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日比谷花壇が挑む「エコ・ファーストの約束」。業界のトップランナーが見据える未来
ビジョナリー編集部 2026/01/27
花の力で未来を潤す。日比谷花壇が花き業界初の「エコ・ファースト企業」に認定、その野心的な挑戦とは
2026年1月14日(水)、株式会社日比谷花壇が、環境大臣に対し環境保全の取組みを約束する「エコ・ファースト制度」において、花き業界初の認定を受けた。
「すべての明日に、はなやぎを。」を掲げる同社は、単に美しい花を届けるだけでなく、その背景にある地球環境への責任をどう果たしていくのか。老舗企業が示す、持続可能な花き文化の未来図を見ていく。
業界の模範へ、環境省が認めた「エコ・ファースト」の重み

環境省の「エコ・ファースト制度」とは、企業が地球温暖化対策やリサイクル推進などの先進的、かつ独創的な取組みを環境大臣に約束するものである。今回、日比谷花壇を含む9社が新たに加わり、認定企業は全国で102社に到達した。

認定式で同社は、石原環境大臣から認定証を授与された。これから花き業界のトップランナーとして、業界全体の環境経営を牽引する役割が期待されることとなるだろう。
花き業界が直面する「華やかな舞台」の裏側の課題
近年の気候変動や燃料価格の高騰は、花を育てる生産現場に深刻な影を落としている。温室栽培での加温によるCO2排出や、輸送時の負荷、そして梱包資材にまつわるプラスチック廃棄。これらは、花き産業が避けては通れない共通課題である。
日比谷花壇は、産地と消費者を繋ぐ立場として、単なる「販売」の枠を超え、持続可能な生産体系への転換を支援する姿勢を示している。同社の代表取締役社長、宮島浩彰氏は、「小売が主体的に動くことで、生産者を含む業界全体の環境意識を高めることが重要」と語り、ステークホルダーを巻き込んだ改革を目指しているという。
2050年ネットゼロへ。日比谷花壇が掲げた「約束」
認定に際し、同社は具体的な「エコ・ファーストの約束」を宣言した。その内容は、極めて具体的かつ挑戦的である。
- 2050年の「ネットゼロ」実現
- 2035年までに温室効果ガス排出量を50%削減(2023年比)。
- 事業所における再生可能エネルギー導入を2040年に100%達成。
- プラスチック廃棄の削減と転換
- 2035年までに、使用するプラスチックを再生品やバイオマス素材へ100%転換。
- 持続可能な生産と流通の推進
- 環境配慮型生産品の取り扱いを2035年までに50%以上へ。
- 2035年までに、国産品シェア80%を達成し、カーボンフットプリントを低減。
- 環境マネジメントの強化
- 「エコステージ」を導入し、ESG経営を基盤化。
- 社会貢献と教育(花育)
- 公園や自治体と連携し、自然学習や保全活動を通じて環境課題の解決に邁進。
同社はこれらの進捗を定期的に環境省へ報告し、公式ウェブサイトなどで公表していくとしている。
すでに始まっている、多角的な環境経営の事例
日比谷花壇は、今回の認定に先んじて数多くの取組みを展開している。その領域は、エネルギーから商品開発、生産支援まで多岐にわたっている。
エネルギーと経営基盤の刷新

本社を含む4拠点でバイオマス発電による電力を導入済み。さらに2025年7月には、環境マネジメントシステム「エコステージ」の認証を取得するなど、経営基盤の強化を急いでいる。
脱プラスチックと商品イノベーション

環境配慮型の花や資材のみを扱うポップアップショップ「サステナチャレンジショップ」を定期的に開催。

100%紙素材の「シュシュフルール」やトウモロコシ由来のバイオマス花器など、資材の脱プラ化を推進している。

また、葬儀業界向けにも、吸水スポンジの使用量を削減した新ブランド「SusBase(サスベース)」を提案し、業界全体の負荷低減に挑んでいる。
次世代の生産支援と社会貢献

株式会社TOWINGと提携し、高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を活用した脱炭素型の花き生産を推進。

また、MPSジャパンとの包括協定により、国際基準に基づいた安全・安心な供給体制の構築も進めているとのことだ。


さらには、小学校での「花育」活動や、東京家政大学との包括協定による人材育成など、次世代への教育にも余念がない。
花を愛でる文化を、100年先も続くサステナブルなものへ。日比谷花壇の「エコ・ファースト」への挑戦は、花き業界のスタンダードを大きく塗り替えていくことになるだろう。


