Diamond Visionary logo

6/12()

2026

SHARE

    「介護の現場から、地域の未来を紡ぎ直す」――多摩ヘルパーセンターと西武信用金庫が挑む、多世代共生型拠点の創造

    「介護の現場から、地域の未来を紡ぎ直す」――多摩ヘルパーセンターと西武信用金庫が挑む、多世代共生型拠点の創造

     東京都中野区に本店を構える西武信用金庫は、融資先が抱える経営課題を伴走的支援により解決する「課題解決型金融」の先駆者として知られている。同金庫の支援は、数字上の審査にとどまらず、経営者の想いや地域のニーズを深く読み解くことから始まる。

     今回スポットを当てるのは、八王子市で長年、地域福祉の最前線を走ってきた多摩ヘルパーセンター。同社が新たに挑む「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住):ベルズガーデン」は、高齢者、子ども、そして地域住民が自然に交わる、これまでにない「住まい」の形だ。

     伝統ある訪問介護事業から、なぜ新たな領域への挑戦を決めたのか。そして、西武信用金庫というパートナーが、その理想をどう「持続可能な事業」へと昇華させたのか。取締役の荻島大矢氏と、西武信用金庫の担当者が、その伴走の軌跡を語った。

    始まりは「数字」ではなく「歩み」への共感。想いを信じるパートナーシップ

    西武信用金庫様からアプローチがあった際、どのような印象を持たれましたか?

    多摩ヘルパー 荻島氏: 最初に感じたのは、単に金融機関としてではなく、 「地域で事業を続けてきた私たち」という存在をしっかり見てくださっている ということでした。当社は八王子で長年、家政婦紹介や訪問介護を通じて地域の暮らしに密着してきた自負があります。その積み重ねを前提に声をかけていただいたことで、数字だけで判断されるのではないという大きな安心感がありました。初めから結論を決めて評価するのではなく、こちらの想いや背景まで丁寧に聞いていただけたことが、何より心強かったですね。 記事内画像

    西武信金様は、なぜ多摩ヘルパーセンター様に深く関わろうと考えたのでしょうか。

    西武信金 担当者: お話を伺う中で、荻島様が掲げる「ベルズガーデン」の構想――孤独に起因する認知症の予防や、地域交流の場の提供、さらには災害拠点としての役割といった**「地域貢献への考え方」に、信用金庫職員として深く共感したこと** が決め手でした。単なるビジネス以上の価値を地域に生み出そうとする姿勢に、我々も全力でお応えしたいと感じたのです。

    理想を「持続可能な事業」へ。経営判断の精度を高める伴走

    多くの金融機関がある中で、西武信用金庫様をパートナーに選んだポイントは?

    多摩ヘルパー 荻島氏: 一番大きかったのは、ベルズガーデンという構想を融資対象としてではなく、地域の中でどんな役割を果たす事業なのかという点も含めて見ていただけたことです。

     ベルズガーデンは、高齢者が安心して暮らせるだけでなく、子どもたちや地域住民とつながる多世代交流の拠点を目指しています。そのため、収益性だけでは測りきれない部分が多くありました。西武信金さんは、その 「地域にどう必要とされるか」という理想を尊重しながらも、「継続可能にするには何が必要か」という現実的な視点 で相談に乗ってくれました。資金調達先というより、この事業を一緒に作り上げてくれる「経営のパートナー」だと感じたのが最大の理由です。

    伝統ある事業から新領域へ進出した背景には、どのような想いがあったのですか?

    多摩ヘルパー 荻島氏: 私にとって事業承継とは、地域で果たしてきた役割を次の時代に合う形へ進化させること。在宅支援の現場で、孤独死や地域とのつながりの希薄化という課題を痛感してきました。だからこそ、「住まい環境」そのものを地域の支援基盤にする必要があると考えたのです。ただ、理想が強い分、現実的な問題との調整も頻発しました。西武信金さんは、私たちの「やりたいこと」を一度も否定せず、「どうすれば実現可能な形になるか」を何度も一緒に考えてくれました。

     ベルズガーデンは、いわゆる「サ高住」として建物を整備すれば成立するわけではありません。事業性、運営体制、人材、地域との接続まで含めて練り上げる必要があり、事業の根幹とも言える地域交流や多世代共生という要素を実現させるためには、一般的な高齢者住宅以上に構想を現実的な事業計画へと落とし込む難しさがありました。

     だからこそ、理想を小さくするのではなく、実現できる形に磨き上げるパートナーが必要でした。

    西武信金 担当者: 荻島様のビジョンが明確だったからこそ、我々も「専門家派遣」や「大学(東京家政学院大学)との産学連携」など、具体的な支援メニューを随時提案できました。ビジョンを掲げるだけでなく、補助金採択などを次々と実現させていく荻島様の圧倒的な行動力には、私共も非常に刺激を受けました。

    資金以上の価値。「経営者の視座」をアップデートした対話

    支援を通じて、資金面以外で得られたメリットはありましたか?

    多摩ヘルパー 荻島氏: 最も大きな収穫は、 「経営判断の質が上がった」 ことです。良い構想かという視点だけでなく、今の自社の身の丈に合っているか、将来の人材体制まで無理がないか、といった多角的な視点で意思決定する習慣が根づきました。また、信頼できる金融機関が伴走していること自体が、行政や教育機関など外部とのネットワークを広げる際、事業への信頼を高める大きな力になりました。経営者として、一段高い視点を持てるようになったことは代えがたい財産です。

    世代を超えた「自然な支え合い」が生まれる未来へ

    最後に、今後の展望をお聞かせください。

    多摩ヘルパー 荻島氏: 私たちが目指すのは、高齢者が「支えられる存在」としてだけでなく、地域の中で役割を持ち、自分らしく暮らし続けられる場です。ベルズガーデンでは、庭で何を育てるか相談したり、カフェで言葉を交わしたりといった 日常の何気ない関係の積み重ね を大切にしていきます。住まいを起点に地域のつながりを再生し、世代を超えた自然な支え合いに貢献していきたいですね。

    西武信金 担当者: 我々の役割は、お客様の課題や目標に寄り添い、環境変化に合わせてお役に立ち続けることです。融資・預金といった本業はもちろん、豊富な支援メニューを駆使して、最終的に お客様の事業成果に直結するご支援 を行っていきます。地域課題に挑む企業様と共に、より良い社会の実現を目指して走り続けます。

    地域を動かす「目利き」と「おせっかい」

     「想いを否定せず、形にする」。西武信用金庫の支援スタイルは、時にコンサルタント以上に踏み込み、時に経営者の良き理解者として並走する。

     多摩ヘルパーセンターが描く「多世代共生の拠点」は、これから八王子の街をどう変えていくのか。一社の挑戦が地域を刺激し、その活気がまた次の挑戦を呼ぶ。そんな「支援の連鎖」が、日本の福祉の未来を明るく照らしている。

    #地域貢献#多世代共生#伴走型支援#西武信用金庫#多摩ヘルパーセンター

    あわせて読みたい

    記事サムネイル

    「システムは作って終わりではない」——15期連続...

    記事サムネイル

    「建物を健やかに」――日本管財株式会社が推進する...

    記事サムネイル

    「横浜の伝統と革新を体現する、マンションギャラリ...

    記事サムネイル

    人とAIエージェントの協働はビジネスをどう再定義...

    Diamond AI trial

    ピックアップ

    Diamond AI
    Diamond AI