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2026

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    下水管路の維持管理に革命、AIが「劣化判定」を自動化。作業人員を「半減」させる実証実験の全貌

    下水管路の維持管理に革命、AIが「劣化判定」を自動化。作業人員を「半減」させる実証実験の全貌

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    浮流型IoTとAIの融合が拓く、インフラ点検の新たな形

     2026年4月27日(月)、北海道北斗市において、ある革新的な実証実験の成果が発表された。デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社(DIT)、DAIKO XTECH株式会社(DXT)、および株式会社ディアンド(D&)の3社が進めてきた「浮流型IoTデバイスを活用した下水管路内AI画像診断」の報告だ。

     老朽化が進む社会インフラの維持管理は、日本全体が抱える喫緊の課題である。特に下水道管路の点検は、多大な労力とコストを要する現場の一つだ。今回の実証実験では、下水管路内を流れる「浮流型デバイス」で撮影を行い、その映像をAIで診断するという、従来の手法を覆すアプローチの有効性が検証された。

     自治体関係者らが注視する中、発表されたデータは、AIによる自動化の可能性と、現場運用における具体的な知見を浮き彫りにしている。

    現場作業を「分離」し、人員を50%削減へ

     本実証において最も注目すべきは、現場作業の大幅な効率化だ。従来の自走式カメラを用いた調査では、撮影と同時に現場で人間が劣化箇所を判断しなければならず、作業が長時間化する傾向にあった。

     しかし、今回の手法では「撮影」と「判定」を完全に分離する。報告によると、これにより以下のような劇的な変化が期待されているという。

    • 作業人員の削減による負担軽減
      従来、8〜10名程度を要していた調査作業が、本手法の確立により、将来的に人員を半減できる可能性が示された。
    • 点検・検査作業のスピードアップ 現場では撮影に特化し、後の判定はAIが肩代わりする。AIがあらかじめ劣化候補を抽出することで、人間が全ての動画を確認する手間を大幅に省けるようになるという。
    • 周辺住民への配慮 大型の専用車両が進入できない狭い路地でも、長距離ケーブルの設置を最小限に抑えられるため、地域住民への負担軽減にもつながるという。

    記事内画像

    AIが見せた可能性と、現場ならではの「壁」

     技術的検証においては、AIによる劣化判定の自動化に向けた一定の手応えが得られたようだ。学習データの拡充や生成AIの活用により、さらなる精度向上やシステム構築の効率化が見込まれるという。

     一方で、実証実験だからこそ見えてきた課題も少なくない。管路内の「汚れ」や「曇り」といった過酷な環境下では、AIが過検出を起こすケースや、流れが緩やかな場所での泥詰まりといった機器面での改良の必要性も指摘された。こうした現場特有のノウハウの蓄積こそが、実用化に向けた大きな一歩と言えるだろう。

    デジタル化の先にある「修繕判断の最適化」

     今後の展望として語られたのは、単なる点検の自動化にとどまらない、一連の業務プロセスのデジタル化だ。

     点検データ、AIの判定結果、そして過去の修繕履歴を一元化して可視化する「ダッシュボード」の構築を目指すという。これにより、どの管路を優先的に直すべきかという「修繕判断」そのものの効率化を狙う構えだ。

    記事内画像 [▲画像:今後の取り組みについて]

     また、こうした新技術の普及には制度面の整備も欠かせない。現在、簡易検査に関する行政上の明確な基準が未整備であることから、今後は自治体と連携し、検査基準の確立にも取り組んでいく方針だという。

     今回の発表会には、北海道新聞社や公明新聞北海道支局といったメディアも参加。インフラ維持管理という、目には見えないが社会を支える重要領域への関心の高さがうかがえた。

     本発表会の詳細なアーカイブ動画は、【こちら】から確認することができる。

    企業概要

    デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社
    東証プライム(証券コード 3916)に上場。ソフトウェア開発事業を主軸に、DX推進を牽引する。
    URL:https://www.ditgroup.jp/

    DAIKO XTECH株式会社
    東証スタンダード(証券コード 8023)上場。ITインフラ構築からシステム開発まで、企業のデジタル変革を支える総合ITソリューションを展開。
    URL:https://www.daiko-xtech.co.jp/

    株式会社ディアンド
    IoT/DX製品の製作や実証実験、技術コンサルティングに強みを持つ、DAIKO XTECHのグループ会社。
    URL:https://d-and.jp/

    本件に関するお問い合わせ

    デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社
    〒041-1242 北海道北斗市市渡1-7-5 テテ・ホクト2F
    TEL:03-6311-6520(担当:DXビジネス事業部)
    E-mail:doki.kohei@ditgroup.jp

    報道関係者からのお問い合わせ

    デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社
    TEL:03-6311-6520(担当:IR部)
    E-mail:ir_info@ditgroup.jp

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