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訪韓日本人がコロナ前超え――数字が示す「韓国が選ばれ続ける理由」
ビジョナリー編集部 2026/01/30
「また韓国行ってきたよ。」このフレーズを最近、友人や同僚から聞いたり、SNSで見る機会が増えていませんか?
韓国旅行は近年、国内旅行のような感覚で短期・高頻度で訪れる人が増え、“日常的な海外体験”として定着しつつあります。
では、なぜ人々は韓国を選び続けるのでしょうか。本稿では最新の統計データと調査結果を元に、その背景にある魅力の構造を読み解きます。
訪韓日本人がコロナ前を上回る:完全回復どころか拡大傾向
2025年7月、日本人の訪韓人数は約29万9,782人に達しました。これは2019年の同月(新型コロナウイルス流行前)の約27万4,830人を上回り、コロナ前比で109%という数字です。つまり、パンデミック前を超える頻度で日本人が韓国を訪れていることが明確になっています。
この数字が示しているのは、韓国が日本人にとって再評価されている旅先だという事実です。円安や物価高の影響が続く中でも行きたくなる魅力があると考えるべきでしょう。
旅行理由トップは「グルメ・ショッピング」:探索そのものが楽しみに
ある旅行関連サービスのアンケートによると、訪韓理由の最多が「グルメ・ショッピング(67.3%)」と圧倒的な支持を受けています。続いて「美容・健康(16.3%)」「エンタメ・推し活(12.0%)」と、多様な体験への期待が見られました。
つまり韓国旅行は、「安いから」「近いから」という消費合理性以上の価値を持っていると考えられます。
グルメは単なる食事ではなく、屋台から話題カフェまで鮮烈な体験として位置づけられています。ショッピングも同様で、現地でしか出会えない限定コスメや未上陸ファッションの探索が“体験そのもの”になっているのです。
韓国での“食べ歩き”や“カフェ巡り”が、SNS上で話題になりやすいのも、データが示す高い関心の一因といえます。
「近い」というだけではない 海外旅行の心理的ハードルの低さ
日本から韓国へのフライトは、ソウルなら2〜3時間と国内旅行並みの感覚で到着できることが大きな特徴です。休暇を長く取らなくても、週末だけで往復できる気軽さは、日本人の海外旅行選択肢として韓国を強く支持させる要素となっています。
また、実際の出入国統計では2025年10月までの日本人出国者数で、韓国行きが約31万6,776人と最多です。これは他の人気訪問地(米国16万人台、タイ7万人台など)を大きく上回る水準です。
こうした「近さ」は単なる物理的距離だけでなく、心理的にも“身近な海外”として体験価値を高めています。
渡韓が“飽きない”理由:トレンドの更新スピード
韓国では食やショッピングに限らず、トレンドの変化が非常に速いことも特徴です。若年層を対象に行われたSNS調査(有効回答数1,258件)では、「明洞(ミョンドン)」といった定番エリアから、近年はソウル東部に位置する「聖水(ソンス)」のような新興エリアへと関心が移りつつあります。
聖水は、かつて倉庫や工場が立ち並んでいた地域をリノベーションした街で、感度の高いカフェやファッションブランドの旗艦店、期間限定のポップアップが集積するエリアとして注目を集めています。
このように、訪れるたびに体験の幅が拡大し、“次に行く理由”が生まれ続ける構造が、渡韓へのリピート率を高める大きな要因となっています。
“体験消費”としての美容・カフェ文化
韓国ではコスメ選びから肌管理、美容医療までが一つの流れとして街に溶け込んでいます。ショップやクリニックが徒歩圏内に集まり、短時間でも試し、比べ、説明を受けて判断できます。美容医療やプチ整形も、肌管理やメンテナンスの延長として気軽に検討されており、「受けるかどうか」以前に情報に触れ、納得する過程そのものが体験として成立しています。
実際、旅行関連サービスが行った調査でも、日本人の韓国旅行理由として美容・健康を挙げる割合は1割を超えており、美容そのものが旅の動機として機能していることがうかがえます。
また、カフェ目的も同じ構造を持っています。韓国のカフェは一息つく場所ではなく、空間デザインや食のトレンドを体験する場として設計されています。内装や世界観、スイーツやドリンクの構成まで含めて「訪れる理由」が明確で、店を巡るために旅行に行く人もめずらしくありません。実際、若年層を中心とした旅行者アンケートでは、カフェ巡りや街歩きを目的に挙げる声も一定数確認されています。
美容目的とカフェ目的に共通しているのは、短い滞在でも体験の密度が高いことです。この「効率よく、納得感のある体験が重ねられる」という感覚が、渡韓を一度きりで終わらせず、繰り返したくなる理由につながっています。
エンタメと観光のクロスオーバー
韓国はK-POPやドラマ、映画といったエンタメ発信地としてのポジションも確立しています。こうしたコンテンツをきっかけに「作品の舞台を自分の目で見たい」と考える人は少なくありません。
若年層を中心とした旅行・SNS関連の調査では、日本人の渡韓理由としてエンタメや推し活を挙げる割合が約12%に上っています。
エンタメは単なる娯楽ではなく、その作品世界を“体験”するために旅をするという消費行動にもつながっているのです。
まとめ:渡韓は「観光」より「体験」を重ねる旅になった
訪韓人数はコロナ前の水準を上回り、渡韓の動機もグルメやショッピングに限らず、美容、カフェ、エンタメ、推し活へと広がっています。こうした変化が示しているのは、渡韓が単なる海外旅行先の一つではなく、短期間で多様な体験を重ねられる旅のかたちとして定着しつつあるという点です。
距離に対する心理的な負担が小さく、トレンドが速いスピードで更新され続ける。短い休みでも「今」を感じられる体験ができる。この条件を同時に満たす旅先は、決して多くありません。
だからこそ渡韓は、「特別なイベント」ではなく、自分らしい時間を満たすための現実的な選択肢になっています。これからの旅行先を考えるとき、韓国のトレンドや空気感に触れてみるのも一つの選択肢として面白いのではないでしょうか。


