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AIでリサーチできる時代に、なぜ新商品企画には「生活者の生の声」が必要なのか。「Makuakeインサイト」が炙り出すリアルな生活者の本音
ビジョナリー編集部 2026/07/21
AIの台頭により、表面的な市場調査や商品アイデアの量産がコモディティ化する現代。だからこそ、これからの新商品企画には、既存のデータでは捉えきれない実在する生活者の「生の声(一次情報)」が必要不可欠である。
中堅・大手メーカーが直面する「開発現場と生活者の分断」という課題をいかに解決し、売れる確信を持った商品開発を行うのか。 生活者の声と行動データから確信ある意思決定を生み出す新商品開発支援ツール「Makuakeインサイト」がもたらす、新商品企画の本質的なベネフィットについて、インサイトマーケティング事業の責任者を務める中山宏成氏と、同事業部を牽引する早川将司氏に話を伺った。
AIの予測だけでは動けない。オープンデータ分析の限界を突破する「一次情報」の価値
ーAIによる市場調査が一般化する中、新商品企画者が直面している本質的な課題について、どのように分析していますか。
中山氏 : 現代のマーケティングにおいて、AIの台頭は大きな変化をもたらしました。過去のデータを基にしたトレンド把握やアイデアの大量生成は瞬時に代替できるようになりました。しかし、 実務における真の課題は、その中から『結局、どれが今のマーケットに求められていて本当に売れるのか』というジャッジ、すなわち意思決定の局面にあります。
現段階では、AIの予測判断が100%正しいかは分かりません。巨額の投資や開発コストを伴う新商品企画において、決裁層がAIの予測だけを盲信して判断を下すのは、現実的ではありません。最終的な意思決定の拠り所となるのは、実際の買い手のリアルな声です。社内稟議を通す際も、『AIが良いと言っています』という報告と、「ターゲットとなる実際のサポーター100人に調査したところ、実在する人物たちがこのような具体的な理由で『欲しい』と回答しています」というエビデンス、どちらが重用されるかは一目瞭然です。この実在するサポーターの「一次情報の重み」こそが、新商品企画に最も必要とされます。
早川氏 :現場レベルで見ても、商品企画の核心部分にAIを本格的に活用している企業はまだ多くありません。AIは既存データの補助には適していますが、まだ世に出ていない革新的な商品に対する『深いインサイト』までは捉えきれません。
表面的な『夏だからこれが買いたい』というデータは単なるニーズに過ぎず、重要なのは、その背景にある心理や解決したい状況を突き詰めることです。個人の深いインサイトを正しく把握できていれば、年齢や属性に関係なく、人間の根源的な欲求に突き刺さる新商品を企画しやすくなります。
商品企画の成功率を引き上げる「データの読み方」と伴走サポート
ー既存のファン層を持つ大手メーカー企業でも、自社データだけで新商品企画をすることは危険なのでしょうか。
早川氏 :自社データだけでは限界があると考えています。企業が持続的に成長するためには、新しい市場や顧客層へ拡張していかなければなりません。しかし、既存のファンだけをリサーチしても、次にアプローチしたい層の本音は見えてこないのです。こうした未知の領域にいる 『ポテンシャルを持った人たち』の声を聞き、仮説を市場に適合させる ために、当社のプラットフォームが機能します。
中山氏 : 小岩井乳業様の『絞るヨーグルト』の事例はまさに典型的です。定番商品のマイナーチェンジであれば自社データで十分ですが、『朝食シーンから昼食・間食シーンへ広げる』といった市場拡張の際、既存のファンに聞いても新しい市場のことはわかりません。その見えない領域に対して仮説を検証するのが『Makuakeインサイト』です。小岩井乳業様では、 販売前にサポーターの声を集め、訴求内容をブラッシュアップした結果、プロジェクト開始1週間で在庫が完売する大ヒット に繋がりました。
ー単にリサーチ結果を提供するだけでなく、「生活者の声をどのように活かすか」を商品企画に組み込むことには、どのような意義がありますか。
中山氏 :多くの開発現場が、多大な時間とコストをかけたがゆえに後戻りできない『サンクコスト(埋没費用)の呪縛』と不安を抱えています。
ある家庭用日用品メーカーでは、高付加価値なキッチン用品の開発において、社内は『これでいくしかない』という空気でした。しかし、サポーターからは『貴社ならもっとすごい工夫ができるはず』という、期待混じりの辛口な本音が届いたのです。
結果、発売延期という重い経営判断を下すこととなるのですが、市場に受け入れられない商品を大量生産するリスクに比べれば、賢明な選択です。『Why(なぜそう思ったのか)』という背景の文脈を正しく読み解いたからこそ、勇気を持って立ち止まり、商品を磨き上げるという正しい意思決定ができました。
早川氏 :担当者個人の主観は、サポーターの生々しい声によって強力なエビデンスに変わります。従来は『Makuake』でのデビュー後に一般市場向けの検証を行っていましたが、Makuakeインサイトを組み合わせることで、デビュー前の段階で勝ち筋を高め、確信を後押しできます。これまで一般販売開始から1年ほど経ってようやく見えていた検証結果が、PDCAサイクルを圧倒的なスピードで回せるようになる。リスクなく検証できることこそが、最大のベネフィットです。
統計の数字を越える「N=1」のインパクト。買わなかった「未購入者」の心理に迫る独自性
ー 一般的な市場調査サービスと比較して、「Makuakeインサイト」が持つ独自の強みについて教えてください。
早川氏 :決定的な違いは、『検討したけれど買わなかった未購入者』に直接リーチして本音を引き出せる点です。一般市場へ広げるにあたり、『関心はあるのになぜ買わなかったのか』というボトルネックを掴むことは極めて重要です。
実際、購入しなかった理由をリサーチし、次の一手を打ったことで、第2弾商品が第1弾を上回る結果を出した事例もあります。『特定の商品ページを見たが購入しなかった人』という超ニッチな条件での抽出は、一般的な調査パネルでは困難ですが、当社のプラットフォームであればピンポイントでアプローチ可能です。
中山氏 :Makuakeインサイトのもう一つの強みは、自由記述コメントの圧倒的な熱量と具体性です。一般的な調査では、仮説検証のための統計データに留まりますが、本サービスで集まるのは、サポーター一人ひとりのライフスタイルに根ざした『生々しいN=1(個人)のストーリー』です。
これは、報酬目的のモニターとは異なり、サポーターが 『ものづくりのプロセスに関わりたい』『一緒にブランドを育てたい』というピュアな応援のモチベーションを持っている からに他なりません。スペックだけで事務的にモノを評価する時には動かない、感情の動きを伴うフィードバックが、深いインサイトの抽出を可能にしています。
生活者を知りつづけ、売りつづける「共創循環プラットフォーム」へ
ー 今後「Makuakeインサイト」というサービスを通じて、どのような世界の実現を目指していきますか。
中山氏 :データを基にした 『顧客共創型の新商品開発』をスタンダードにしたい と考えています。一般販売以降のグロースフェーズにおける進化の余地も膨大にあります。
デビュー時には大成功を収めた尖ったプロダクトでも、その後の一般販売で大苦戦してしまったことがあります。そこで本サービスを活用して未購入者のデータを深く分析したところ、一般市場のサポーターから見ると「プロダクトの価値を正しく理解するのが非常に難しい」という明確なボトルネックが浮き彫りになりました。『Makuake』終了直後に適切なインサイト調査を行い、その結果を一般販売戦略やLPに反映・修正すれば、一般市場でも確実に売り続ける仕組みを構築することができます。
早川氏 :顧客理解を『点』ではなく『線』として捉え、『知りつづける』ことが決定的な価値を持ちます。生活者の価値観やトレンドは凄まじいスピードで移り変わるため、一瞬のインサイトを捉えても数ヶ月後には変化している可能性が高いからです。定点的に対話を『つづける』からこそ、常に半歩先の最適なアプローチを打ち出し続けられます。 『Makuake』を一発の打ち上げ花火で終わらせないために、『Makuakeインサイト』はセットで不可欠である という認識を市場のスタンダードにしていきたいです。
中山氏 :真剣にものづくりに向き合う企業の底力を押し上げる存在になりたい ですね。本サービスを活用して『知りつづける』仕組みを定着できれば、新商品デビューの先にある、一般販売や本格展開の成功率を格段に引き上げることができます。そんな、企業の挑戦を支え続けるプラットフォームになることを目指しています。


