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金利1%の違いで300万円変わる!2025年の住宅ローン「失敗しない選び方」完全ガイド
ビジョナリー編集部 2025/12/09
「金利が1%違うだけで返済総額が300万円も変わる」──こんな話を聞いたことがあるでしょうか?
実は2025年の今、住宅ローンの世界では“その1%”が現実味を帯びています。
日銀の利上げ、長期金利の上昇、物価高……
これまで15年以上続いた「超低金利の常識」がゆっくりと終わろうとしているのです。
その結果、
「変動金利を選んで本当に大丈夫?」
「固定に借り換えるべき?」
と悩む人が急増しています。
この記事では、金利の種類や返済額が増える理由、借り換えを考えるときの目安、そして2025年以降の金利の流れについて、ポイントをしぼって分かりやすくまとめています。
住宅ローンの「金利」とは
住宅ローンとは、マイホームを手に入れるために、金融機関から長期間にわたって多額のお金を借りる仕組みです。借りる金額は、首都圏のマンション購入者の場合、今や平均で5,000万円超。これは多くのご家庭にとって、人生で最も大きな借入です。
この借入に対して支払う「金利」は、わずかに上がるだけで返済総額は何百万円も変わることがあります。
たとえば、3,000万円を35年かけて返済する場合、年0.5%の違いが、総返済額にして200万円以上の差になることもあります。
金利の種類
住宅ローンの金利には大きく分けて「変動金利」と「固定金利」があります。
さらに固定金利には「全期間固定型」と「一定期間固定型」といったバリエーションも存在します。
変動金利型
変動金利型は、借入後も金利が一定期間ごと(多くは半年ごと)に見直される仕組みです。日本の場合、基準となるのは「短期プライムレート」。これは日銀の政策金利に連動しやすく、経済情勢に応じて変動します。
ここ十数年は日銀の超低金利政策によって、変動金利は年0.4%〜0.6%という低水準が続いてきました。そのため、新規住宅ローン利用者の約8割が変動金利を選択しています。
しかし2024年3月、日銀が17年ぶりの利上げを実施。さらに7月には追加利上げも行われ、今後も金利上昇の可能性は高まっています。
「今は低いから安心」と思っていると、将来の返済額が大きく膨らむリスクも潜んでいるのです。
固定金利型
一方で、固定金利型は、借入時に決まった金利が変わりません。代表的なのが「フラット35」などの全期間固定型で、返済計画を立てやすいのが大きな魅力です。
固定金利の水準は、主に「長期金利(10年物国債の利回り)」の影響を受けます。2023年以降、長期金利もじわじわ上昇しており、2025年時点でフラット35の金利は1.9%前後。固定金利の方が変動金利より高めに設定されているのは、将来の金利上昇リスクを金融機関側が負担しているためです。
一定期間固定型(固定期間選択型)
また、一定期間(例:10年)だけ金利を固定し、その後は変動金利に切り替わるタイプもあります。固定期間中は返済額が確定する安心感があるものの、期間終了後に金利が大きく上昇すると、返済負担が急増するリスクもあります。
金利の決まり方
住宅ローンの金利は、金融機関が「店頭金利(基準金利)」という“定価”をまず設定し、そこから「優遇幅(割引)」を差し引いて、実際の「適用金利」が決まります。この優遇幅は、借りる人の年収や勤務先、物件の条件などの審査結果で決まります。
たとえば、店頭金利が2.5%に設定されていた場合、優遇幅が2.1%ならば、実際の適用金利は0.4%となります。
金融機関間の競争が激化したことで、この優遇幅が拡大し、実際の金利が低くなっているのです。ただし、優遇幅は借入時に決まった後は基本的に変わらず、店頭金利が動くたびに適用金利も上昇・下降します。
つまり、政策金利が上がると、銀行同士の短期の貸し借りコストが上がり、企業向けの短期貸出金利(短期プライムレート)も上がる仕組みです。それに連動して変動金利型の住宅ローン金利も上昇していきます。
金利上昇のリスク
変動金利型には「5年ルール」「125%ルール」といった仕組みが多くの銀行で導入されています。
5年ルールは、金利が上昇しても月々返済額の見直しが5年ごとで済むというもの。125%ルールは、5年後の見直し時でも返済額の増加は元の125%までに抑えられる制度です。
しかし、注意すべきは“総返済額”です。
金利が上がっても毎月の返済額が据え置かれると、その分利息の割合が増え、元金がなかなか減りません。結果として、返済が進んでもローン残高が思った以上に減らず、最終的な支払利息が膨らむ──そんなリスクも潜んでいます。
また、ネット銀行の中にはこういったルールが適用されない商品もあるため、契約前には必ず確認が必要です。
固定金利への「借り換え」は有効か
たとえば、残高3,000万円、変動金利0.6%、残り25年で返済中の場合、全期間固定金利1.95%に借り換えると、毎月の返済額は約19,000円増加します。
固定金利の方が返済額が高くなりそうですが、例えば変動金利が今後金利が1%ずつ上昇していった場合、11年目には変動金利側の返済額が逆転し、その後は固定金利より負担が大きくなる可能性があります。
ただし、借り換えには30万円から借入額の3%程度の諸費用がかかるため、トータルで本当に得かどうかは個別シミュレーションが不可欠です。
返済期間が10年以上残っている場合や、家計に余裕がない場合は、長期的なリスクヘッジとして固定金利型を検討する価値が高まっています。残期間が20年以上なら検討価値大と言えるでしょう。
選択のポイント
- 変動金利型は、家計に余裕があり、万一返済額が増えても耐えられる人、または返済期間が比較的短い人に向いています。
- 固定金利型は、将来の返済額を確実にしたい方、教育費や老後資金など他の資金需要が見込まれる方、もしくは返済期間が長い方に適しています。
また、返済能力には無理のない範囲で計画することが大切です。
金融機関の審査で借りられる金額と、自分が「借りて良い」金額は必ずしも同じではありません。年収の7倍まで借りられる場合でも、家計の安全を考えれば5倍以内に抑えるのが一般的な目安です。
金利以外の住宅ローン選び
住宅ローン選びでは金利が重要に思えますが、実は他にも家計を守る仕組みがあります。
まず「団体信用生命保険(団信)」は、万一ローン契約者が亡くなった場合や高度障害を負ったときに残債がゼロになる保険です。加入が義務付けられるケースが多く、保障内容も「がん」「3大疾病」「8大疾病」など手厚いものが増えています。
団信の内容によっては金利に0.1~0.3%程度の上乗せがあるため、金利だけでなく保障内容も総合的に比較することが重要です。
夫婦でペアローンを組んだ場合、住宅ローン控除や税制面のメリットが大きくなりますが、将来のライフイベント(出産、離婚、死亡リスクなど)も考え、借入額や契約内容の検討が必要です。
まとめ
ここまで読んでくださった方は、住宅ローンの金利が単なる数字の比較ではなく、将来の生活や家計の安定に直結する「人生最大の選択肢」であることに気付かれたのではないでしょうか。
これから住宅ローンを検討される方、あるいはすでに返済中で借り換えを迷っている方は、「金利の動きとリスク」を正しく理解し、自分や家族の未来に合った選択をしていただきたいと思います。
金融政策や経済情勢は常に変化します。新しい情報をキャッチし、必要なら金利タイプの見直しや繰り上げ返済など柔軟な対応を心がけてみてください。
※ この記事の情報は2025年12月時点のものです。


