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2025

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    ファッションロータリークラブで得たかけがえのない出会い

    #21ファッションロータリークラブで得たかけがえのない出会い

    原石からダイヤへ

     昭和45年頃のことだったと思うが、東京で「ファッションロータリークラブ」という組織が発足した。“背広の博士”といわれた星野醍醐郎氏、エドワーズ社長の小林秀夫氏、ニューヨーカー社長の小林三郎氏と、当時のファッション界をリードしていた大御所3人によって提唱され、著名なファッションメーカーの経営者が加盟する交流組織である。加入する経営者は、一業種一社と定められており、優れたものづくりを行う精鋭の経営者が集っていた。

     そうした方々に少しでも触れて学ぶことができたらと、会社を立ち上げたばかりの私は願っていた。事業を始めて最初のうちは入れてもらえず、接触を図っても断られてしまったが、4、5年が経過したころから、前述の小林三郎氏と縁ができ、加入することが叶った。

     小林三郎氏は、大同毛織の副社長であったが、新しくニューヨーカーを作り、その後にはアメリカのブルックスブラザーズと交渉しブルックスブラザーズ・ジャパンを設立。伊勢丹研究所の初代所長も務めるなど、ファッション業界をリードしてきた人物である。

     小林三郎氏からは「糸から作るニットは、できあがるまで分からない難しい商品。むやみに規模を拡大するのではなく、小さくても存在感のある会社にした方が良い」と、経営の助言もいただいた。このお言葉は、GIMの経営を確立する上で、非常に重要なものとなった。

     それからファッションロータリークラブは50年ほど存続しており、今は小林氏から引き継いだ形で、私が会長を務めさせていただいている。そして会合は、毎月開催している。

     メンバーは靴の大塚製靴、ビームス、靴クリームのR&D、スーツ地のジャルコ、ハンカチーフで日本一のブルーミング中西、着物のやまとにブランド傘のオーロラ、シャツのフレックスジャパン。ウテナ化粧品に帽子の100年企業である株式会社栗原、革小物のモルフォにこれまた創業から100年の歴史をもつアクセサリーの株式会社フカシロ、服飾品卸売業のエトワール海渡など、実績のある企業の経営者が18名参加しており、その中にはビームスの設楽洋氏も含まれている。すなわち、ビームスとのお付き合いは、このような形でもずっと続いているのだ。

     ファッションロータリークラブに集まるメンバーは、みな非常に勉強熱心だ。それぞれの会社が抱えている問題点を明かして相談し合っては、非常に個人的な悩みについても持ち寄って、話し合うこともある。東急などファッション業界とは異なる業種の方々にも来ていただき、レクチャーをしてもらうこともある。

    #ジム#八木原保#ニット業界#経営#ファッション業界#ニットメーカー
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