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なぜ若者は「練習着」で街へ出るのか?「リハ着」スタイルの正体と流行の真実
ビジョナリー編集部 2026/09/10
クロップド丈のトップスにダボッとしたスウェットパンツやジャージを合わせた若い女性たちを見かける機会が急増しています。部屋着や運動着のようにも見えますが、これはZ世代を中心にブームとなっている「リハ着(リハーサル着)」スタイルです。
なぜ今、あえてラフな「練習着風のコーディネート」がファッションとして支持されているのでしょうか。本記事では、このスタイルの特徴や流行の背景、これまでのトレンドの変遷、さらには海外シーンとの共通点までを分かりやすく解説します。
「洗練された抜け感」を楽しむ新定番
リハ着スタイルとは、「計算されたシルエットとZ世代の憧れが詰まったスタイリッシュな街着」です。本来はアイドルやダンサーが練習(リハーサル)時に着用する服を模したファッションであり、その魅力はメリハリにあります。上半身はへそ出しトップスなどでコンパクトかつヘルシーに見せ、下半身はダボッとしたボトムスでボリュームを出すことで、スタイルアップ効果と動きやすさを同時に実現しています。張り切りすぎない「こなれ感」を演出できる点が、現代の若者の価値観に合致しました。
流行の背景
アイドルの「オフの姿」への憧れと視覚効果
大きなきっかけは、K-POPや日本のダンス系アイドルがSNSで発信する日常風景です。ダンス練習動画(Practice Video)やTikTok、Instagramのオフショットで、推しがスタイリッシュに着こなす姿を日常的に見せるようになりました。これにより、若者の間には「リハ着を着ている人=スタイルが良く、こなれていて可愛い」というイメージが定着しました。
「キメすぎない」ことを良しとするマインド
近年は、かっちり装飾されたファッションよりも、どこかリラックスした雰囲気を漂わせる「エフォートレス(努力を感じさせない)」なスタイルが好まれています。リハ着スタイルは、一見ランダムに選んだように見せかけて、実はシルエットを計算し尽くした「さりげないおしゃれ」を表現するのに最適な選択肢なのです。
実用性と酷暑への対応
近年の厳しい夏の暑さにおいて、締め付けの少ないスウェットや風通しの良いジャージは実用面でも優秀です。厚底スニーカーやヘッドホン、キャップなどの小物をひとつ足すだけで、快適さを保ちつつ街着としての完成度が高まります。
2000年代から現在へ:ラフ・スポーティー系トレンドの変遷
このスタイルは突如生まれたわけではなく、近年のファッション史の延長線上に位置しています。
2000年代初頭、ストリートカルチャーやY2Kファッションの隆盛により、ラフなパンツを街着に取り入れる土壌が作られました。2010年代半ばには、スポーツウェアを普段着にミックスする「アスレジャー」ブームが世界的に到来し、タイトなレギンスやスニーカーが定番化します。
そして2020年代に入ると、Y2Kリバイバルとともに「へそ出しトップス」と「ローライズ・ビッグシルエット」の組み合わせが復活しました。このストリートトレンドが、アイドルの練習着カルチャーや空港での私服(空港コーデ)と融合した結果、よりリアルでリラックス感のある「リハ着スタイル」へと進化を遂げたのです。
グローバルな視点での共通点
この「ラフなのに洗練されている」というムードは、日本や韓国だけでなく世界的なトレンドとも合致しています。
海外では、モデルやセレブが休日に見せる私服スタイルを「Off-Duty Style(オフデューティ・スタイル)」と呼びます。海外セレブがパパラッチされる際のスウェットパンツにクロップドトップを合わせた装いは、日本のリハ着スタイルと共通する部分があります。
ただし地域ごとに少しニュアンスが異なります。欧米では「セレブのジム帰り風ストリート」という文脈が強いのに対し、韓国では「ダンス練習着やアイドルカルチャー」、そして日本ではそれらを背景に持った「Z世代のおしゃれなお出かけ着」として独自に定着しています。
快適性と洗練を兼ね備えた令和のリアルクローズ
コンパクトなトップスとルーズなボトムスで作るメリハリは、誰もが挑戦しやすく、小物の合わせ方次第で個性を出すこともできます。一過性のブームにとどまらず、快適でおしゃれな令和の新しい定番カジュアルとして、今後も形を変えながら愛され続けていくでしょう。


