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8/13(水)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/08/12
2027年シーズンから、セ・リーグにも指名打者制(DH制)が導入されることが決定しました。DH制はどんな制度で、どのような影響があるのか。この記事では、野球界に訪れる大きな転換点について解説します。
DHとは「Designated Hitter(指名打者)」の略で、簡単に言えば「守備をせず、打撃だけに専念する打者」を指します。通常、野球では9人が守備につき、その9人が打順にも入ります。しかしDH制を導入した場合、投手は打順から外れることで投球に専念し、代わりに“打つ専門”の選手が入るのです。
DH制の有無はチーム戦略や選手起用に大きな違いを生み出します。
なぜセ・リーグは「9人野球」にこだわってきたのでしょうか。理由は大きく2つあります。
こうした国際的な流れに対応するため、日本のアマチュア野球界も動き始めました。2026年からは東京六大学野球、関西学生野球、日本高校野球連盟でもDH制が導入されます。
投手は投球に専念できるようになるため、打席でのケガや走塁による体力消耗を避けられます。特に夏場の連戦や、怪我のリスクが高い高校野球ではこの効果が顕著です。
「守備は苦手だけど打撃は一流」──そんな選手が、これまで以上に試合で輝くチャンスを得ます。高校野球の現場でも「個性を生かせる」「試合に出る機会が増える」と歓迎の声があがっています。
DHを使うか否かはチームごとの判断に委ねられます。たとえばバッティングも得意な投手なら、DH制を使わず“投打二刀流”で起用することも選択肢になります。
打線の切れ目がなくなり、得点シーンが増加することで、球場の盛り上がりやファンの満足度もアップ。チケット販売や視聴率向上も期待できます。
一方、全てがプラスに働くわけではありません。
2027年からのセ・リーグDH制では、世界を席巻した「大谷ルール」も採用されます。 このルールは、先発投手がDHも兼務できるというもの。例えば、投打に秀でた大谷翔平選手のような“二刀流”選手は、投手を降板した後もDHとして打席に立ち続けることができます。
これにより、投手としても打者としても高い能力を持つ選手の活躍の場が一段と広がります。
セ・リーグがついに導入を決めた指名打者制(DH制)は、ルール変更にとどまらず、日本の野球の在り方そのものに大きな変革をもたらします。
一方で、伝統の“9人野球”が生み出してきた采配の妙味や控え選手の出場機会など、失われるものもあるかもしれません。しかし時代は変わり、野球もまた進化を続けます。
今こそ、野球の「これから」に注目してみてはいかがでしょうか。