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7/26(土)
2025年
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ビジョナリー編集部 2025/07/24
「友人の結婚式、嬉しいけど正直ご祝儀3万円はキツイ……」。
あなたも、一度はこんな風に悩んだ経験がありませんか?
かつては人生の「必須イベント」とも言えた結婚式。しかし少子化やライフスタイルの多様化が進むにつれ、結婚自体が“自由な選択”となり、結婚式そのもののあり方も大きな転換期を迎えています。
婚活・ウェディング事業を手がけるタメニーが行った調査では、20〜44歳の未婚男女484人のうち約64%が「ご祝儀3万円は高い」と回答しました。さらにその内訳を見てみると、「とても高い」が19%、「まあ高い」が45%と、多くの若者がご祝儀に対して重荷に感じていることが浮き彫りになったのです。
「本当は式を挙げたいけど、お金がない」
タメニーが実施した調査で「結婚式を挙げない最大の理由」として挙げられたのが、このお金の問題でした。ところが、問題は費用だけではありません。
意外にも「ご祝儀をいただくことが申し訳ない」と感じ、式を控えるという新たな悩みを抱えるカップルも増えているのです。
一方で、新郎新婦の76%は「親や友人に感謝を伝えたい」という強い思いから、結婚式を行っているという事実も明らかになっています。 感謝の気持ちを伝えたい。でもゲストには負担をかけたくない――。 このジレンマこそ、現代の若いカップルが直面するリアルな課題でした。
「ご祝儀は1万円くらいがちょうどいい」
こうした声から生まれたのが、タメニー発の新スタイル結婚式「ラフスタ」です。その誕生のきっかけは、結婚式にまつわる“本音”に耳を傾けたことだといいます。
「結婚式をやりたいが費用がきつい」「ゲストを呼びたいが負担をかけるのは忍びない」「贈り贈られ、双方が気を遣う」
そんな新郎新婦やゲストの率直な声に真正面から向き合い、「誰にも気兼ねせず心から楽しめる結婚式とは?」という問いから、プロジェクトがスタートしました。
ブランド名である「ラフスタ」は、「形式ばらず(rough)」と「心から笑える(laugh)」の2つの意味を掛け合わせたもの。「結婚式=こうあるべき」という従来の常識にとらわれず、もっと自由に等身大で結婚式を楽しんでほしい、そんな願いが込められています。
ラフスタの特徴は、シンプルで明快です。
まず、新郎新婦が必要な挙式費用は、わずか100万円前後。通常300万円台と言われる結婚式費用の相場に対して、非常に安価です。人気の会場で挙式を行えるが、食事は気軽なビュッフェ形式を採用。そして、ゲストが用意するご祝儀は、1万円程度を推奨しています。
「常識」にとらわれず、しかし「きちんと感謝は伝えたい」——この両立を追求した先に、「ラフスタ」という新しい選択肢は生まれました。
前述の特徴でまず特筆すべきは、ビュッフェスタイルの食事という点でしょう。「結婚式=フルコース料理」という固定観念に、ラフスタは真正面から挑みました。
同社のプロジェクトチームが最優先に考えたのは、「ゲストが心からリラックスして楽しめる時間と空間づくり」でした。決まった料理が順番に運ばれてくる従来のコーススタイルは、格式高く優雅ですが、一方では緊張感も伴います。「もっと自由に動き回り、カジュアルに人と交流できる空間があれば――」という想いから導き出されたのが、“ビュッフェスタイル”という新提案でした。
ただし、この決断には大きな不安もあったといいます。
「結婚式といえばコース料理」というイメージが根強くある中で、果たしてお客様に受け入れてもらえるのか。社内では「ラフすぎないか?」「安っぽく思われないか?」といった声も挙がった中で、ゲストの笑顔を信じ、あえてカジュアルなスタイルに舵を切ったそうです。
実際に提供してみると、想像以上にポジティブな反響があったといいます。 参加者からは『このほうが気軽で話しやすかった』『ビュッフェスタイルで結婚式を挙げたかった』といった嬉しい声が多数寄せられたのです。
形式にこだわらないことで、会場の空気感が和らぎ、自然と笑顔になれる。料理の“形”を少し変えるだけで、ゲストと主催者双方が本当に望んでいた“理想の結婚式”が生まれました。
コストを抑えながらも満足度をアップさせるという、「ラフスタ」ならではの逆転の発想がうかがえます。
人生の節目を祝い、感謝の気持ちを伝える「結婚式」。そのあり方は今後ますます多様になっていくでしょう。
タメニーのラフスタからは、「結婚式=こうであるべき」という固定観念を見直し、本当にカップルやゲストが求めるスタイルを提供することを大切にする姿勢が窺えます。
一人ひとりの価値観やライフスタイルに寄り添った“ちょうどいいかたち”を模索していく――。
時代とともに変化していく「結婚式へのニーズ」に応える、『ラフスタ』のような新たなスタイルは、これからのスタンダードになっていくのかもしれません。