若者よ、海を渡れ。77歳が描く『モチベーション4...
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#29人生を楽しむSMART目標戦術
浅見 隆 2025/11/29
私は常々、人生とビジネスは同じだと考えています。人生を成功させる考え方と、ビジネスを成功させる考え方はほぼイコールなのです。
ビジネスには「短期戦略」と「中長期戦略」が必要です。今日のご飯を食べ、今年を生き抜くための短期戦略。そして、10年後にどうなっていたいかを描く中長期戦略。これは人生も全く同じです。
私は、自分の人生の目標やビジョンを、頭の中でなんとなく思うだけでなく、必ず「文書化」するようにしています。文書化しないと、その思いは明日にでも消えてしまうからです。
私が掲げている中長期ビジョンは、以前にも申し上げましたが「愛と自由とSome Money」です。
「愛」とは、家族や友人、そして新しい出会いを含めた、良好な人間関係のこと。「自由」とは、単に暇があるということではなく、仕事も趣味も自分で選択できる自由のこと。そして「Some Money」とは、この資本主義社会で生きていくために必要なお金のことです。最近、買い物をする機会があり、トマト3個が700円もすることに驚愕しました。生きていくにはお金がかかるのです。
外資系4社を渡り歩き、厳しいことも多々ありましたが、このビジョンを何十年も前に文書化し、意識し続けてきたからこそ、今の自分があるのだと思います。
人生もビジネスも、目標は「SMART」であるべきです。そして、それを常にリマインドできる場所に置いておくことが重要です。
例えば、「いつかベンツを買いたい」と言っている人で、実際にベンツを買った人を見たことがありません。「いつか」とはいつなのか。それが決まっていないからです。
これを文書化するなら、「来年の12月末までに、ベンツのCクラススポーツを買う」とします。すると、期限(Time-bound)が決まり、価格が800万円だと分かれば(Measurable)、自己資金300万円とローン500万円という具体的な段取り(Achievable)が見えてきます。
英語学習も同じです。「頑張って英語を話せるようになりたい」と言うだけで話せるようになった人はいません。「2年後の年末までに英検2級を取る」「TOEICで〇〇点を取る」という具体的な目標(指標)を立てない限り、それは単なる「意識」だけで終わってしまいます。
私はこの「目標設定と実行」を、日常生活のあらゆる場面で実践しています。
例えばカラオケ。先日、ある歌手の曲を聴き、「これは絶対に歌えるようになりたい」と思いました。そこで私は、YouTubeで曲を聴き込むだけでなく、実際にカラオケボックスに行き、たった2曲のために2時間かけて練習しました。聴いて、歌って、録音して確認し、また歌う。「次のカラオケ会でデビューさせる」という目標があったからこそできたことです。
健康管理のためのウォーキングもそうです。1日8,000歩という目標がありますが、飲み会などで歩数が足りない日は、タクシーで家の前まで帰らず、あえて手前の駅まで行ってそこから歩くなどして帳尻を合わせます。
小さなことかもしれませんが、自分で設定した目標を達成すると、モチベーションが上がります。それは仕事だけでなく、遊びでも同じです。目標を立て、それをクリアする喜びを感じながら生きていく方が、人生は断然楽しいものです。
最後に、私が最近感銘を受けた話をお伝えしましょう。葛飾北斎です。
長野県の小布施町にある北斎館を訪れた際、彼が88歳のときに岩松院(がんしょういん)の天井画を完成させたことを知りました。驚くべきことに、北斎は83歳から88歳までの間に、江戸から小布施まで、片道5、6日かかる道のりを4、5回も徒歩で往復しているのです。平均寿命が40〜50歳だった時代に、80歳を超えてなお、それだけの情熱をもって筆を執り続けた。
「一体、俺は何をしているんだろう」と、77歳の私は思わず自問しました。
もちろん北斎と自分を比べるのはおこがましいですが、あの情熱と目標に向かう姿勢は見習いたい。もう一度ギアチェンジをして、新たな目標を立て、ハッピーな人生を送るために頑張りたい。そう強く思わされました。
人生もビジネスも、明確なビジョンを文書化し、短期と中長期、ミクロとマクロの視点をもちながら、情熱をもって歩み続けること。それが、私がたどり着いた「成功と幸福」の方程式なのです。


