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2025

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    パラ射撃界の女王・水田光夏が取り組むソーシャル・インクルージョン!「射撃」×「Well-being」が生み出すミライとは?

    パラ射撃界の女王・水田光夏が取り組むソーシャル・インクルージョン!「射撃」×「Well-being」が生み出すミライとは?

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    静寂のなかでミリ単位の標的を狙い、究極の集中力が試される射撃。この競技の普及活動を通じて、ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)の実現を目指す、パラ射撃選手がいる。鮮やかなピンクの髪とネイルがトレードマークの、パラ射撃界を牽引する水田光夏(みずた・みか)選手だ。

    水田選手は、筋肉が萎縮していく末梢神経疾患の指定難病「シャルコー・マリー・トゥース病」を抱えながらも、パリ2024パラリンピック 射撃(SH2)で日本代表初となる銅メダルを獲得。全日本障害者ライフル射撃競技選手権でも6連覇を果たす、日本パラ射撃界の女王である。そんな彼女が目指す、『すべての人があなたらしく輝けるWell-being社会の実現』とは――。

    「共生」しながら、「生涯」楽しめる社会包摂型スポーツ

    水田選手が競技する射撃は、健常の方も障がいのある方もほぼ同等のルールのもとで行われる「共生スポーツ」であり、若年の方から高齢の方まで楽しめる「生涯スポーツ」であることから、ソーシャル・インクルージョンにつながるスポーツとして、近年注目を集めている。 記事内画像 「ハンディキャップにあわせて、銃の構え方などに多少の違いはありますが、基本的なルールはオリもパラも同じです。性別、年齢、人種、障害の有無を超えて、さまざまな人が一同に会し、一つの的を狙って競い合う。この交流の機会こそが射撃の魅力です」
    と水田選手は語る。

    そんな彼女が射撃と出会ったのが、特別支援学校に通うようになった高校生の頃。中学2年生の時に、難病を発症し、車いす生活を余儀なくされた彼女に、母が「何か新しいことを始めてみたら」と勧めたのがきっかけだった。

    「とある講演会で元パラ射撃選手・田口亜希さんがパラリンピックの経験を明るく話すのに魅了され、『私もやってみたい』と興味を持ちました。そして、ビームライフル体験会に参加し、初めて射撃を体験したときに、偶然にも弾がど真ん中に当たったんです。それが嬉しくて、『もっとやってみたい』と心が躍りました」

    射撃がもたらした、水田選手にとってのWell-beingとは?

    こうして射撃の世界に飛び込んだ水田選手。一躍トップ選手として活躍するようになる一方で、射撃は彼女にとって単なるスポーツを超えた、特別なものへと変わっていったという。 記事内画像 「射撃は、私にとって自分と向き合う時間。心に不安や悩みがあると、身体の思いもしないところに力が入り、それが銃の構え方や点数にも影響することがあります。的と向き合うことを通じて、自分の心と向き合うことにつながっています。また、引き金を引く指先の感覚がないため、最初は、鏡を見て何度も引き金を引く動作を繰り返し、身体に覚えこませました。また、身体に無理のない呼吸リズムのなかで弾を撃てるような競技スタイルを確立させ、自分の身体の限界を知り、向き合うことができるようにもなったと思います」

    そして、競技を通じて多くの仲間と出会い、多くの人々からの活動支援を受けながら競技生活を歩んできた水田選手。そうした人とのつながりは、彼女にとって人生の財産にもなっているという。

    「射撃をやっていなければ、出会うことのなかったであろう人との出会いが、私の人生を豊かにしてくれました。自分のカラダとココロと向き合い、豊かな人とのつながりがもたらしてくれた射撃は、まさに私にとってのWell-beingそのものです」

    射撃で切り開くソーシャル・インクルージョン

    世界保健機関(WHO)憲章では、健康を「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にもすべて満たされた状態」と定義されており、個人や社会にとってよりよい状態を示すWell-beingが求められるようになってきている。水田選手は、Well-being社会の実現には、すべての人が排除されることなく、社会の一員として尊重されるソーシャル・インクルージョンが不可欠だと考えている。 記事内画像 「ハンディキャップを抱えている方のなかには、社会との接点が少ない方も多い。そもそもつながりがなければ、健常の方もいざ接する場面が出てきた時に、どのように接したらよいのか分からないということも生じてしまうかもしれません。だからこそ、人と人とが分け隔てなく、自然につながり共生できる場所が必要です。射撃は、まさにそうした機会を提供してくれるスポーツ。だからこそ、大きな可能性を秘めていると思います」

    こうした水田選手の想いに共感し、射撃の普及活動を支援しているのが、創業100周年を迎える白寿生科学研究所である。同社では、人と人、人と地域とのつながりと、心揺さぶられるときめきの体験の提供を通じて、健康のその先にある幸せをともに考え、何歳までもあなたらしく輝ける社会の実現を目指す、「Well-Being(ウェルビーイング)つなぐプロジェクト」に取り組まれている。このプロジェクトの一環として、水田選手と連携し、「ビームライフル体験会」の開催をサポートしている。

    「様々な人とのつながりと、ビームライフルを経験し心躍るトキメキの体験があったことが、私の射撃人生の原点にあります。これまで支えてくださった多くの方や、射撃競技への恩返しを込めて、何か新しいことにチャレンジしたいという人のきっかけづくりになるような体験を提供できたらと思っています」

    射撃で広がる未来!ビームライフル体験会で魅力を発信

    水田選手は、大型スポーツイベントや特別支援学校など、さまざまな場所で開催されるビームライフル体験会に参加し、射撃の魅力を伝える活動を精力的に行っている。 記事内画像 「ビームライフルは、銃規制の厳しい日本で射撃競技の普及を図るために開発された光線銃で、実弾は使用せず、資格・免許も不要なので、小さいお子さんからご高齢の方まで、どなたでも簡単に楽しんでいただけます。満点の10点にあたると、ピカピカと王冠が点滅するので楽しんでもらえますし、黙々と集中してもっとやりたいと言ってくださる方も多いです」

    射撃の競技場は拠点が限られており、オリンピック・パラリンピックなどの国際大会がなければ、メディアで取り上げられることも少ない。まだまだ認知が低く、一般社会との接点が限られている競技ではありつつも、こうした地道な取り組みを通じて反響も感じているという。

    「私の活動を知って、同じ難病を持つ方もビームライフルを始めてくれたことが、とても嬉しかったです。同じ大学の後輩もビームライフルを始めてくれたり、少しずつですが、若い世代の競技人口も増えてきていると感じます」

    すべての人が輝けるWell-being社会の実現へ

    射撃選手として第一線で活躍する傍ら、ライフワークとして射撃の普及活動に取り組む水田選手。大好きな射撃を通じて、彼女が目指す描くWell-being社会とは、一体どのようなものなのだろうか。 記事内画像 「自分らしく好きなことをしながら幸せにいられる社会が、Well-beingな社会だと思います。私にとってのWell-beingは射撃だけでなく、好きなファッションを楽しむこともその一つです。試合中、引き金を引く際に好きなネイルを眺めることが、モチベーションアップにもなりますし、心の安定にもつながっています」

    「人によってWell-beingの形はそれぞれです。私が射撃と出会って自分なりにWell-beingを見つけられたように、誰もが興味のあることにチャレンジして自分なりの幸せを見つけられ、それを応援し合えるような社会であってほしいと願っています」

    水田光夏プロフィール

    記事内画像 1997年8月27日生。東京都 町田市出身。白寿生科学研究所所属。中学 2 年生の時に末梢神経疾患の指定難病「シャルコー・マリー・トゥース病」の発症をきっかけにパラスポーツに興味を持ち、17歳でビームライフル、19歳でエアライフルを始める。初出場した2017年全日本障害者ライフル射撃競技選手権2位入賞を皮切りに、パラ射撃界期待の新星として注目される。東京2020パラリンピックでは試合中盤でのコンディション悪化により32位に終わるも、悔しさをバネに2024パリに照準を切り替えて競技に励む。その後、2023 年 杭州2022アジアパラ競技大会では日本勢で最高の3位など、国内外選考会で優秀な成績を立て続けに残し、パリ2024パラリンピックでは、パラ射撃日本代表として初となる銅メダルに輝く。

    Well-Beingつなぐプロジェクトとは?

    人と人、人と地域とのつながりと、心揺さぶられるときめきの体験の提供を通じて、健康のその先にある幸せをともに考え、何歳までもあなたらしく輝ける社会の実現を目指すプロジェクト。全国450店舗の健康ステーション「ハクジュプラザ」を中心に、白寿生科学研究所の健康哲学である「ゆとりある精神」「適度な運動」「バランスの取れた食生活」の3つの領域を柱として、プロジェクトを推進している。 詳細はこちら

    株式会社白寿生科学研究所について

    株式会社白寿生科学研究所は、「健康を通して人類の幸福を実現する」を企業理念として、大正14(1925)年に創業した健康総合企業である。創業以来、すべての人に白寿(99歳)まで健康で過ごしほしいとの願いから、身体を自然な状態に保つことで健康維持を目指す「白寿健康哲学」の普及を使命としてこられた。昭和38(1963)年に厚生省(現・厚生労働省)より承認を受けた世界初(※)の家庭用・医療用電位治療器「ヘルストロン」は、累計100万台以上のロングセラーとして、約5000か所の医療機関・福祉施設に設置されている。また、同社の健康哲学の一つである「バランスのとれた食事」、「ゆとりある精神」を実現するため、健康食品・サプリメントの製造・販売や、リクライニング・シートを導入した世界初のクラシックホール「Hakuju Hall」を運営し、人々の健康のトータルコーディネートを目指している。全国450店舗で運営している健康ステーション「ハクジュプラザ」では、ヘルストロンや健康食品・サプリメントの販売を行うとともに、地域に根ざした健康情報発信拠点を目指し、地方自治体との連携を強化している。

    ※近代的な法制度のもとで、正式に承認・販売された電位治療器としては世界初(同社調べ)

    会社概要

    会社名:株式会社 白寿生科学研究所
    代表:代表取締役社長 原 浩之
    本社:東京都渋谷区富ヶ谷1-37-5
    電話: 03-5478-8910(代表)
    創業:1925年(大正14年)
    設立:1964年(昭和39年)
    資本金:1億円
    従業員数:232名(グループ従業員 約700名)
    事業内容:家庭用・医療用ヘルスケア機器及び健康食品などの開発ならびに製造販売

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