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2026

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    『愛と自由とSome Money』——人生の羅針盤と「3%の成功者」の条件

    #09『愛と自由とSome Money』——人生の羅針盤と「3%の成功者」の条件

    原石からダイヤへ

    私は昔から、頭の中で考えるだけでなく、まず「書く」タイプの人間です。今から20年ほど前、ただ仕事を一生懸命こなすだけではなく、自分はどんな人生を歩んでいきたいのかを突き詰めて考えていました。そして、頭の中だけでは方向性がクリアにならないため、それを文字にしたためたのです。

    それが、私の人生ビジョンである『愛と自由とSome Money』という言葉です。これは、チャップリンの映画『ライムライト』に出てくる「勇気と想像力、そして少しのお金があれば生きていける」という台詞をもじったものです。

    ここで言う「愛」とは、男女の恋愛という意味ではありません。家族や友人、私の周りにいる人々との良い関係を築いていくこと。それが人生で一番重要だと考えました。

    「自由」とは、単にフリータイムがあるということだけではありません。仕事や趣味を自分で選び、旅行も自分の思った通りに計画できる、そうした「選択の自由」が極めて重要だと思いました。今でも、自由があることが一番の幸せだと感じています。

    そして『Some Money』。結局のところ、この資本主義世界では、いくらかのお金がなければ心地よい生活は送れません。この3つを人生のビジョンとして明確に定めることが、具体的な行動を起こすための第一歩となると信じています。

    このビジョンとほぼ同じ時期に、私は人生の目標も設定しました。それは『Success and Happiness』—すなわち「成功」と「幸福」の両立です。

    アメリカのある研究データによると、この両方を手に入れている「本当の成功者」は、全体の3%ほどしかいないそうです。ビジネスで大成功を収め、社長になったり、莫大な資産を築いたり、といった数字で表現できる「成功」を手に入れても、人間関係や家族関係がうまくいっていない人は大勢います。私の周りを見ても、この両方を満たしている人は極めて少ないのが現実です。

    私は、この2つを持ってこそハッピーな人生が送れると考えています。この考えはジョンソン・エンド・ジョンソンやレブロンの社長時代から一貫しており、社員にも「仕事はあくまで人生を成功させるための一つの手段だ」と、よく話してきました。

    では、その成功をつかむためには何が必要か。私は、稲盛和夫氏が提唱する「成功の方程式」に深く感銘を受けました。それは、「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」というものです。

    「能力」と「熱意(情熱)」は、それぞれ0点から100点で採点できます。しかし、「考え方」だけは違います。これは、マイナス100点からプラス100点まで幅があるのです。つまり、どれほど高い能力と情熱を持っていても、「考え方」が間違っていれば、結果はすべてマイナスになってしまう。

    日本の古い企業、特に中小企業では、とにかく勉強して頑張る、という精神論になりがちです。もちろん能力と情熱は重要ですが、私はそれ以上に「考え方」、すなわち「戦略」が結果を左右すると考えています。

    この哲学は、私の経営目標にも直結しています。私が3社で社長を務めた際、数値目標以上に最も注力してきたのが、『継続的利益のある成長』というベースとなる考え方です。

    私が若い頃は、利益は度外視してでも、まずマーケットシェアを取るという風潮がありました。しかし、売上が100億、110億、120億と伸びても、利益が10億、7億、5億と減っていくようでは、会社として長くは続きません。継続的に、かつ利益を伴った成長をしなければ、会社も従業員もハッピーにはなれないのです。これが、私の経営における「考え方」の核となっています。

    #浅見隆#コダック#スポルディング#ジョンソン・エンド・ジョンソン#レブロン#グローカリゼーション
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