訓練)
    • 具体的なミッション(ISS滞在、実験、船外活動など)に向けた準備
       

    「宇宙飛行士になっても、宇宙に行ける保証はない」

    これが現実ですが、あきらめずに準備を重ねる姿勢がプロフェッショナルの証です。

    宇宙飛行士の仕事

    宇宙滞在中の主な仕事

    宇宙飛行士が宇宙で行う仕事は多岐にわたります。

    • 国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在(最長6カ月程度)
    • 微小重力環境を活用した医学・生物・物理実験
    • 日本実験棟「きぼう」の運用・保守
    • ロボットアーム操作、船外活動(EVA)
    • 将来的には月面着陸や活動も視野
       

    ISS滞在中は、1日に複数の実験や装置操作が組み込まれ、地上とのコミュニケーションも重要な業務です。

    地上での業務

    宇宙飛行士の仕事は宇宙だけにとどまりません。地上にいる期間のほうが圧倒的に長く、以下のような業務が中心となります。

    • 次の任務に向けたトレーニング
    • 実験装置や運用計画の立案・技術業務
    • 講演や広報活動(アウトリーチ業務)
    • 宇宙開発プロジェクトへの参加
       

    “宇宙飛行士=華やかなヒーロー”というイメージだけでなく、地道な準備や伝える活動も社会的な使命の一つです。

    宇宙飛行士のやりがいとは

    青い地球を見下ろす“唯一無二”の体験

    宇宙飛行士として宇宙に行くことは、世界中でも限られた人だけが得られる特権です。地上400kmの高さから見る地球や、無重力での日常は、一生忘れられない感動を与えてくれます。

    人類の未来に「貢献できる」誇り

    最先端の科学実験・技術開発に関わり、人類の発展に直接寄与できることは、宇宙飛行士ならではのやりがいです。また、自分の経験を社会や次世代に還元することで、宇宙開発の意義を広げていく――この使命感も、多くの宇宙飛行士が語る“やりがい”の一つです。

    宇宙飛行士になるために「今できること」

    専門知識+コミュニケーション力が武器になる

    現在、応募条件は大幅に緩和されていますが、実際の選抜では理系の専門知識や実務経験、語学力、国際経験が大きな強みになります。

    • 理系大学・大学院への進学や、企業・研究機関での実務経験
    • 英語力+多国籍チームでの活動経験
    • 医師、エンジニア、パイロット、研究者など、特定分野のプロフェッショナルも歓迎

    「精神的なタフさ」を養う

    宇宙飛行士は、ストレスフルな環境下でも冷静さと協調性を失わず、粘り強く課題に取り組むことが求められます。日常の中で、困難な状況での判断力やリーダーシップを意識的に鍛えていくことが大切です。

    まとめ

    宇宙飛行士になる道は、確かに険しく、選ばれるのはごく一握りです。しかし、応募条件の緩和や多様な人材の受け入れが進む今、かつてよりも多くの人にチャンスが開かれています。

    • 倍率2,000倍以上の超難関だが、挑戦する価値は計り知れない
    • 専門知識や経験、語学力だけでなく、「協調性」「リーダーシップ」「発信力」が重視される
    • 宇宙での業務だけでなく、地上でのトレーニングや啓発活動も重要なミッション
    • 挑戦を通じて、社会や次世代に貢献できる
       

    宇宙開発の現場は、今や多国籍・多文化、多様な専門性の融合が不可欠です。「理系のエリート」だけでなく、社会人経験や異分野の知見を持つ人材も必要とされています。

    たとえば、2021年に候補者となった米田あゆさんは外科医、諏訪理さんは国際開発の専門家というバックグラウンドです。

    “宇宙への憧れ”を「現実の挑戦」へ。宇宙に挑戦する入り口は、着実に広がっています。さあ、次にその扉を開くのは、あなたかもしれません。

    #宇宙飛行士#宇宙開発#宇宙#JAXA#スペース#ISS#国際宇宙ステーション#宇宙の仕事

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