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2026

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    四国のツキノワグマが絶滅寸前――消える理由と私たちにできること

    四国のツキノワグマが絶滅寸前――消える理由と私たちにできること

     ニュースで「クマの出没」や「人身被害」という言葉を耳にすると、「怖い」「増えすぎている」という印象を持たれるかもしれません。しかし、四国のツキノワグマは、今やわずか20頭程度しかおらず、絶滅に近い野生動物になっています。

    四国で「絶滅寸前」のツキノワグマ

     四国に生息しているクマは、2024年の調査でもわずか16〜24頭前後にとどまっています。生息地も、徳島県と高知県の県境、剣山山系とその周辺に限定されており、昔のように愛媛や香川の山地では姿を見かけることはありません。標高900〜1500メートルのブナやミズナラが生い茂る広葉樹林を好み、スギやヒノキが多い人工林には近づきません。

     本州では人里への出没が社会問題となり、捕獲や駆除が議論されています。一方、四国では1980年代後半から捕獲が全面的に禁止されており、人里に現れるケースも極めて稀です。

    なぜ、絶滅寸前まで減ってしまったのか

     かつて四国では毛皮や熊胆(ゆうたん)を目的とした狩猟が盛んに行われてきました。明治から昭和初期にかけては、森林開発の妨げになる害獣とみなされ、大規模な駆除も進められました。さらに、戦後の拡大造林政策によって、主食であるドングリを実らせるブナやミズナラなどの落葉広葉樹林が次々に伐採され、多くの山がスギやヒノキの人工林に置き換わりました。これにより、エサの確保が難しくなり、生息地が著しく狭まってしまったのです。

     加えて、道路の開発や山間部の宅地造成が進み、元々分布が点在していたクマの集団は細かく分断されてしまいました。これにより、オスとメスが出会って繁殖する機会が減り、個体数の回復が難しくなっています。

    クマが担う大切な役割

     実はクマは森でたくさんの役割を担っています。例えば、果実を食べて山中を歩き回り、その種子を糞とともに広い範囲に撒き散らすことで、さまざまな植物を次世代へつなげています。

     さらに、木に登ってドングリを食べる際に太い枝を折り、枝葉を敷き詰めた「クマ棚」を作ります。これにより森の天井(林冠)に隙間ができ、地面まで光が届くようになります。その結果、新しい植物が育ちやすくなり、森の多様性が保たれます。

    絶滅を阻止するための根本的なアプローチ

     この深刻な現状を打破するため、現在は行政やNPO、研究者らが連携し、減少の根本原因に切り込む大規模なプロジェクトが動き出しています。

     まず、一番の課題であるエサ不足と生息地の分断を解消するため、スギやヒノキの人工林をブナやミズナラといった元の自然林へと戻す「森の復元」が進められています。同時に、バラバラになってしまった森を緑の帯でつなぎ直す「緑の回廊(コリドー)」づくりも計画されており、クマたちが安全に行き来して繁殖相手に出会える環境が整えられつつあります。

     また、数が少なすぎる彼らを確実に守るためには、科学的なデータが欠かせません。山中に設置した自動撮影カメラで親子グマの行動を記録するだけでなく、木に付着した体毛からDNAを分析するハイテク技術も導入され、クマを傷つけることなく正確な個体数や血縁関係の把握が進んでいます。さらに、将来的に数が回復したときを見据え、放置された果樹の処分などを通して「人間の生活圏」と「クマの生息圏」の境界線を明確に分ける予防策も始まっています。

    私たちの「知る・動く」が、大きな対策を支える力になる

     2024年の調査でも親子グマの姿が複数確認されており、絶滅回避への希望はまだ残されています。しかし、こうした森の再生や科学的な調査という大きなプロジェクトを長く維持していくためには、私たち一人ひとりの関心とサポートが欠かせません。

     まず大切なのは、「四国にクマがいること」「絶滅の危機にあること」を多くの人が知ること、そしてその事実を周囲に伝えていくことです。

     また、保護団体への寄付や、登山や山歩きの際にはゴミを捨てないといった行動も大きな意味を持ちます。ゴミを残すことで人間の食べ物にクマが興味を持つことを防ぐだけでも、無用なトラブルを避けることができます。

     クマを守ることは、私たち自身の暮らしや、次の世代に誇れる豊かな自然を守ることでもあります。「知ること」「伝えること」から始める共存への一歩が、四国の森を未来へつなげてくれるはずです。

    #ツキノワグマ#四国#絶滅危惧種#野生動物#生物多様性#自然保護#環境問題

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