サッチャーを変えた「声」の戦略――勝敗を分けるパ...
SHARE
#23トム・ピーターズが定義する「自分株式会社」の経営術――パーソナル・ブランディングの正体
植山 周一郎 2025/12/23
私のレクチャーの中でも、グロービス経営大学院などで特に好評だったのが、「パーソナル・ブランディング」というテーマです。これは日本人にはあまり馴染みのない言葉ですが、欧米の経営者やマーケティング担当者は非常によく使う概念です。
企業がソニーやベンツといったブランドを持つように、私たち自身も「ブランド」なのです。「植山周一郎」というブランドを、信頼感、誠実、正直、面白い、明るいといった要素で固めようと考える。そして、それをどうやって表現すれば、聞いた人、見た人が「この人は面白そうだな」「一緒に仕事ができそうだな」というポジティブなイメージを抱くか、これがパーソナル・ブランディングです。
この概念について、Amazonの創業者、ジェフ・ベゾスは面白いことを言っています。「パーソナル・ブランディングとは、あなたが部屋を出て、いない間に他の人たちがあなたについてしゃべることだ」と。本人の前では言えない、「あいつはこういう奴だよな」「こういうところはマイナスだよね」といった、あなたが不在の場で語られる評判こそが、あなたのブランドの真の姿だというのです。
また、『エクセレント・カンパニー』の著者であるトム・ピーターズは、"You are a brand" and "We are CEOs of our own companies: Me Inc."「我々は全員『Me Inc.(自分株式会社)』の経営者だ」と言っています。自分という会社の経営者であり、宣伝部長でもある。その「自分株式会社」をいかにポジティブなイメージとして世の中に発信するか、これがあなたの最大の仕事だというわけです。これは、案外日本人は気がついていない視点だと思います。
政治家などは、本当はこのパーソナル・ブランディングを一生懸命勉強しなければいけません。演説で原稿を読みながら話したり、「あー」「うー」と言ってしゃべり方が下手だったり、服装がダサかったりする。これらすべてが、パーソナル・ブランディングを構成する重要な要素なのです。
あなたの発信しているシグナルは、大きく分けて3つあります。
視覚的な情報:髪型、眼鏡の形、笑顔、着ているもの、ジェスチャー、目で見えるものすべてです。
聴覚的な情報:声です。しゃべり方、滑舌の良さ、声の大きさ、しゃべるスピードなど、耳から入ってくる情報です。
嗅覚的な情報:匂いです。オーデコロンをつけているかもしれないし、口臭が臭いなどはマイナスのブランディングになってしまいます。
これら外側のシグナルに加え、最も大事なのが話しているコンテンツ、つまり内側の情報です。外側の情報と内側の情報がすべてうまく合致したとき、あなたのパーソナル・ブランディングは最高になるのです。
まさにこのことは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学者である アルバート・メラビアンが1971年に提唱した「メラビアンの法則」で証明しています。 表情や視線など見た目や仕草による「視覚情報(Visual)」が人に与える影響度は55%、 声の大きさや話すスピードなどの「聴覚情報(Vocal)」は38% 会話そのものの内容である「言語情報(Verbal)」は7%
皆さんもぜひ、自身のパーソナル・ブランディングについて考えてみてください。それを意識して実行すると、ビジネスでもプライベートでも飛躍的な進歩が見られますよ!


