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チームの衝突は進化のサイン!タックマンモデルで紐解く組織の育て方
ビジョナリー編集部 2026/09/16
新しいプロジェクトチームを立ち上げたものの、期待したほど成果が上がらない、あるいはメンバー間の意見が噛み合わず摩擦ばかりが起きてしまうと悩んでいませんか。
実は、チームが結成されてからパフォーマンスを発揮するまでには、通過しなければならない「特定の成長プロセス」が存在します。そのプロセスを体系化したフレームワークが「タックマンモデル」です。
モデルの概要から各成長段階の特徴、現場で使える具体的なアプローチまでを分かりやすく解説します。
モデルの歴史と概要
タックマンモデルとは、1965年に心理学者のブルース・タックマン氏が提唱したチームビルディングの理論です。チームが成長して成果を出すまでには一定の段階があり、それぞれのステージで現れる課題や必要なマネジメント手法が異なるという考え方を示しています。
提唱当初は4つの段階で構成されていましたが、1977年にプロジェクトの終了やメンバーの解散を見据えた段階が追加され、現在では「5つの発達段階」として広く知られています。
「5つの発達段階」とそれぞれの特徴
成熟プロセスを構成する5つのステージについて、それぞれの状態とメンバーの心理を順番にみていきましょう。
1. 形成期(Forming)
チームが結成されたばかりの初期段階です。メンバー同士のお互いに対する理解が浅く、期待と不安が入り混じっています。遠慮や警戒心があるため、表面的な会話に終始しやすく、衝突はほとんど発生しません。一見穏やかに見えますが、主体的な動きはまだ生まれていません。
2. 混乱期(Storming)
業務が本格化するにつれて、意見の食い違いや価値観の衝突が表面化する段階です。「やり方が気に入らない」「誰がリーダーシップを取るべきか」といった葛藤が生じ、チーム全体の雰囲気が悪くなることもあります。しかし、この摩擦はメンバーが本音で議論し始めた証拠でもあります。
3. 統一期(Norming)
混乱期を乗り越え、チームの目標や行動規範、メンバーごとの役割分担が明確になる段階です。お互いの強みや価値観の違いを受け入れ、共通のルールに従って協力し合う姿勢が整います。チームとしての一体感が生まれ始める時期です。
4. 機能期(Performing)
最も高い成果を生み出す成熟した段階です。メンバーシップが確立され、自律的に問題解決やサポートを行いながら目標達成に向けてスピーディーに動くことができます。個人の能力と組織のシナジーが最大限に発揮されます。
5. 散会期(Adjourning)
プロジェクトの完了や組織変更に伴い、チームが解散する最終段階です。成果を認め合い、成長を実感して終了できるか、あるいは不完全燃焼のまま解散するかによって、メンバーが次に持ち込める経験の質が変わります。
リーダーが取るべき段階別アクション
モデルを実業務で活かすには、チームの現在地に応じた適切なアプローチが必要です。
| 発達段階 | チームの状態 | リーダーが取るべき具体的アクション |
|---|---|---|
| 形成期 | 遠慮があり探り合いの状態 | 指示を明確にし、自己紹介や相互理解の場を意図的に設ける |
| 混乱期 | 意見対立や摩擦が頻発 | 心理的安全性を確保し、本音の対話を促すファシリテーションを行う |
| 統一期 | 役割やルールが定まる | 共通の目標や評価基準を再確認し、個人の主体性を尊重してサポートする |
| 機能期 | 自律的に動いて成果を出す | 積極的に権限移譲を行い、メンバーの自由度を高めて挑戦を促す |
| 散会期 | 目的を達成しチーム解散 | 挙げた成果や個人の貢献を承認し、学びを振り返る機会を作る |
特に注意したいのが「混乱期(Storming)」での関わり方です。摩擦を恐れるあまり表面的な穏やかさを優先してしまうと、統一期に進めず、成果も低迷したままになってしまいます。対立を否定せず、オープンに議論できる場を作ることがリーダーの重要な役割です。
現場で活用する際の注意点
運用する際は、以下のステップや注意点を踏まえておきましょう。
常に一直線に成長するとは限らない
チームの成長は、形成期から順調に機能期へ進むとは限りません。進捗の遅れや外部環境の変化によって、統一期から再び混乱期へ戻ってしまうこともあります。「後戻りは失敗ではなく再調整の機会」と捉える柔軟性が求められます。
メンバーの入れ替えで初期段階に戻る
途中で新しいメンバーが加入したり、キーマンが抜けたりすると、どれだけ機能期にいたチームであっても一時的に「形成期」や「混乱期」へ戻ります。新体制になった際は、改めて相互理解のステップを踏むことが近道になります。
「混乱期」を悪として排除しない
衝突を過剰に恐れる必要はありません。研究や実践の場でも、適切な衝突を経たチームほど高い成果を出すことが実証されています。大切なのは衝突を避けることではなく、生産的な議論へ昇華させることです。
終わりに
意見の衝突や停滞を感じたときは、「今自分たちは成長の途中にいる」と捉え直してみてください。チームの現在地を正しく見極め、段階に合った関わり方を実践することで、ハイパフォーマンスなチームへと育てることができます。
チームの様子を観察し、次のステップに進むための小さな働きかけから始めてみてはいかがでしょうか。


