Diamond Visionary logo

9/15()

2026

SHARE

    水害に忍び寄る見えない危険!冠水・浸水時に注意すべき感染症と命を守る衛生対策

    水害に忍び寄る見えない危険!冠水・浸水時に注意すべき感染症と命を守る衛生対策

    頻発する災害から命を守る防災特集 ── 地震・水害の脅威に備え、今私たちができること

     水害時に警戒すべきことの一つが、汚水や泥を媒介として広がる「感染症」です。2026年9月には、配信者が配信中に雨や水溜りで頭を洗った後に、体調不良になったことも話題になりました。

     本記事では、冠水時に増殖しやすい細菌や注意すべき病気、復旧作業時に身を守るための対策をわかりやすく解説します。

    冠水した水溜まりに潜む危険な細菌と主な感染症

     豪雨や氾濫によって冠水した道路の水には、溢れ出た下水や野生動物の糞尿、土壌中の細菌が大量に含まれています。一見するとただの濁り水に見えますが、皮膚の小さな傷口や口・鼻から体内に侵入し、様々な病気の原因となります。

     特に警戒が必要な病原体の一つが、鼠などの害獣の尿を介して水中に広がる「レプトスピラ菌」です。この菌が傷口などから体内に入ると、「レプトスピラ症」を引き起こします。感染すると数日から2週間ほどの潜伏期間を経て、高熱や頭痛、筋肉痛といった症状が現れ、重症化すると黄疸や腎不全など命に関わる事態に陥ることもあります。

     また、土壌中に常在している「破傷風菌」にも十分な注意が必要です。冠水後に瓦礫や錆びた釘などで足や手をけがした際、傷口の深い部分へ破傷風菌が侵入すると感染します。手足の痺れや口が開きにくくなるといった神経症状から始まり、進行すると全身の筋肉が痙攣する危険な病気です。

     さらに、汚水を誤って口にしてしまったり、汚れた手で食事をとったりすることで、大腸菌やサルモネラ菌による急性の感染性胃腸炎や食中毒を発症するリスクも上がります。乾燥した泥が粉塵となって舞い上がり、それを吸い込むことでレジオネラ症などの呼吸器感染症を引き起こす事例も報告されています。

    身を守るための対策

     冠水や浸水被害から身を守るためには、病原体を体内に侵入させないための事前準備と適切な行動が不可欠です。

     水害が発生している最中、冠水した道路を移動する際は、裸足やサンダルで歩いてはいけません。水底に見えないガラス片や金属が落ちていることがあり、足を負傷してそこから感染するリスクが非常に高いためです。一見安全そうに見える長靴も、水が上から入ると重くなり身動きが取れなくなる恐れがあるため、復旧作業時も含めて、底が厚く脱げにくい頑丈なスニーカーや安全靴の着用が推奨されます。

     浸水した自宅や地域の清掃作業を行う際には、装備を万全に整えることが基本となります。厚手のゴム手袋、長袖・長ズボンを着用し、皮膚の露出を最小限に抑えてください。目に見えない粉塵や跳ね返りの汚水を吸い込まないよう、マスクや防護メガネの装着も効果的です。

     もし作業中に切り傷や擦り傷を負ってしまった場合は、作業をすぐに中断し、目に見える汚れを水道水などのきれいな流し水でしっかりと洗い流してください。その上で消毒を行い、ばんそうこうなどで保護することが大切です。傷口が深い場合や汚れた釘などを刺してしまった場合は、自己判断で放置せず、速やかに医療機関を受診して破傷風ワクチンの接種などを相談してください。

    厚生労働省も推奨する「清掃と乾燥」の正しい手順

     水が引いた後の家屋や周辺環境の衛生管理において、重要となるのは「清掃」と「乾燥」です。泥や汚れが残ったまま消毒を行っても、消毒薬の効果はほとんど発揮されません。

     厚生労働省のガイドラインにおいても、感染症予防の基本は汚泥の撤去と十分な乾燥であると示されています。まずは室内や床下に溜まった泥やゴミをスコップなどで取り除き、水道水で汚れを綺麗に洗い流してください。

     水洗いが終わった後は、雑巾などでしっかり水分を拭き取り、ドアや窓を開けて換気を行います。床下など風が通りにくい場所には扇風機やサーキュレーターを設置し、風を送り込んで水分を飛ばす工夫が有効です。十分に乾燥させることが、細菌やカビの繁殖を抑える近道となります。

     食器類や直接手が触れる家具など、衛生面が気になる場所については、洗浄と乾燥を行った上で適した消毒液を使用します。食器や調理器具には希釈した次亜塩素酸ナトリウム液(塩素系漂白剤)での漬け置きが有効であり、家具やドアノブなどには消毒用エタノールや逆性石けんを用いた拭き取りが適しています。床下や庭などの屋外については、原則として大規模な消毒作業は不要とされています。

    終わりに:体調の変化を感じたら迷わず医療機関へ

     水害時には多くの感染症リスクが潜んでいますが、経路や原因となる細菌の性質を理解し、十分な装備での作業や「洗浄・乾燥」を徹底することで、リスクは減らすことができます。

     復旧作業の疲れが溜まると体力が低下し、普段以上に感染症にかかりやすくなります。作業後数日から数週間の間に、発熱や下痢、傷口の強い赤みや腫れといった体調の異常を感じた場合は、「ただの疲れ」と放置せず、すぐに医療機関を受診してください。早期の正しい対処が、自身と家族の健康を守る手段となります。

    あわせて読みたい

    記事サムネイル

    本が借りられない悩みを解決!全国に広がる「電子図...

    記事サムネイル

    米価上昇の陰でなぜ?コメ農家の廃業・倒産が4年連...

    記事サムネイル

    【Suicaペンギン引退へ】次期キャラクターWE...

    記事サムネイル

    長寿県・長野に学ぶ!元気に自立して暮らすための習...

    記事サムネイル

    【2026秋】今しか食べられない!行列必至の新作...

    Diamond AI trial

    ピックアップ

    Diamond AI
    Diamond AI