「レブロン大革命」で貫いた「名前を呼ぶ」コミュニ...
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#17「楽しく働く(Fun to work)」環境こそ成長と変革の原動力
浅見 隆 2025/11/17
組織を変革し、活性化させるためには何が必要か。私は、その鍵は「モチベーション」と「イノベーション」の2つにあると確信しています。
元日本IBMの副社長を務められた方と話した際にも、自分自身、社員、そして会社を取り巻くステークホルダー(利害関係者)の「モチベーション」が極めて重要だという点で完全に意見が一致しました。私自身のモチベーションが上がると、私と話している顧問先の方々のモチベーションも上がるものです。モチベーションは、すべての原点なのです。
そして、もう一つの「イノベーション」なくして、企業の成長はあり得ません。
しかし、日本はイノベーションが非常に起こりにくい国だと感じています。その最大の理由は、組織に「多様性(ダイバーシティ)」がないことです。日本のマネジメントの典型は、ざっくりと言えば「日本人、男性、生え抜き」で構成されています。これではイノベーションは起こりません。
例えば、私の顧問先であるハウジングメーカーでは、20名ほどが参加する会議に、住宅に最も関心があるはずの女性が一人も入っていないのです。これでは新しい発想は生まれないでしょう。イノベーションを起こすには、年齢も、職業も、文化(国籍)も、多様であるべきなのです。
変革の必要性は、意外とシンプルなところに表れます。
年商2,800億円、社員4,000人規模のある会社の社長から聞いた話ですが、そこでは部長以上が200〜300人集まるミーティングがあるそうです。しかし、驚くべきことに、参加者全員が黒、濃いグレー、紺といった、似たような色のスーツを着ているというのです。
こうした外見からも、変革の必要性が分かります。外資系企業は、あえて違うことを意識的に取り入れます。
私がレブロンにいたときも、通常はスーツとネクタイですが、月に一度、金曜日に「スーパーカジュアルフライデー」を設けました。その日は私もジーンズを履いて出社する。たったそれだけの外見の変化ですが、オフィスの雰囲気はガラリと変わるのです。
ユニフォームが一体感を生むように、こうした小さな変化が意識を変えます。そして、イノベーションやチェンジを実行する上で最も重要なこと。それは、「楽しくやること」です。
日本の会社は真面目ではありますが、残念ながら「ワクワク感」がありません。仕事が面白くない、エキサイティングではない場所から、イノベーションは絶対に生まれません。「これをやったらウケるのではないか」「こんなことをしたら面白いのではないか」――。社員がそう思える環境を作ることが不可欠です。
「Fun to work(楽しく働く)」
給料をもらったから一生懸命やる、という発想ではなく、働いていること自体が楽しい。そう感じられれば、生産性も上がり、チームワークも当然良くなります。私が社長を務めたレブロンは特に女性が多い会社でしたが、この「楽しく、ワクワク働く」環境を追求したことが、成功要因の一つであったと自負しています。
経営には、「継続的利益ある成長」という数字で表せるものと、「素晴らしい職場環境を作る」という数字では表しにくいものの両方が必要です。しかし、日本の多くの会社は、とにかく売上と利益を出すという、前者だけに注力しすぎているように見えます。
私自身、アメリカのグローバル企業で長く働きましたが、辛いことや嫌なことも含めて、振り返ればやはり「楽しかった」。常にワクワクしながら仕事をしていました。その経験が、私の経営哲学の根幹となっています。


