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2026

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    「糊の代わり」が日本のスタンダードに。両面テープ「ナイスタック」が60年愛され続ける理由

    「糊の代わり」が日本のスタンダードに。両面テープ「ナイスタック」が60年愛され続ける理由

     赤、白、青のトリコロールカラーに、独特な馬蹄形(ばていけい)の形状。誰もが一度は目にしたことがあるであろうニチバンの両面テープ「ナイスタック」は、もはや日本のオフィスや家庭における「アイコン」といっても過言ではない。

     1966年の発売以来、半世紀以上にわたって「貼り合わせる」という作業を支え続けてきた。その功績が認められ、2024年度には「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞した。かつては工業用しかなかった両面テープを、いかにして一般家庭にまで浸透させたのか。そこには、時代を先読みした開発者たちの執念があった。

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    「でんぷん糊」が主流の時代に、一般向け両面テープを開発

     1960年代の日本において、両面テープは製造されていたものの、その用途は産業用・工業用に限定されていた。一般家庭では「でんぷん糊」で紙を貼り合わせるのが当たり前だった時代である。

     そこに目をつけたのがニチバンだった。家庭やオフィスという新たな市場を開拓すべく、産業用の感圧性両面粘着テープ「アスチックW」を応用し、一般向け製品の開発へと乗り出したのである。ナイスタックというネーミングは「よく付く」という意味の「Nice Tack」に由来するという。

     しかし、未知の製品を浸透させるのは容易ではなかった。1966(昭和41)年の発売当初は使い方が理解されず、店頭で在庫が残ることもあったという。そこで打ち出したのが「糊の代わりにナイスタック」という直球のキャッチフレーズだ。手を汚さず、乾く時間を待つ必要もないという圧倒的な利便性が、徐々に消費者の心をつかんでいったのである。

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    「店頭で目立ち、使いやすい」を追求した馬蹄形パッケージ

     ナイスタックを象徴するのが、カッター刃が一体となった「馬蹄形」のパッケージだ。実はこの形状、単なるデザイン性を狙ったものではない。開発部門には「通常の箱入りではアピールが弱い。なんとか店頭で目立ち、使いやすい形状にしたい」という強い想いがあったという。

     この独特な形には、合理的な機能が凝縮されている。中央にある半円の穴に指をかけて握ることで、テープを引き出す際の巻心の回転速度を調整しやすくなるのだ。これにより、「引き出す」「切る」「保管する」という一連の動作が極めてスムーズに行えるようになっている。

     さらに、この穴を利用してフックに掛けたり、紐を通して持ち歩いたりといった、従来の箱型では不可能だった使い方も可能にした。デザイン面でも、赤・白・青の配色を採用することで、「セロテープ®」を販売しているニチバンの製品であることを直感的に伝える工夫がなされている。

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    時代に寄り添う進化と、変わらないアイデンティティ

     昭和40年代後半から文具の定番として成長したナイスタックは、現在では「強力タイプ」や「布・手芸工作用」など、用途に合わせて15種類ものラインアップを誇る。ペーパーレス化が進む近年でも、DIYや収納といった新たな「暮らしのシーン」を提案し、存在感を示し続けている。 記事内画像  また、その進化は目に見えない部分にも及んでいる。パッケージのホルダーや巻心、テープ基材に再生紙を使用するのはもちろん、使用後に紙ゴミと金属ゴミ(カッター刃)を簡単に分別できる構造をいち早く取り入れた。

     さらに2023年からは、一部ラインナップの製造工程を「ホットメルト製法」に切り替えたという。粘着剤に有機溶剤を使用しないことで、製造時のCO2排出量を削減。ロングセラーという地位に甘んじることなく、現代の重要課題である環境負荷の低減にも正面から向き合っている。

     「両面テープといえばこの形」というブランドのアイデンティティを守りながら、中身は常にアップデートを続ける。それこそが、ナイスタックが時代を超えて愛され続ける本質的な理由といえるだろう。

     表舞台には立たずとも、見えない場所で人々の生活を支え続けるナイスタック。その馬蹄形のフォルムは、これからも私たちの暮らしに寄り添い続けていくはずだ。

    • 両面テープ「ナイスタック」で暮らしを便利に
    • ニチバン株式会社

     
    ※「セロテープ」はニチバン株式会社の登録商標です
    ※「ナイスタック」はニチバン株式会社の商標です

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