
現金給付と減税、どちらが私たちの生活を変えるのか...
7/16(水)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/07/10
高齢ドライバーによる交通事故が社会問題となる中、「そろそろ免許返納を考えたい」「でも手続きや特典の内容がよくわからない」と悩んでいる方は少なくないはずです。 この記事では、免許返納の具体的な方法や注意点、そして免許返納による特典の具体例も合わせて紹介していきます。
警察庁の統計によれば、2024年には65歳以上の高齢ドライバーが関与する交通事故は約10,000件発生しています※1。特に、運転操作ミスや認知機能の低下による事故が目立っています。全交通事故件数のうち、高齢者の占める割合は年々増加しており、深刻な社会課題となっています。
記憶に新しいのは、2019年4月に東京都池袋で発生した高齢ドライバーによる暴走事故です。当時87歳の運転者が運転操作を誤り、歩行者を巻き込んで母子2人が亡くなり、9人が重軽傷を負いました。この事故をきっかけに、免許返納の必要性や高齢者の運転リスクについて社会的な議論が一層高まりました。
「免許返納で3万円がもらえる」という噂があります。インパクトが強いため多くの方が「現金支給」と誤解しがちです。しかし、実際には現金が直接支給されるケースはごくわずかです。 実際には、“3万円相当”のタクシー券やICカード、商品券などのサービスを提供しています。
体調不良などで本人が行けない場合、家族や2親等以内の親族が代理で手続きできます。 その際は、委任状や代理人の本人確認書類も必要です。
手続き後は運転免許証が無効になるため、その場で車を運転すると無免許運転になってしまいます。公共交通機関や家族・知人の送迎を利用しましょう。
返納後も車を所有し続けると、維持費や保険料が無駄になりがちです。 また、名義変更や売却を怠ると、後々トラブルの原因になることも。 早めの手続きがおすすめです。
契約条件によっては、同居の家族に自動車保険の等級を引き継ぐことができます。 無事故で高い等級を持っていた場合、家族の保険料節約にもつながるため、忘れず確認しましょう。
多くの自治体では、免許返納から1年以内などの申請期限が設けられています。 せっかく返納しても、期限を過ぎると特典が受けられません。 返納したら早めに自治体で申請を行いましょう。
注意点:
有効期限や利用範囲(提携タクシー会社限定など)あり
紛失時の再発行不可、転売・譲渡禁止
注意点:
商品券は使える店舗が限定されるケースあり
有効期限の確認を忘れずに
注意点:
多くの特典は「運転経歴証明書」の提示が必要
本人だけでなく、同伴家族も割引になる店舗もあり
公共交通機関やタクシー券、家族の送り迎えなど、複数の手段を組み合わせて移動手段を確保しましょう。 特に地方では自治体の送迎サービスや「デマンドタクシー」なども活用できます。
免許返納は“自立の証”を手放すことでもあり、喪失感を覚える方も少なくありません。 地域活動や趣味を見つけて新しい社会参加を意識すること、また家族のサポートも重要です。
「免許返納=身分証明書がなくなる」と心配する必要はありません。 運転経歴証明書は一生使える顔写真付きの公的身分証明書です。 銀行や携帯電話の契約、各種公共サービスの本人確認にも利用できます。 さらに、協賛店舗での割引や各種特典も受けられるため、返納時に申請することをおすすめします(発行は返納から5年以内、手数料1,100円、顔写真が必要)。
「免許を返納したら不便になる」「外出できなくなる」 このような不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、今は自治体や民間企業が多彩な支援制度を用意し、生活の質を維持・向上できる仕組みが整ってきています。 大切なのは、制度の中身を正しく知り、あなたやご家族のライフスタイルに合った方法で活用すること。 免許返納は“終わり”ではなく、“新しい安心・快適な生活”の始まりです。 ぜひ、ご自身やご家族と一緒に、最良のタイミングと方法で免許返納を検討してみてはいかがでしょうか。
※掲載している情報は2025年6月時点のものです。特典などは変更することがございますので、最新の情報は各機関のホームページにてご確認ください。
参考文献
※1:警視庁-高齢者の交通人身事故発生状況(令和6年中)