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2025

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    いまさら聞けない選挙の仕組み|これだけ知っておけば大丈夫!基本のキ

    いまさら聞けない選挙の仕組み|これだけ知っておけば大丈夫!基本のキ

    「選挙」と聞いて、みなさんはどんなイメージを持たれますか?「よく分からないまま投票している」「種類が多くて違いが分からない」「自分の1票って意味があるの?」。こんな疑問や不安を持つ方も少なくないのではないでしょうか。しかし、私たち一人ひとりの1票が、社会の未来をつくっているのです。
    本記事では、選挙の仕組みや投票方法など、基本から丁寧に解説していきます。

    日本の選挙は大きく2種類:「国政選挙」と「地方選挙」

    まずは、日本の選挙の全体像を押さえましょう。日本の選挙は大きく分けて「国政選挙」と「地方選挙」の2つに分類されます。それぞれの選挙が、どんな役割を持ち、どのような違いがあるのかを見ていきましょう。

    国政選挙

    国政選挙は、私たちの生活に直結する国の政治を担う議員を選ぶ大切な選挙です。主に「衆議院議員選挙」と「参議院議員選挙」があります。

    衆議院議員選挙

    • 対象:衆議院の議員(任期4年、ただし解散あり)
    • 立候補資格:25歳以上の日本国民
    • 投票権:18歳以上の日本国民
    • 小選挙区(自分の選挙区の候補者名を記入)
    • 比例代表(支持する政党名を記入)
       

    衆議院選挙は、時には政権交代が起きるなど、社会の方向性を大きく左右します。任期途中でも「解散」があり、そのたびに総選挙が行われることが特徴です。

    参議院議員選挙

    • 対象:参議院の議員(任期6年、3年ごとに半数改選)
    • 立候補資格:30歳以上の日本国民
    • 投票権:18歳以上の日本国民
    • 地方選挙区(都道府県ごとに候補者名を記入)
    • 比例代表(全国単位で政党名または候補者名を記入)
       

    参議院は「良識の府」とも呼ばれ、衆議院とは違い解散がありません。長い任期で、より安定的かつ慎重に国の方針を見極める役割を担っています。

    地方選挙──身近な社会の代表を選ぶ

    国政選挙と並び、私たちの生活に密接に関わるのが「地方選挙」です。自分が住む地域のリーダーや議員を選ぶこの選挙は、暮らしの質やまちづくりに直結します。 主な選挙は以下の通りです。

    • 都道府県知事選挙(都道府県のトップを選ぶ)
    • 都道府県議会議員選挙(都道府県の議員を選ぶ)
    • 市区長選挙(市長・区長など自治体のトップを選ぶ)
    • 市区議会議員選挙(市区の議員を選ぶ)
    • 町村長選挙、町村議会議員選挙(町や村のリーダー・議員を選ぶ)
       

    たとえば、道路の整備や子育て支援、医療や教育など、身近な課題の多くは地方自治体が取り組むものです。つまり、地方選挙は「自分たちの暮らしをより良くするための選挙」といえるでしょう。

    選挙の具体的な仕組み──どうやって投票するの?

    「投票の流れが分からず不安」「期日前投票って何?」といった疑問を解決するために、投票の基本ステップをまとめました。

    投票の基本的な流れ

    1. 入場整理券が届く
      選挙の告示後、世帯ごとに「入場整理券」が届きます。投票所や日時が記載されています。
    2. 投票所へ行く
      多くは朝7時から夜8時まで利用できますが、自治体によって異なるため確認が必要です。
    3. 受付で本人確認
      入場整理券を提示し、投票用紙を受け取ります。忘れても本人確認ができれば投票できますが、多少時間がかかることもあります。
    4. 投票用紙に記入
      記入台で、候補者名や政党名などを正確に書きます。
    5. 投票箱に入れる
      投票後は、用紙を投票箱に入れて完了です。

    期日前投票や代理投票も活用できる

    「当日どうしても忙しい」「体調が心配」「バリアフリーの投票所が良い」など、事情がある場合は「期日前投票」や「代理投票」も利用できます。

    • 期日前投票:投票日の前から、役所や一部商業施設などで投票できます。柔軟に日程を選べるため、多くの人が利用しています。
    • 代理投票:障害や病気などで自分で書けない場合、投票所の係員2人がサポートします。家族による代理はできませんが、安心して意思を伝えられる仕組みになっています。

    「無投票」で決まる場合も

    候補者が定員と同数またはそれ以下しかいない場合、投票自体が行われず自動的に当選が決まる「無投票当選」もあります。特に地方選挙で多く見られる現象です。

    日本の選挙が抱える課題──「1票の格差」とは?

    ここで、多くの方が一度は耳にしたことがあるであろう「1票の格差」について掘り下げます。

    1票の格差とは何か?

    「1票の格差」とは、選挙区によって有権者1人あたりの議席数が異なり、同じ1票でも価値に差がでてしまう現象です。たとえば、人口の少ない選挙区では少ない票数で議員が当選する一方、人口の多い選挙区では多くの票が必要です。

    実際にはどれくらいの格差があるのか?

    直近の衆議院選挙(2024年)では最大2.06倍、参議院選挙(2022年)では最大3.03倍の格差が生じています。
    つまり、同じ日本国内でも2倍以上、場合によっては3倍もの「票の価値」の差が生まれているのです。

    なぜ格差が生じるのか?

    最大の理由は、人口の都市集中と地方過疎の進行です。選挙区ごとの議席配分が、人口変化に追いつかないケースが多発しています。
    また、地方の議席を減らしすぎると「地方の声が国政に届かなくなる」「地域格差が拡大する」といった新たな課題も生まれます。

    1票の格差がもたらす問題点

    • 有権者の権利が不平等になる
      憲法第14条の「法の下の平等」に反し、選挙の公平性が損なわれます。
    • 少数意見が実態以上に強く見える
      格差の大きい選挙区で少ない票数でも当選できてしまい、国民全体の意思とズレが生じることも。
    • 高齢者の意見が強く反映されやすい
      地方の人口が減少する一方で高齢化が進み、地方の議席が維持されることで高齢者層の意見が相対的に強く反映される傾向があります。

    どのような解決策があるのか?

    • 合区の導入
      隣接する人口の少ない都道府県をまとめて1つの選挙区にする「合区」制度。現在は参議院で島根と鳥取、高知と徳島の合区が実施されています。
    • アダムズ方式の採用
      各都道府県の人口に応じて議席を配分する計算式(アダムズ方式)も導入が進んでいます。
       

    しかし、これらの方法にも課題があります。たとえば、合区によって選挙区が広くなると新人や無所属の候補者が立候補しにくい、地方の声が政治に届きにくくなるなどの懸念も指摘されています。

    まとめ

    ここまで、日本の選挙の基本的な仕組み、そして「1票の格差」という課題までを解説してきました。
    選挙は、ともすれば「難しそう」「面倒くさい」と敬遠されがちですが、私たち一人ひとりの意思が社会の方向性を決めます。
    「自分の1票では何も変わらない」と思っていた方も、選挙の現実や制度の背景を知ることで、投票所へ足を運ぶ意味を再発見できるのではないでしょうか。
    あなたの1票が、未来の社会をつくる力になる──。次の選挙では、ぜひ自分の意志を投じてみませんか?

    #選挙

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