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2025

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    【独身偽装】既婚者に騙されたときの慰謝料・証拠・対処法を専門的にわかりやすく解説

    【独身偽装】既婚者に騙されたときの慰謝料・証拠・対処法を専門的にわかりやすく解説

    マッチングアプリで「独身です」と言われ、真剣に交際を続けてきたのに、実は相手が既婚者だった——。そんな信じがたい裏切りは、今や珍しい話ではありません。

    アプリの利用者が急増し、本人確認が強化されつつある一方で、独身かどうかは自己申告のままというサービスも多く、「独身偽装」のトラブルはむしろ増えているのが現実です。
    結婚を前提に交際していた場合は精神的ダメージも大きく、「慰謝料は取れるのか」「逆に自分が請求されることはあるのか」と悩みが深くなりがちです。

    では、どこまでが違法になるのか、どんな証拠があれば慰謝料を請求できるのか。そして何より、「どうすれば騙されずに済むのか」。

    この記事では、実際の裁判例や最新の“独身証明バッジ”などの制度も踏まえながら、独身偽装のリスク・慰謝料の現実・防衛策のポイントをわかりやすく解説します。

    大きなトラブルに巻き込まれないために、そして自分を守りながら安心して婚活を進めるために、ぜひ知っておきたい知識をまとめました。

    「独身」と信じていた相手が既婚者だったら…現実に起きている被害

    マッチングアプリの普及とともに、「結婚を前提に」と真剣な交際を始める人が増えました。

    しかし、結婚相談所のように独身証明書の提出が必須ではないアプリも多く、「未婚」と表示されていても、その裏付けは自己申告のみというケースもあります。

    そのため、「結婚の約束までした相手が、実は既婚者だった」といった、信じがたい裏切りが現実に起きています。

    たとえば、ある女性はマッチングアプリで知り合い、数か月にわたり交際を深めました。やり取りの中で「独身」と何度も確認し、「結婚しよう」といったメッセージも交わしていたそうです。

    ところが、ふとしたきっかけで相手が既婚者であることが判明。精神的ショックは計り知れず、「責任を取ってほしい」と強く思ったものの、どう動けばよいかわからず、ただ時間だけが過ぎてしまったといいます。

    独身偽装されたときの慰謝料

    では、相手に「独身」と騙されて交際していた場合、被害者は慰謝料を請求できるのでしょうか。

    慰謝料が認められるのはあくまで例外的ですが、結論から言えば、「貞操権侵害」として慰謝料請求が認められたケースが実際に存在します。

    慰謝料の相場と判断のポイント

    慰謝料の金額は事案によって大きく異なりますが、裁判例ではおおむね10万円から200万円程度が一般的です。

    特に悪質な事案、長期間にわたる交際や妊娠・中絶・出産が絡むケース、あるいは何度も虚偽説明があった場合は、300万~500万円といった高額な慰謝料が命じられた例も報告されています。

    判断基準として、裁判所は次のような事情を重視しています。

    • 交際期間の長さ
    • 肉体関係や妊娠・中絶の有無
    • 被害者の年齢やライフステージ
    • 「結婚」を連想させる言動や家族への紹介があったか
    • 発覚後の相手の対応(誠実な謝罪か、音信不通か)
    • 被害者側の注意義務違反(相手が既婚と疑わせる事情を無視していなかったか)
       

    たとえば、2021年の東京地裁判決では、アプリで知り合った男性が既婚者であることを隠し、女性と交際・妊娠・出産までさせていた事案で、200万円の慰謝料が認められました。

    一方で、交際期間が短く、妊娠や重大な結果が生じていない場合は10万円程度と、比較的低額になる傾向もあります。

    もし既婚者の配偶者から慰謝料を請求されたら

    「騙されていたのは自分なのに、相手の配偶者から慰謝料を請求されたらどうしよう…」

    そんな不安を抱く方も少なくありません。

    相手が既婚者であることを本当に知らず、かつ普通に注意していれば気づけなかった場合には、「故意や過失がなかった」として配偶者からの損害賠償請求(いわゆる不倫慰謝料)を免れる可能性が高いです。

    ただし、「独身だと信じていた」というだけでは不十分で、

    • LINEやメールで独身と明言された記録
    • 結婚の意思を示すメッセージや家族への紹介写真
    • マッチングアプリのプロフィール画面(未婚表示)
       

    など、知らなかったことを裏付ける証拠が必要です。

    特に、LINEのメッセージは後から削除できるため、スクリーンショットやバックアップを活用して証拠を残しておくことが推奨されます。

    一方、既婚と知った後も関係を継続してしまうと、その時点からは「不貞行為」とみなされ、慰謝料請求の対象となるリスクがあるため、発覚後は速やかに関係を断つことが大切です。

    貞操権侵害で慰謝料を請求する手続きと注意点

    もしもあなたが「独身偽装」の被害者となり、精神的苦痛を受けた場合、どのように慰謝料を請求すればよいのでしょうか。

    慰謝料請求の流れ

    まずは証拠集めが最優先です。
    「相手が独身と偽っていた」「肉体関係があった」ことを裏付けるLINEやメールのやり取り、写真や通話の録音など、できる限り多くの証拠を確保しましょう。
    その上で、内容証明郵便などで正式に慰謝料を請求し、示談交渉を行います。話し合いで解決しない場合は、民事訴訟を提起することになります。

    裁判では証拠に基づき「貞操権侵害」の主張を行い、認められれば慰謝料の支払い命令が下されます。
    また、勝訴しても相手が支払わない場合は、判決をもとに給与や財産の差し押さえといった強制執行も可能です。

    こうした手続きは専門的な判断が必要になるため、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

    時効にも注意が必要

    貞操権侵害に基づく慰謝料請求には、「侵害および加害者を知った時から3年」という消滅時効が適用されます。

    「既婚者だった」と知った直後は動揺して何もできないことも多いですが、あまりに時間をおいてしまうと請求が認められなくなることもあります。

    早めに時系列を整理し、法的な見通しを専門家と確認することが大切です。

    被害に遭わないためにできる「独身偽装」防衛策

    「まさか自分は騙されないだろう」と思っていても、いざ被害に遭った人の多くが、相手の巧妙な嘘や偽装に気づけなかったと振り返ります。

    最近は「独身証明書」の提出を必須とするマッチングアプリが登場しています。

    独身証明書とは、市区町村の役所が発行する公的な書類で、「婚姻中でないこと」を証明するものです。戸籍情報に基づいているため、信頼性は極めて高いと言えます。

    また、独身証明書は任意提出ですが、提出済みのユーザーには「証明バッジ」が表示される仕組みを採用しているアプリもあります。

    こうしたアプリを利用することで、「独身偽装」をかなりの確率で防ぐことができるでしょう。

    まとめ

    マッチングアプリは、出会いの幅を広げてくれる便利なツールですが、その裏で「独身偽装」によるトラブルは確実に増えています。信じて交際していた相手が既婚者だった場合、貞操権侵害として慰謝料が認められるケースもありますが、それを証明するためには日頃のやり取りを残しておくことが欠かせません。

    また、相手の配偶者から不倫慰謝料を請求されるリスクもゼロではないため、「知らなかった」ことを示す証拠の確保は非常に重要です。発覚後に関係を続ければ責任を問われる可能性が高まるため、早期に関係を断ち、専門家に相談することがご自身を守ることにつながります。

    何より大切なのは、被害に遭わないための日頃の備えです。独身証明書の提出に対応した信頼性の高いアプリを選ぶこと、相手の言動に少しでも違和感を覚えたら確認を怠らないこと、万一のときに備えて証拠を残すこと——。これらのポイントを押さえておけば、リスクを大きく減らし、安心して婚活を進めることができます。

    正しい知識と冷静な判断が、自分自身を守る最大の武器です。安全に、そして自分らしく前向きな出会いを見つけてください。

    ※ この記事の情報は2025年12月時点のものです。

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