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2026

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    なぜ無線機大手が「中学校」へ? アイコムが仕掛ける、企業の強みを活かした“次世代防災教育”の最前線

    なぜ無線機大手が「中学校」へ? アイコムが仕掛ける、企業の強みを活かした“次世代防災教育”の最前線

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    スマホ不通の混乱をどう生き抜くか? 無線機大手アイコムが中学生に授ける「命をつなぐ」教育プログラム

    災害時の「通信の空白」を埋める、プロの知見を教材化

     大規模災害が発生した際、私たちが最も頼りにするスマートフォンが繋がらなくなる。そんな極限状態での「命をつなぐコミュニケーション」を支えるのは、実は今も昔も無線機だ。

     無線通信機器の国内大手・アイコム株式会社(所在地:大阪市平野区、代表取締役社長:中岡 洋詞)は、全国の中学校を対象に、「無線機を使った防災訓練の教育プログラム」の提供を開始したという。これは中学教員向けの教材で、特筆すべきは免許や資格が不要なトランシーバー20台をセットにして、各校に無償で貸し出すという点だ。

     阪神・淡路大震災の発災日前日となる2026年1月16日(金)、同社は特設サイトでの受付をスタートさせた。同年3月には、大阪市の私立桃山学院中学校でのデモ授業も予定されており、これを皮切りに全国の学校へと取り組みを広げていく構えだ。 記事内画像 記事内画像 ※スマホとの違いやトランシーバーの使い方などをまとめた動画(画面キャプチャ)とロープレ訓練をセットで無償貸与

    「大事なことは二度繰り返す」は人命救助に有効、混乱下での無線機の使い方を学ぶ

     このプログラムが目指すのは、単なる機器操作の習得ではない。災害時を想定し、生徒が「避難者」や「食料確保」に関する情報を伝えることを通じ、トランシーバー特有のコミュニケーション術をロールプレイング形式で学ぶ。

     教材として、指導マニュアルやワークシートのほか、なぜ災害時にスマホではなく無線機が有用なのかを解説する動画も提供する。開発にあたっては、学校現場の教諭らへのヒアリングを重ね、「1コマ(50分)の授業で完結させたい」という切実なニーズを反映させたという。

     避難所での安否確認や運営本部との連絡において、無線機は今や不可欠なツールだ。しかし、その特性を知らなければ、混乱下で正確な情報は伝わらない。 「大事なことは二度繰り返して伝える」 といった有効な伝達手法を中学生のうちから体得しておくことは、まさに有事の際、自分や周囲の命を救う具体的な手段となる。

     教材一式の貸し出しは、以下の特設サイトから申し込むことが可能だ。
    特設サイトはこちら

    校内に散らばる避難者を無線で誘導! 4チームで挑む “防災ミッション”

     本プログラムは、動画視聴(9分)、ロールプレイング訓練(20〜30分)、振り返り(5分)という3部構成になっている。授業のメインとなる訓練では、チームごとに配布されたトランシーバーを使い、生徒たちが重要なミッションに挑む。

     課される課題は、「避難者の人数や年齢を把握して安全な場所に誘導し、食料を必要分確保すること」。最大40人が参加し、以下の4つの役割に分かれて連携を図る。

    • 避難者を発見するチーム
    • 避難者に必要な食事の情報を集めるチーム
    • 非常食を見つけるチーム
    • 全体に指示を出す作戦本部チーム

     
     生徒たちは校内に隠された「避難者カード」や「非常食カード」を探索。カードを発見するたびに、無線機を通じて報告し合う。  「こちらAチームです。1階の廊下で大人5人の<避難者カード>を見つけました。大人5人です」
     「こちらBチームです。スタート地点の教室でパン30個の<非常食カード>を発見。30個です」
     「こちら本部です。Aチームは、教室に戻ってください。教室です」
     このように、情報を相互に伝えながら、任務を完遂していく。訓練終了後の振り返りでは、「無線機がなかったらどうなっていたか?」といった問いを通じて、その利便性と重要性を深く定着させる狙いだ。 記事内画像 記事内画像

    企業の強みを生かした学校向け教材や授業、広がる

     昨今、こうした企業の専門性を活かした教育支援がトレンドとなっている。音楽大手が洋楽を用いた英語教材を提供したり、金融グループが小学校で「お金の授業」を行ったりするケースが増えている。アイコムによるこの試みも、通信インフラのプロが次世代の防災力を底上げする活動として、大きな意義を持つといえるだろう。

    アイコム株式会社について

    アイコム株式会社は、東証プライム上場(6820)の無線通信機器の総合メーカー。1954年の創業以来、陸上業務無線から海上、航空、衛星通信、アマチュア無線に至るまで、信頼性の高い製品を世界中に提供。その技術は、官公庁や空港、船舶、警備など、社会の安全を支えるあらゆる現場で採用されている。

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