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2026

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    40年の絆――「Honesty」こそ世界に通ずる最高のパスポート

    #1140年の絆――「Honesty」こそ世界に通ずる最高のパスポート

    原石からダイヤへ

    ソニーを辞めた後も、私と盛田家との特別な関係は続いています。辞めて間もない頃、小学館の週刊ポストのグラビアページを作る際、編集長から盛田会長のインタビューを頼まれました。盛田さんは快諾してくれただけでなく、「ちょうど来週アメリカへ行くからお前も一緒に来い」と言ってくれました。行き先は、フォード大統領が故郷のスキーリゾート、ベイルで開くチャリティのスキー大会です。「俺とフォード大統領、二人ともインタビューしていいよ」とまで言ってくれたのです。

    また、私がTBSラジオでパーソナリティを務めていた番組にゲスト出演をお願いした際も、快諾してくれました。そうした関係は、盛田さんが亡くなった今も続いています。

    有り難いことに、盛田さんの弟の盛田正明さん(97歳)とは、今でもほぼ毎月、食事をしています。彼もソニーの副社長やソニー生命の会長などを務めた偉大な方ですが、私たちはすごく仲が良いです。また、盛田さんの娘さんの直子さんからも、「父との思い出を語ってほしい」と先日頼まれました。ソニーを辞めて40年が経つというのに、盛田家との繋がりは未だに続いているのです。

    盛田正明さんに尋ねたところ、「ソニーでずっと勤め上げた人間でも、こうやってしょっちゅう会うのはいないよ」と言われました。私たちはLINEで繋がっていて、「あそこに美味しいおでん屋があるから今度行こう」といったごく普通の情報交換をしています。

    こうしたナチュラルな交際こそが大切だと思っています。特に超富裕層の方々は、ごく普通の接し方を求めている方が多いと思います。多くの人が彼らに対してへりくだったり、偉い人のように特別扱いしたりする意識を持っていますが、私にはそれが完全に欠如しています。私は、相手が誰であれ、ごく普通の友達として話します。もちろん礼儀作法は守りますが、変にへりくだったりはしません。「白は白、黒は黒」と率直に言います。

    私の率直な話し方は、アメリカのハイスクールに行ったことが間接的に影響しているかもしれません。英語は言語特性として、白黒はっきりさせて話す傾向があります。例えば、「自分は紅茶が好きじゃない」という場合、「I do not like tea.」と、否定の「not」で初めに意思決定をします。一方、日本語は最後まで曖昧にできます。言語学的に見ても、日本語は優柔不断な傾向がある。欧米の言葉は、最初に意思を示す。そうした文化的な違いが、私の「白黒はっきり、素直に言う」という話し方の癖に繋がっているのかもしれません。

    そして、その正直さが「ナチュラルな態度」に繋がります。話している時もそうですが、私は必ず相手の目を見て話します。日本人は目をそらしたり、上を向いたりして話す人が多いですが、それではダメです。目を向けて話をすると、受け取る側も真剣に聞いてくれる。また、ジェスチャーや、親しい相手とのハグや肩を叩くといったボディランゲージも、自然な範囲内で大切にしています。

    何よりも大事にしているのは、Sincerity(誠実さ)とTrust(信頼)、そしてHonesty(正直さ・素直さ)です。嘘はつかない。約束は守る。非常にシンプルですが、これに尽きます。相手を喜ばすためのお世辞や白々しい嘘は一切いりません。本当にそう思ったら、「Your idea is great.」と率直に言う。そうすると、相手は素直に喜んでくれます。この誠実さと信頼こそが、世界中のトップクラスのVIPと長く付き合うための、最高のパスポートなのです。

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