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2025

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    第一次産業が成長産業になるために

    #29第一次産業が成長産業になるために

    原石からダイヤへ

    これからの私の夢を語るならば、それは、日本が「ものを作る人々」を心から尊敬し称える国になることです。農業、畜産、漁業――命の源となる食を生み出す人々が、なぜか社会から正当に評価されず、見過ごされがちであるということ。私はこの現状を、なんとしても変えたいと思っています。

    伝統工芸の世界でも、同様の構造が見られます。素晴らしい手仕事をされている作り手がいても、影響力のあるキュレーターやデザイナーが「発掘」しない限り、なかなか光が当たりません。もちろん、作り手の価値を見出し、世に送り出す目利きの方々の存在は非常に尊く、心から敬意を表します。しかし、誰かの推薦がなければ価値が認められないという状況は、あまりに不健全ではないでしょうか。一部のスター的な作り手と、その他大勢の無名の人々。世の中は、どうしてもそのように二極化しがちです。

    日本は、ものづくりによって発展してきた国です。だからこそ、ものを作る人々が最も尊敬される社会を目指すべきだと、私は強く信じています。

    見方を変えれば、農業はこれから間違いなく成長産業になります。いや、そうならなければいけないのです。私の夢を、より具体的に言えば、「農業の生産価値と社会的価値を高め、成長産業へと転換させること」。それによって、食産業全体に新しい調和と、私が「オーケストレーション」と呼ぶ新たな産業構造を生み出し、日本の食を足元から強くすることです。

    この夢を実現するための目標が、「食料自給率100%の達成」です。これは、国を挙げた挑戦に他なりません。 そのために、私たち国民一人ひとりができることがあるはずです。

    1. 自ら「作る人」になり、あるいは「作る人」を支える、育てる。
    2. 作り手を心から応援する「応援団」になる。
    3. その「応援団」を、さらに応援する。

    この3つのうち、誰もがどれか一つに関わることができる社会を目指したい。特に若い世代には、「一緒に農業をやろう」と、私は声を大にして言いたいのです。

    同時に、私たちは食産業が抱える構造的な問題にも目を向けなければなりません。一次産業や外食産業は、驚くほど労働負荷が高いのが現実です。その構造を無視して、一部の企業を「ブラック企業」だと社会的に断罪するのは、本質的な解決にはなりません。

    考えてみてください。「なぜ夜遅くに開いていないの?」「もっと安くならないの?」「24時間営業じゃないのか」。このような、私たち消費者の声に応えようと、生産者から飲食店のスタッフまで、みなが無理を重ねてきた結果が、今の社会の姿なのです。人が減っていくこれからの時代、私たち生活者自身の意識も変わるべき時が来ています。

    ZEROCOの技術は、この問題を根底から変える力を持っています。生産物の鮮度を保ち、在庫管理と出荷調整を可能にすることで、収益性はもちろん、働き方そのものが変わる。人的労力の大幅な削減につながり、「人が辞めない現場」をつくれるのです。

    私が目指すのは、完全週休二日制が当たり前の、持続可能な一次産業です。お盆や年末年始には家族と旅行に行ける。そんな働き方を、農業でも畜産でも、当たり前にしていきたい。 そのためには、ZEROCOの技術に加え、カフェ・カンパニーで培ってきたブランディングやマーケティングのノウハウを食産業全体に応用し、一つひとつの地域の個性を輝かせていく必要があります。

    ITベンチャーやYouTuberが憧れの職業となったように、「次は農業だ!」。 優秀な若者が、農業に憧れ、情熱をもってこの世界に飛び込む――。私は、本気でそんな未来を実現したいと思っています。

    #食産業#foodbusiness#コミュニティ#zeroco#一次産業
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