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2026

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    眠れる「間引きすだち」を看板メニューに。サッポロ×塚田農場が挑む産地支援の形

    眠れる「間引きすだち」を看板メニューに。サッポロ×塚田農場が挑む産地支援の形

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    「捨てられるすだち」を宝に変える。サッポロビールが飲食店と仕掛ける、徳島産食材のブランディング戦略

    廃棄される「間引きすだち」に光を当てる

     サッポロビールは、長年培ってきた飲食店との連携ノウハウを地域活性化に役立てるべく、2019年から「食を通じた地域産業支援」という形で地域創生活動に取り組んでいる。

    その一環として今回、同社は徳島県が公募した首都圏でのプロモーション事業を受託。居酒屋チェーンなどを展開するエー・ピーホールディングスと協働し、徳島県産で本来は間引きされ捨てられてしまう「すだち」を活用したドリンクメニューを、期間限定で展開したという。

     この取り組みは「四十八漁場」や「塚田農場」の一部店舗で実施された。また、きのこの火鍋で知られる「裏の山の木の子」では、店内でカットした新鮮なすだちを「タレ場(薬味コーナー)」に追加。来店客が自由に味の変化を楽しめる仕掛けを作った。 記事内画像

    生産現場の危機。全国シェア95%の裏にある「高齢化」

     徳島県は、すだちの全国生産量の約95%を占める一大産地だ。しかし、その舞台裏では深刻な課題が浮き彫りになっている。 記事内画像  農家の平均年齢は73歳に達しており、市場全体が高齢化の波にさらされているという。次世代の担い手を確保し、産業を持続可能なものにするためには、徳島県産すだちの魅力を再発信し、認知度を向上させることが急務となっているのだ。

     一方、パートナーとなったエー・ピーホールディングスは「食のあるべき姿を追求する」というミッションを掲げ、食品の生産(一次産業)から流通(二次産業)、販売(三次産業)までを一貫して手がける独自の『生販直結』という六次産業化ビジネスモデルを展開している。 記事内画像  同社とサッポロビールが強力なタッグを組むことで、今回の「捨てられてしまう食材」に新たな価値を与えるプロモーションが実現した。

    飲料メーカーが「地域創生」に動く理由

     サッポロビールは、酒類を生業とする中で蓄積されたリソースを地域の持続的な発展に貢献させたいと考えている。それは、事業を支えてくれている全国各地への「恩返し」という意味合いも強いようだ。

     同社の地域創生事業は、単なるボランティアではなく、自治体から事業を受託し、食材のブランディングや販路開拓をサポートするビジネスモデルだ。背景には、外食企業への食材調達を支援する中で直面した「廃業していく生産者の現状」がある。

     2019年からは、自治体が公募するイベントの実施やメニュー開発の支援を開始。生産者と飲食店を直接結びつけることで、地域食材の継続的な取引と売上向上に貢献し、日本の食産業の未来を支えようとしている。 記事内画像

    協働パートナーについて

    エー・ピーホールディングス
     「食のあるべき姿を追求する」を使命に、塚田農場などの居酒屋業態のほか、四十八漁場、芝浦食肉、寿司、焼鳥、火鍋、しゃぶしゃぶといった専門業態など40ブランド以上の多様な飲食店を国内外で運営。

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