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2026

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    外来種って何が問題?今すぐできる生態系を守る3つの行動

    外来種って何が問題?今すぐできる生態系を守る3つの行動

    「外来種」とは何か?

    みなさまは「外来種」と聞いて、どんな生き物を思い浮かべますか?南国からやってきた珍しい動植物?それともニュースで話題になる危険生物でしょうか。実は、外来種は私たちの生活のごく身近なところに存在しています。

    たとえば、四つ葉のクローバーで有名な「シロツメクサ」。これも本来は日本にいなかった外来種です。こうした外来種の多くは、私たち人間の活動や流通の発展とともに日本各地へ広がっていきました。

    外来種の定義と種類

    外来種とは、もともとその地域にいなかったにもかかわらず、人の活動によって持ち込まれ、定着した生物全般を指します。ここでポイントとなるのは「人間の活動による移動」であり、自然の力(風や渡り鳥など)でやってくるものは含まれません。

    さらに、外来種には「国外由来の外来種」と「国内由来の外来種」があります。たとえば、本州にしかいなかった動物が人の手で北海道に運ばれると、それも外来種とみなされます。

    外来種がもたらす“脅威”

    外来種はなぜここまで社会問題として取り上げられるのでしょうか。その理由は主に以下の3点に集約されます。

    1. 生態系への深刻な影響

    長い年月をかけて築かれた生態系のバランスは非常に繊細です。そこに外来種が侵入すると、在来種との“生存競争”が発生します。たとえば、アカミミガメは日光浴や食べ物をめぐって在来種のカメと競合し、結果的に在来種の減少や絶滅を招くことがあります。

    また、アメリカザリガニは水生植物を食い荒らし、在来の水生昆虫や甲殻類の生息地を奪い、地域の生物多様性を著しく損なっています。

    2. 人間社会への直接的な被害

    一部の外来種は、農作物や家畜に甚大な被害をもたらします。たとえば、キョン(小型シカ)は農地を荒らし、農業被害が深刻化。毒を持つセアカゴケグモやヒアリなどは、私たちの健康や安全を直接脅かす存在です。

    3. 経済への影響と社会的コスト

    農林水産業への損害はもちろん、観光資源への打撃や防除対策に要する莫大なコストも無視できません。ブラックバスやブルーギルのような外来魚は、水産業に大きな打撃を与えるほか、元々その地域に生息していた貴重な魚種の漁獲量減少や絶滅にもつながっています。

    代表的な“侵略的外来種”

    ここからは、近年日本各地で深刻な問題となっている外来種の一部を具体的にご紹介します。

    アカミミガメ(ミドリガメ)

    記事内画像 ペットとして馴染み深いアカミミガメですが、今や日本全国の池や川で目にする存在です。繁殖力が非常に高く、在来カメ類との生存競争を引き起こしています。2023年6月からは「条件付特定外来生物」として新たな規制が始まりました。

    飼い主の責任が問われる

    「大きくなって飼いきれなくなった」「飽きてしまった」といった理由で、安易に池や川へ放すことは絶対に避けなければなりません。こうした行為は法律違反となり、厳重な罰則が科される場合もあります。ペットとして迎え入れる前に、寿命や成長後の大きさをしっかり理解し、終生飼養の覚悟が必要です。

    アメリカザリガニ

    記事内画像 小学生の“川遊びの友”として知られるアメリカザリガニも、外来種の代表格です。日本各地に広まり、水生植物を消失させたり、在来のニホンザリガニの生息環境を脅かしています。アメリカザリガニが媒介する病気(ザリガニペストや白斑病)も在来種にとって大きなリスクです。

    ブラックバス

    記事内画像 釣り愛好家にはおなじみのブラックバスも、北米から持ち込まれた外来魚です。強い捕食性と繁殖力で、在来魚や水生昆虫を食べ尽くし、生態系のバランスを崩しています。

    フイリマングース

    記事内画像 近年大きな注目を集めたのが、奄美大島での「フイリマングース根絶宣言」です。もともと沖縄島から持ち込まれたこの小型肉食獣は、希少な固有種であるアマミノクロウサギやケナガネズミなどを捕食し、急激な生態系の崩壊を招いていました。しかし、「奄美マングースバスターズ」など多くの関係者による長年の根気強い防除活動により、2024年にはついに根絶が宣言されました。生態系回復の兆しも見られ、今後の外来種対策の“希望の光”となっています。

    近年さらに問題化している外来種

    近年は、従来知られていた外来生物に加え、国内で新たに定着が進んだり、発見件数が急増した外来種が注目されています。SNSで話題になることも多く、生態系や暮らしへの影響が懸念されています。

    ヒアリ

    記事内画像 猛毒を持ち、刺されると激痛やアナフィラキシーを引き起こす危険外来種。港湾や物流拠点での発見例が続き、国は監視体制を強化しています。

    アフリカツメガエル

    記事内画像 研究用・ペット用として輸入されていたが、逃亡・遺棄によって野生化。オタマジャクシや水生昆虫を大量に捕食し、水域の生態系を急激に変えてしまいます。

    アライグマ

    記事内画像 農業被害や家庭被害(家屋破損・糞害)が全国で社会問題に。感染症リスクや野生動物への捕食も深刻で、自治体が捕獲を強化しています。

    ヌートリア

    記事内画像 暖冬で北上が加速し、西日本を中心に農業被害が急増。河川堤防を掘って崩れやすくしてしまうなど、人間の生活基盤への影響も大きくなっています。

    カミツキガメ

    記事内画像 強い噛む力を持つ危険外来種で、在来魚・小動物を捕食して水域の生態系を破壊。各地で捕獲が進められています。

    外来種対策の最前線

    外来種の脅威は、決して国や専門家だけが考えるべき課題ではありません。実は、私たち一人ひとりの“ちょっとした行動”が、地域の環境保全に大きく貢献します。

    外来種被害予防“三原則”

    1. 入れない

    悪影響が懸念される生物を、もともといなかった地域に絶対に持ち込まないこと。

    2. 捨てない

    飼っている外来種や不要になった植物を、絶対に野外に放さないこと。ペットの飼育が難しくなった場合は、新たな飼い主を探す努力が必要です。

    3. 拡げない

    すでに野外で定着している外来種を、他の地域に移動させないこと。

    日常で気を付けたいポイント

    • 海外旅行や出張の際、動植物や土などを安易に持ち帰らない
    • ペットや観賞魚・植物を最後まで責任をもって飼う
    • 野外で外来種を見かけても、むやみに捕まえたり移動させたりしない

    外来種問題の本質

    外来種問題のほとんどは、私たち人間の行動が引き金となっています。「面白そう」「かわいいから」「便利そう」といった一時的な理由で持ち込まれた生物が、想像を超える被害をもたらすことも少なくありません。

    一方、外来種のすべてが“悪者”というわけではありません。農作物や家畜など、私たちの暮らしを支えてきた外来種も数多く存在します。しかし、予想外の影響を防ぐためには、法律や規制をしっかり守り、適切な管理・飼育・流通に努めることが欠かせません。

    まとめ

    外来種による在来種の危機は、今や日本全国のどこでも起こりうる“現実の課題”です。しかし、私たち一人ひとりが「入れない・捨てない・拡げない」という予防原則を意識し、責任ある行動をとることで、未来の生態系を守ることができます。

    自然豊かな日本の風景や生態系を次の世代へと手渡していくために、今できることからはじめてみませんか?

    #外来種#生態系破壊#生物多様性#環境問題#生態系保全#外来種対策#環境保護

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