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2025

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    黄綬褒章と旭日双光章2つの叙勲までの道のり

    #26黄綬褒章と旭日双光章2つの叙勲までの道のり

    原石からダイヤへ

     2012年に黄綬褒章を、2020年には旭日双光章の叙勲を賜(たまわ)るという、身に余る光栄を頂戴した。

     黄綬褒章は、内閣府によって「農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する者」(内閣府HPより)に授与されるものであり、旭日章は、国や公共への貢献が認められた方に対して、天皇陛下より授与される栄えある勲章である。多様な分野で尽力されている多くの方々が対象となっており、そのような中に自分が名を連ねさせていただけたことは、恐縮に堪えない。これまで地道に取り組んできた仕事や活動を、思いがけずご評価いただけたことは、大変ありがたく、身の引き締まる思いである。

     現在ではさまざまな分野でご活躍されている方々が受章されるようになっているが、もともとは国家公務員や警察など公的な職務に長年携わった方々に授与されるものであった。私のような民間の立場でこのような栄誉を賜ることは、当時としては非常に稀であったと伺っている。実際、2つの勲章を受章された方は全体でもごくわずかで、約100人に1人ほどとも言われているそうである。

     また、会社の業績のみで受章できるものではなく、全国規模の業界団体の理事長など、複数の団体において長年にわたり責任ある立場を担ってきたことも、その一因として評価していただいたのではないかと思う。アパレル業界からの受章者もごく少数で、歴代でも数名と聞いており、その中に加えていただけたことに、改めて感謝の念を深くしている。

     受賞にあたっては1年がかりの審査が必要で、実は膨大な資料を準備し提出しなければならない。それを東京都庁と経済産業省が審査し、そこで承諾されてはじめて実現する。そのような事情もあり、国家公務員を表彰するケースが圧倒的だったらしく、民間人にはハードルが高い。

     それらを乗り越えると、行ってみなければわからないような所に着いて、通常は味わうことのできない経験ができる。前日は東京プリンスホテルに泊まり、次の日に前打ち合わせをおこない、バスで皇居へ向かった。皇居の宮殿にある「春秋の間」に通され、天皇陛下に謁見(えっけん)し、お言葉を賜り、記念撮影などをおこなった。

     反響も大きかった。このような褒章や叙勲を授かることになると、あらゆる新聞に記事が出る。すると、業界の方々から次々と祝福の連絡をいただいた。

     また、業界の方たちに祝賀会を準備していただけたことは大変嬉しかった。旭日双光章の叙勲を授かった時はコロナ禍の真っ最中であったため、祝賀会の開催は見送られたが、黄綬褒章受章の時には、19人の発起人によって祝賀会を開催してもらい、盛大に祝っていただいた。発起人の中には設楽氏や、当時株式会社三越伊勢丹ホールディングスの社長だった大西洋氏もいらっしゃった。

     ニット一筋。背伸びをせずに身の丈に合った経営を貫きつつ、地域社会や業界団体のためにも力の限りを尽くして貢献してきたことが、褒章・叙勲という形でご評価いただいたことは、喜びもまたひとしおであった。

    #ジム#八木原保#ニット業界#経営#ファッション業界#ニットメーカー
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