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8/2(土)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/07/29
いま世界では急速にキャッシュレス化が進んでいます。例えば中国では、小さな商店街でもキャッシュレスが主流となり、中国出張や旅行の際に、空港で換金する人はほとんどいなくなったと言われています。
スマートフォン一つで買い物や食事ができる時代、日本でもキャッシュレス決済の普及が叫ばれています。しかし、実際の生活では「やっぱり現金が落ち着く」と感じている方も少なくありません。
日本は世界でも有数の現金大国――。この現象の裏側には、どんな理由が隠れているのでしょうか?そして、世界のキャッシュレス先進国と比較すると何が違うのでしょうか?
本記事では、キャッシュレス決済と現金払いそれぞれの特徴と、なぜ日本がキャッシュレス社会になりきれないのかを深掘りします。
まずは、「現金派」の方が現金をなかなか手放せない理由から見ていきましょう。現金払いには、こんな“安心感”や“便利さ”があります。
一方、現金払いには次のような“煩わしさ”もあります。
では、キャッシュレス決済の魅力はどこにあるのでしょうか。多くの方が「一度使うと手放せなくなった」と口を揃える理由には以下のようなものがあります。
しかし、キャッシュレス決済にも注意すべき点があります。
「なぜ日本はキャッシュレス後進国なのか?」
この問いには、“日本ならでは”の事情があります。
日本の紙幣・硬貨は世界トップクラスの偽造防止技術を誇ります。実際、偽札が出回るニュースはほとんど耳にしません。
「現金は安全で、確実」――この意識が根強く残っています。
一方、海外では「偽札に注意」といった警告が普通。中国や韓国では、現金への信用の低さ低下がキャッシュレス普及の大きな要因となりました。
現金決済は“手数料ゼロ”ですが、キャッシュレス決済には加盟店手数料が発生します。日本では3~4%が一般的ですが、海外では1%前後が主流です。
「売上の3%も手数料で引かれるなら導入したくない」と考える小規模店舗は少なくありません。
QRコード決済をはじめ、国内外の多様なサービスが乱立しています。「どれを導入すればいいのかわからない」「顧客のニーズを読み切れない」と悩む店舗も多いのが現状です。
「キャッシュレスは使いすぎが心配」「スマホの操作が難しそう」
特に高齢者層中心に、こうした不安が根強く残っています。
現金なら“目に見える安心感”があり、家計管理もしやすいという意識が根付いています。
現金なら売上がその場で手元に入りますが、キャッシュレス決済は銀行口座への入金までタイムラグがあります。資金繰りがシビアな小規模店舗ほど、この点を懸念しています。
韓国
キャッシュレス決済比率は93.6%(2020年時点)と驚異的な数字を誇ります。特にクレジットカードの普及率が高く、オンラインショッピングでは75%以上がカード決済。
背景には、アジア通貨危機からの経済立て直しを狙った政府主導のキャッシュレス政策があります。
また、スマートフォン普及とともに、モバイル決済への移行も加速しています。
中国
中国はキャッシュレス大国として有名です。アリペイやWeChat Payといった電子マネーが、都市部から農村部まで浸透。現金に対する信用の低さ(偽札問題や釣り銭不足)、スマートフォンの爆発的普及、そして政府の強力な後押しが普及に拍車をかけました。
中国では現金決済を断る店舗も珍しくなく、「QRコード1つで全て完結」が標準です。
アメリカ
キャッシュレス比率は55.8%(2020年時点)。
クレジットカードとデビットカードが広く普及しており、広大な国土でATM利用が不便なことがキャッシュレス化を後押ししています。
日本
キャッシュレス決済比率は39.3%(2023年時点)で、世界主要国と比べてまだ低い水準です。現金への信頼、手数料の高さ、サービス乱立など、普及を妨げる要素が複数存在します。
ドイツ
キャッシュレス決済比率は21.3%(2020年時点)と、意外にも日本より低い数字です。
ドイツもまた、現金への信頼が圧倒的に高く、特に高額紙幣の流通が普通です。
一方で、大きな支払い時にはカードを利用する傾向もあり、今後は徐々にキャッシュレス化が進むと見られています。
両者のメリット・デメリットを知った上で、シーンごとに最適な使い分けをすることが、これからのスマートな消費行動と言えるでしょう。
ここまで、現金払いとキャッシュレス決済のメリット・デメリット、日本と海外の違い、その理由について解説してきました。日本ではまだまだ現金文化が色濃く残っていますが、世界ではキャッシュレスが新たな“標準”になりつつあります。それぞれの決済方法の特徴を理解し、シーンごとに上手に使い分けることが、これからの賢い選択です。
大切なのは、「なんとなく」ではなく、理由を知った上で選ぶこと。
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