
車の水没、保険でどこまで補償される?今知っておき...
9/24(水)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/09/24
「保険」と聞くと、生命保険や自動車保険、医療保険といった定番商品を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、世の中には「本当にそんな保険があるの?」と思うような、ニッチでユニークな保険が存在します。
最近では、住宅街にクマが出没するニュースが増え、「クマ保険」なる新商品まで登場。保険の世界は今、ニーズの細分化とともに想像以上に広がりを見せています。
本記事では、話題のクマ保険をはじめ、暮らしに役立つミニ保険(少額短期保険)、そして世界の珍保険まで、ユニークな保険を徹底解説します。
東京都青梅市の駐車場を全力疾走するクマの姿が目撃されるなど、都市部でもクマ被害が頻発しています。北海道では中学校やお寺の敷地内でクマが悠然と歩き回る騒動も発生しました。
こうした事態を受け、クマの出没が人々の生活圏にまで及ぶようになり、自治体では緊急的な駆除措置が求められることになりました。
市街地でクマを駆除する際、猟銃を使用した場合に建物や車を誤って損壊してしまうケースも考えられます。実際、自治体が所有者に損害賠償を求められる事態も懸念されていました。
そこで登場したのが「クマ保険(緊急銃猟時補償費用保険)」です。
東京海上日動火災保険が販売するこの商品は、自治体が損失補償を行う場合に最大3,000万円まで保険金が支払われる仕組み。保険料は目撃件数により3万円から10万円(年間)程度となっています。
この背景には、2025年9月施行の「改正鳥獣保護管理法」があります。
従来、猟銃の使用には警察の命令が必要でしたが、法改正により、特定の条件下で市町村長の判断で発砲が許可されるように。
「クマが住宅地に出没し、緊急に危害を防ぐ必要がある」「迅速な捕獲手段が他にない」「住民の安全が確保されている」といった条件を満たす場合、市街地での緊急銃猟が可能となりました。
この制度変更に伴い、自治体の金銭的リスクを軽減するため、全国100超の自治体が保険加入を検討しています。
この保険は、駆除に当たるハンターの法的保護にも一役買っています。
猟友会所属の弁護士によれば、「有害駆除という公益活動に従事するハンターを刑事処罰の危険から守る」制度として評価されています。
近年では「ミニ保険」と呼ばれる少額短期保険が続々と登場しています。
ミニ保険は2006年の法改正をきっかけに誕生し、日常のちょっとしたリスクやニッチなニーズに応える商品として注目されています。
ペットも家族の一員。病気やケガの治療費をカバーするペット保険は、飼い主の安心を支える人気商品です。
たとえば、0歳のチワワで月額1,870円、4歳のトイ・プードルで月額2,020円程度。年齢や種類によって保険料は異なりますが、治療費の80%を補償するプランもあります。
せっかく楽しみにしていたコンサートやイベント、急な病気や出張で行けなくなったら…。
「チケットガード」は、やむを得ず参加できなくなった場合にチケット代を補償。たとえば、5,000円のチケットには560円の保険料で同額の補償が受けられます。
登山やアウトドア中の遭難は、救助費用が数百万円に及ぶことも。
年間4,000円の保険料で、国内のさまざまな野外活動に対して最大300万円まで捜索・救助費用が補償されます。
「どんなシチュエーションにも備えたい」登山ファンやアウトドア好きに好評です。
なんと、車種を限定した「ハーレー専用保険」も存在します。
全損・半損・盗難など、3つの特約を組み合わせてカスタマイズ可能。事故率の低いハーレーオーナー向けに、保険料も抑えめに設定されています。
「突然の法的トラブルに巻き込まれたら?」
痴漢冤罪、近隣トラブル、相続や離婚など、日々の生活の中でいつ法律トラブルが発生するかわかりません。
弁護士保険に加入していれば、月々2,980円で法律相談や依頼の費用を補償。無料の弁護士直通ダイヤルも利用できます。
一生に一度の晴れ舞台も、予期せぬトラブルで延期や中止になることがあります。
結婚式保険は、キャンセル料や貸衣装の修理費、当日の入院費用などを幅広く補償。1万円~5万円のプランがあり、例えば3万円のプランなら中止費用最大500万円までカバーされます。
といった、暮らしの「ちょっとした困りごと」に対応する保険が次々と登場しています。
日本だけでもバラエティ豊かな保険がある一方、世界に目を向けると「本当に実在するの?」と驚く保険がたくさん存在します。
保険は「万が一」に備える仕組みだからこそ、社会や暮らしの変化に合わせて新しい商品が生まれ続けています。
現代の保険は、「もしもの安心」だけでなく、「自分のリスクをユニークに守る」ためのツールへと進化しています。
今後も、社会の変化や新たなニーズに合わせて、驚きの保険が登場することでしょう。
「こんな保険があったらいいな」と思ったとき、もしかするとそれはもう、どこかで商品化されているかもしれません。