THE CIO LOUNGE 第5回――経営者が...
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THE CIO LOUNGE 第6回──AI時代だからこそ“ローテク”が不可欠。経営コンサルタントが語る、人とテクノロジーをすり合わせる極意
ビジョナリー編集部 2026/03/19
FM大阪で放送中のラジオ番組『THE CIO LOUNGE』。ビジネスとITが切り離せない時代、企業はどのようにシステムを理解し、活用していくべきなのか。第5回では、その鍵となる「オブザーバビリティ」という概念が取り上げられた。そして2月7日放送の第6回、続く第7回では、長年にわたり企業改善の現場に寄り添ってきたアットストリームパートナーズ合同会社の理事長・代表パートナー 大工舎宏(だいくや ひろし)氏を迎え、AIが進化する時代におけるコンサルティングの価値、そして“すり合わせ”という日本的な強みについて伺った。コメンテーターはNPO法人 CIO Lounge理事長の矢島孝應氏。
※こちらから番組収録時のディレクターカット版をお聞きいただけます。
https://www.fmosaka.net/_ct/17822250
経営課題はどう“見える化”されるのか──ITアドバイザーと企業コンサルの役割とは
矢島: 我々CIO Loungeは、経営者やIT推進の責任者の方のご相談相手になってアドバイスをさせていただいています。一方で組織の改善を進めていこうとしていた場合には、企業改善のコンサルティングの知見も必要になります。そこにおいて、実際にお客様に伴走していただいているのがアットストリームさんです。
珠久: ひと口にコンサルティングと言っても、本当に分野が幅広いですよね。アットストリームさんはどのような分野に力を入れているのですか。
大工舎: 会計、IT、生産、営業、人・組織という5つの人材カテゴリーをバランスよく構成し、企業経営改善のコンサルティングをさせていただいています。会計に強い人とITが強い人が組むことで、その企業をITを使ってしっかり見える化する。生産とITの掛け合わせで製造部門がすごく良くなる。こうした掛け合わせで、お客様のお困りごとを解決します。そして、5つのカテゴリーの中心にKPIを置いています。
珠久: KPIとは何なのか教えてください。
大工舎: KPIは「Key Performance Indicator」の頭文字で、定量化のための指標です。企業活動を指標でしっかり見える化をして、それによって企業が良くなるよう支援するのです。大手企業さんも含めていろんな事例を経験することができて、振り返ると私自身のライフワーク的な分野にもなっているのですが、これは人を評価して組織をギスギスさせるものではなく、実態を理解して良い方向に持っていこうという目的で定められたものなのです。
専門家集団が支える“寄り添うコンサル”のかたち
珠久: 実際のところ、コンサルはコストがかかるものだと思いますが、成果目標はどう設定されているのですか。
大工舎: コンサル料は安くはないので、その価値や期待を超えるご支援を我々ができているかどうかについていつも振り返っています。「アットストリームさんがいてくれて助かった」と言われるような会社になろうと、うちのメンバーにも繰り返し伝えています。ITに詳しい人間、製造に詳しい人間など、それぞれの専門性と経験が重要で、その経験の積み重ねをお客様のために活かしています。
矢島: コンサルティングは、経営者がどこに悩みを持っているかをしっかり見極めないといけない。アットストリームさんはそのあたりを各専門家が細やかに見てくれて、言いっぱなしにせず伴走してくれます。
大工舎: ですから、お客様との関係性は「細く長く」が多いです。「今ちょっとこんなことに困っているんだけど」と折々にご相談をいただき、お客様の実情に合わせてお付き合いしています。そしてまた忘れた頃に「またアットストリームさんに相談しよう」と思っていただける、そんな会社ですね。方法論も大事ですが、それらをそれぞれの企業に合った形で適用していくことが大切です。会社ごとの特徴に寄り添って、経験を活かして合わせていくのが、我々の持ち味かなと思います。
珠久: 大工舎さんはアットストリームを設立される前、世界5大会計事務所であるアーサー・アンダーセンにお勤めだったのですね。
大工舎: そうですね。何万人も職員がいるグローバル企業で、監査、税務、それからビジネスコンサルティングを展開していました。最初にこの会社で10年、本当に良い経験、勉強をさせていただきましたが、日本でコンサルティングを進めるうえでは、世界的なファームの手法では手の届かないところもあります。規模より質、もっとじっくりとコンサルティングに取り組める環境をつくろうという数人が集まったのが、アットストリームの始まりです。
▲アットストリームパートナーズ合同会社理事長・代表パートナー 大工舎宏氏(奥)
AIでは置き換わらない価値──ローテクとの“すり合わせ”が企業改善の核心
珠久: コンサルティングがAIに置き換わる可能性はありませんか。
大工舎: 情報収集や分析など、いろいろな分野でAIが活用されていくのは当然の流れだと思います。一方で、会社を良くするということを考えると、経営者の考えやその会社の歴史、風土といったものがあります。手法の適用の仕方は本当に千差万別で、お客様ごとに考えていくことが必要です。人と人の考えのすり合わせに、我々の仕事の本当の価値があるのです。我々も仕事柄テクノロジーの理解はありますし、活用もします。ただ、そういった意味で我々の肝はローテクです。ハイテクではなく、胸を張ってローテクと言っています。
矢島: ローテクで思うことがあるのですが、AIっていうのは頭ですよね。対して、手・足・身体は機械です。いわゆる機構系、メカと言われる世界です。いわゆるCPUやコンピューターなどの部分ではなく、昔ながらのギアだとか、鋳造やすり合わせ(機械部品の接合面を密着させる仕上げ作業)で鉄製品を作る技術。ここは日本が世界一なんです。今後AIがどんどん進化していく中で、ロボットの進化は必然です。中国やアメリカのロボットは頭はいいんですけど、手足は弱いんですね。だから、これからAIが進めば進むほど、日本の得意なメカの分野はものすごく伸びていくと私は見ています。ローテクの世界、すり合わせの世界が日本の産業を救っていくと信じています。
大工舎: キーワードは“すり合わせ”ですね。テクノロジーは使うけれど、そこをすり合わせていくところに価値がある。
(第7回へ続く)

※こちらから、番組収録時のディレクターカット版をポッドキャストでお聞きいただけます。
https://www.fmosaka.net/_ct/17822250
※こちらから、収録の雰囲気も楽しめるYouTube動画をご覧いただけます。 https://www.youtube.com/watch?v=nNif8fD9AEg&t=10s
<番組情報>
番組名:「THE CIO LOUNGE」
放送日時:毎週⼟曜⽇ 7:00〜7:25
放送日:2026年2月7日(土)7:00〜7:25
放送局:FM大阪
ゲスト:大工舎 宏(だいくや・ひろし)アットストリームパートナーズ合同会社 理事長・代表パートナー
大学卒業後アーサー・アンダーセンに入社。その後、2001年に株式会社アットストリームを共同設立。2013年に代表取締役に就任し、2018年に現在のアットストリームパートナーズ合同会社を共同設立。株式会社アットストリーム 代表取締役。アットストリームコンサルティング株式会社 非常勤取締役。公認会計士。
コメンテーター:矢島 孝應(特定非営利活動法人 CIO Lounge理事長)
元ヤンマー株式会社取締役CIO。パナソニック、三洋電機、ヤンマー3社で情報システム責任者を経験。現在理事長を務めながら、数社の社外取締役や顧問等の立場で活動。趣味はゴルフとワイン。
パーソナリティー:珠久 美穂子(FM大阪DJ)
大阪府出身。2000年にFM大阪の『Hit Street Midnight Special』でDJデビュー。趣味はドローン、ゴルフ、テニス。珠算検定2級、暗算検定2級、秘書検定2級。


