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2026

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    若きリーダーは「形成知」に基づく変革を

    #08若きリーダーは「形成知」に基づく変革を

    原石からダイヤへ

    企業を良くするためには、イノベーション、そしてモチベーションが不可欠です。しかし、意外なことに日本の企業は「モチベーション」という言葉を使いません。売上や利益が良く、待遇が良ければ「良い会社」だろうと考えがちですが、モチベーションは売上や利益が上がったからといって、そう簡単に上がるものではないのです。

    モチベーションとは何か。それは「ファン・トゥ・ワーク(Fun to Work)」、すなわち「働く楽しみ」です。これがなければ、良い仕事は長く続きません。上司も部下もモチベーションを高く維持しなければ、会社は良くならない。

    残念ながら、日本の会社のトップは、そのことを理解していないケースがあまりに多い。会社の規模が昨年度より5%伸びました、利益はこうです、新しい顧客がこれだけ増えました、といった話に終始しがちです。

    なぜ私がそう断言できるか。それは、日本能率協会で20年近くファシリテーターを務め、様々な企業の講演を聞いてきたからです。そこで心ときめいた人は、ほとんどいなかった。ほとんどの経営者の焦点は、売上が上がった、利益がこうだ、株価も上がっている、というデータだけに注がれているのです。

    もっと重要なことがあります。それは、社員のモチベーションが上がれば、会社は自ずと良くなるということです。

    私が考える「良い会社」の定義は2つしかありません。1つは、「継続的利益ある成長(Continuous Profitable Growth)」ができる会社です。売上だけが上がっても、利益が下がったり、シェア争いだけに終始したりしていては意味がありません。

    もう1つは、「素晴らしい職場環境を作っていく」ことです。モチベーションが低い場所で、素晴らしい職場環境など作れるはずがありません。私は社長や副社長を務めた3社において、常にこの2つに焦点を当てて経営してきました。

    この2つは連動しています。素晴らしい職場環境と高いモチベーションが売上や利益に影響し、逆に素晴らしい売上や利益が、さらなる良い職場環境の土台となるのです。

    しかし、こうした本質を語る日本の経営者は極めて少なかった。

    私が最も感激した経験があります。レブロン時代、世界の社長や副社長、取締役が何十人も集まるグローバル会議が5日間にわたって開かれた時のことです。その間、私たちは売上、利益、今後の成長戦略といった話は一切しませんでした。

    5日間、何をしたか。テーマはただ一つ、「Great Place to Work(素晴らしい職場)」です。我われの会社をどれだけ良い会社にしていくか、そのために何をすべきか。4日間フルに会議室にこもり、講義を受け、グループディスカッションを重ねたのです。これほど真剣に「働く環境」について議論する会社が、日本にあるでしょうか。

    ほとんどの日本の大企業では、今期の売上はどうだった、来期はどうだ、5年後には株価をこれだけ上げるぞ、とそんな話ばかりです。

    正直に申し上げて、私は日本の大企業のそういうところが好きではなく、そういった社長たちと話していても、どうにも噛み合わないのです。

    私のマインドセットは、どっぷりとアメリカのグローバル企業の影響を受けています。だからこそ、私がメッセージを送りたいのは、年配の経営者たちではありません。彼らの多くは、ITや戦略に関する感度が高いとは言えません。私が所属するある経営者クラブには大手企業の社長も多くいますが、昔の素晴らしい経験を語るばかりで、話にワクワクするような未来へのヒントがないのです。

    私がメッセージを伝えたいのは、これからの若い人たちです。

    先日も、私がコンサルティングをしている42歳の社長から、「ぜひ会わせたい若い社長がいる」と連絡がありました。20代と30代のベンチャー創業者だそうですが、私の話に興味を持ってくれていると聞き、ぜひ会いたいと答えました。若い人と話していると、「そんなふうにやるのか」という発見がある。ChatGPT一つとっても、その活用法に驚かされます。

    私の経験が役に立つとすれば、それは多くの失敗と修羅場から得た教訓です。それを単なる自慢話ではなく、未来への指針として伝えたいのです。

    マーケティングの権威である野中郁次郎先生は、「暗黙知」と「形式知」という概念「SECIモデル」を提唱されました。暗黙知とは経験に基づく知識、形式知とはロジックや論理です。形式知だけでは大学教授のようで実社会では通用しませんが、暗黙知だけでは単なる経験論で終わってしまいます。

    日本の多くの経営者は、この「暗黙知」だけで出世してきました。

    私は「形式知」を重視します。レブロンの変革も、アメリカの著名な経営学者マイケル・ポーターや、リーダーシップ論の権威、ジョン・コッターの理論をベースに進めました。もちろん社員に理論の名前など出しませんが、根底にはグローバルで証明された理屈があるのです。一つの会社に長く勤めた経験論だけでは、これからの時代は通用しません。日本が弱体化した一因は、優秀ではあっても、この「形式知」に基づいた変革を起こせないリーダーが多かったことにあるのではないでしょうか。

    #浅見隆#コダック#スポルディング#ジョンソン・エンド・ジョンソン#レブロン#グローカリゼーション
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