
いまこそ知りたい!ビジネスに活きる孔子の哲学
8/5(火)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/08/04
「哲学」と聞くと、つい難解な議論や抽象的な理屈を連想するかもしれません。ですが、2000年以上も前に活躍したプラトンの哲学は、現代のビジネスパーソンにも大きなヒントを与えてくれます。
たとえば、「新規事業の理想像が社内でバラバラ」「本質を見失いがち」と感じたことはありませんか?
実は、こうした悩みを解く鍵が、プラトンの思想には隠されているのです。
本記事では、プラトンの哲学と、その使い方をビジネス目線で解説します。
プラトンは古代ギリシャの哲学者であり、西洋哲学の基礎を築いた人物です。同じく古代ギリシアを代表する哲学者ソクラテスの弟子であり、「万学の祖」と呼ばれるアリストテレスの師でもあります。プラトンの哲学を一言で言うならば、
「あるべき姿とは何か」
を考える思想と言えるかもしれません。
プラトンの思想の中心にあるのが、「イデア論」です。
たとえば、世の中には様々な形・素材・大きさの椅子がありますが、「椅子のあるべき姿(=イデア)」が頭の中にあるからこそ私たちはそれを「椅子」と認識できると、プラトンは唱えました。
プラトンは人間の魂にも関心を持ち、その働きを三つに分けました。
プラトンは、理性が意志と欲望をコントロールして調和を保つことで、「善く生きる」ことが出来ると考えました。理性は最も重要なものであり、理性が「善とは何か」を知っていなければ、そもそも正しく動くこともできません。
プラトンはこの考え方を国家にも応用しました。理性の地位に統治者、意志の地位に防衛者、欲望の地位に生産者を割り当て、統治者が国家のあるべき姿に対して十分な知恵を持っていなければならないと考えました。
イデア論をはじめとするプラトンの哲学は、ビジネスの現場でどのように役立つのでしょうか?
たとえば新規事業やプロジェクトの立ち上げ時に、「理想の顧客体験」「あるべきサービス像」をチームで共有していますか?
プラトンの哲学をヒントにするなら、まず“イデア”=理想の姿を徹底的に言語化することが重要です。
理想像を明確に描くことで、日々の現実的な施策もぶれずに推進できます。
プラトンは「現実はイデアの不完全な模倣」と説きました。これは「現実が理想通りにいかないのは当然」という発想にもつながります。
たとえば、事業計画を進めていると、理想と現実のギャップに直面することが多々あります。
このとき、「理想像は何か?」→「現実との差はなぜ生まれるのか?」→「どうすれば近づけるか?」といった形でPDCAサイクルを回すことができます。
プラトンが説いた「魂の三分説」は、現代の組織論にも応用できます。
組織の中でバランス良く役割が機能することが、理想のチームづくりには不可欠です。
経営層(理性)が長期的なビジョンを示さず、現場(欲望)が短期的な成果ばかり追い求めると、組織は迷走します。一方で、理性ばかりが強すぎて、意志や現場のモチベーションが失われても、現実は動きません。
プラトンの思想は、決して机上の空論ではありません。
理想と現実の間で悩むビジネスパーソンこそ、ぜひ一度、プラトンの哲学のエッセンスに触れてみてください。
「あるべき姿とは何か?」
この問いを繰り返すことで、組織も個人も本質に近づき続けることができるはずです。