「制度の壁を越え、ともに暮らす街を創る」——ケン...
SHARE
「紙と手集計からの脱却」――夢工房が「KING OF TIME」を活用して実現した労務改革17年の軌跡
ビジョナリー編集部 2026/09/29
複数の事業所を展開する組織において、勤怠管理の集計作業や給与計算への反映は大きな負担となりがちである。とりわけ福祉・保育業界では、現場ごとの働き方の違いやITリテラシーのばらつき、厳格な自治体監査への対応など、独自の課題がつきまとう。
社会福祉法人夢工房では、約17年前の紙のタイムカードとExcel集計による限界から脱却すべく、クラウド勤怠管理システム「KING OF TIME」をいち早く導入。現場への丁寧な定着支援を経て、業務効率化と労務意識の改革を成し遂げてきた。同法人の取り組みと、今後の活用展望について法人本部 事務局長の大町修平氏に話を伺った。
▲社会福祉法人夢工房 法人本部 事務局長の大町 修平氏。
手集計がもたらす限界
以前はどのような方法で勤怠管理を行っていらっしゃいましたか。また、当時の現場や管理部門における具体的な課題をお聞かせください。
夢工房 大町氏: 約17〜18年前の取り組みになりますが、当時は各事業所で紙のタイムカードを利用して打刻を行っていました。回収したタイムカードの情報を担当者が手作業でExcelに転記・集計し、さらに法人本部で再度取りまとめた上で、給与計算システムへ手入力で反映させるという運用を行っていたのです。
このように紙、Excel、給与システムと複数の媒体にまたがる運用を行っていたため、転記ミスや入力漏れが構造的に発生しやすい状況でした。その確認や修正業務には膨大な時間と手間を要していました。さらに、法人の事業所数が増加するにつれて集計作業の負担が膨大になり、管理部門にとって極めて大きな課題となっていたのが当時の状況です。
クラウドの先進性とストレスのない操作感が決め手に
数ある勤怠管理システムの中から、最終的に「KING OF TIME」を選定された理由や決め手を教えてください。
夢工房 大町氏: 当時は自社でサーバーを構築・管理するオンプレミス型システムが主流の時代でした。その中で、サーバー管理が不要なクラウド型の勤怠管理システムであった「KING OF TIME」は、非常に魅力的でした。加えて、料金体系がシンプルで分かりやすかったことも導入の大きな後押しとなりました。
また、実際にシステムに触れた際、画面のレスポンスが非常に速く、ストレスなく操作できたことが大きな決め手となりました。さらに、当法人の運用に合わせて柔軟な設定や機能のオン・オフが自由にできる点も、他のシステムにはない強みだと感じました。
業務効率化からデータ駆動型の組織運営へ
導入によって、業務面や職員様の意識にはどのような変化がありましたか。
夢工房 大町氏: 導入後は、遅刻・早退や打刻漏れといった未確定勤務の把握が容易になり、確認作業が大幅に効率化されました。また、全事業所の勤怠情報を一元管理できるようになったことで、各園の運用のばらつきが解消され、管理水準の平準化にもつながっています。
さらに、各種データが可視化されたことで、有給休暇の取得状況や残業時間といった指標をタイムリーに把握できるようになりました。これにより、人事評価や管理職との面談においても、客観的なデータをもとにした対話が可能となり、組織運営の質が向上したと感じています。導入前と比べると、職員全体の時間管理や労務に対する意識も確実に高まりました。
▲社会福祉法人夢工房の保育所型認定こども園下鴨夢の「きりん部屋」。
現場への定着と自治体監査対応での効果
導入にあたって印象に残っているエピソードや、特に「助かった」と感じられた瞬間はありますか。
夢工房 大町氏: 福祉業界ではITリテラシーにばらつきがあり、さらに当時はまだクラウドや生体認証も一般的ではありませんでした。そのため、紙のタイムカードから静脈認証による打刻、そして勤怠のデータ管理へと移行するプロセスは決して簡単ではありませんでした。
そのような中で、ヒューマンテクノロジーズの家﨑さん(現・社長)と一緒に、西日本・東日本それぞれで職員向けの研修会を実施したことが非常に印象に残っています。現場に寄り添った支援があったからこそ、スムーズな定着につながったと感じています。
また、一番助かったと感じたのは自治体監査への対応です。従来は大量の帳票を紙で出力し提示していましたが、データで即時に確認・提示できるようになり、業務負担が大きく軽減されました。
勤怠管理から法人全体の労務インフラへ
最後に、今後「KING OF TIME」をどのように活用していきたいとお考えでしょうか。
夢工房 大町氏: 現在は勤怠管理を中心に活用していますが、今後は給与計算や人事管理とも連携させ、法人全体の人事・労務管理の基盤としてさらに発展させていきたいと考えています。単なる勤怠管理ツールにとどまらず、組織運営を支えるインフラとして活用していくことが、これからの目標です。
現場に伴走するパートナーシップが拓く未来
紙とExcelによる手集計からスタートし、17年以上の年月を経てクラウド勤怠管理を定着させてきた夢工房。その成功の陰には、システムの優れた機能性だけでなく、メーカーであるヒューマンテクノロジーズが、オンラインサポートで解決できない場合には全国の現場へ足を運び(*1)、ともに研修を重ねた「現場志向の支援」が存在した。
労務データの可視化によって生まれた組織運営の質的向上と職員の意識変化は、同法人が目指す「人事・労務インフラの構築」に向けた確固たる礎となっている。時代の変化に応じた労務のアップデートに、今後も注目していきたい。
(*1)当時のサポート内容の一つです。現在のサポートの内容はこちら。https://www.kingoftime.jp/support/


